グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

横浜リサのもっと輝け!日本人女性

管理職一年生 - デリゲーションしているのに忙しい (3)2015.07.07

 

管理職になったばかりのMさん、仕事を部下に振ってデリゲーションをしているのに、なぜか前よりも忙しい。どうも、仕事の指示をするときに「何をやってください」というだけで、背景や目的の説明をしないため、部下から質問攻めにあっているようです。(その様子は前回をご覧ください。)

 

ゴールや背景を説明しないで、デリゲーションすると、部下は判断材料を持たないので、質問し始める。マネージャーは何で自分で判断してやってくれないんだ?と不満に思う。しまいには、Mさんは自分でやったほうが早いんじゃないか?などと思い始め、デリゲーションをしなくなる・・・全くもって悪循環のできあがり。そんな悪循環を打破するために試していただきたい方法がこちら↓!私もこの方法を使うようになってから、かなりチームの貢献度が上がりました。

 

「ゴールや背景を説明する」

 

管理職1年生のMさんがゴールや背景の説明をすっ飛ばして実際に何をいつまでにして欲しいかのみ部下に伝えていた様子は前回のコラムを読んでいただけるとわかると思います。仕事を頼まれた部下は自分で考えることをせず、頼まれた仕事を一生懸命にこなそうと必死なため、Mさんに質問ばかりしてしまうことに・・・

 

「Pプロジェクトに関しての既存の説明文をもっとわかりやすくして出してください。」とMさんに指示され、

 

● どの辺りが分かり難いのでしょうか?

● 概要を説明するだけでいいですか?

● 今わかっている問題点など書いたほうがいいですか?

● システムの説明など加えたほうがいいですか?

 

などを質問。 

Mさんは「こんなに質問されるぐらいなら自分でやったほうがまし!」と心で思うものの、丁寧に一つ一つYさんの質問に答えたところ・・・・

 

結果、Yさんが書いた説明文は、すごく詳しく、テクニカルな言葉も多くなり、そしてかなり長い文章になっていました。

 

指示通りに、Wさんに提出したところ、Wさんはご不満な様子。

 

なぜでしょう?

 

それはWさんの求めていた「わかりやすく」の意味は、短く簡潔に上層部がわかりやすい説明文を求めていたからなのです。

 

つまり、ゴールは「短く簡潔な説明文を書くこと」

 

であり

 

背景は「上層部に読ませる文章だから」

 

となります。

 

元々のMさんの指示はこうでした↓。

「大至急Pプロジェクトに関しての既存の説明文をもっとわかりやすくして出してください。出来たらWさんに提出してください。」

 

これでは確かに上層部に読ませるような短い簡潔な説明文を書いたらいいんだということは理解し難いでしょう。

 

それでは、Mさんはどのような指示を出していたらよかったのでしょう?

もう皆さんはおわかりですよね。

 

「大至急Pプロジェクトに関しての既存の説明文をもっとわかりやすくして出してください。できたらWさんに提出してください。ちなみに、この説明文はWさんから社長に提出されます。社長はPプロジェクトのことはほとんど知りません。よって、説明は、ハイレベルで簡潔に、長くても2文で書いてください。」

 

もし上記のように指示していたら、少なくともYさんは説明文を長くすることはなかったでしょう。テクニカルな事をつらつら書くこともなかったでしょう。おそらく色々と自分で考え、説明文を2文にまとめる努力をしてくれたと思います。

 

実際、この後ゴールや背景を含めてYさんに再度指示を出したところ、Yさんは完璧な説明文を出してきてくれたそうです。

 

つい忙しいと、背景の説明を端折ってしまい、何をやって欲しいかのみ頼みがちに。でも実はそれが逆に自分の首をしめていたMさん。自分が少しでも楽になりたいのであれば、ゴールや背景を説明する癖をつけてみましょう。必ず周りが考え、判断してくれるようになってきますよ。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

横浜 リサ

某米国リベラルアーツ大学卒業後、某外資系金融にて、業務畑で20年以上勤める。入社4年目にして管理職に抜擢されてからは、管理職道まっしぐら、日本・NY・アジアでのビジネス経験を持つ。「脱サラして、起業!」という思いをひっそり暖めており、リーマンショック時を機に、香港で自身の会社経営を実現。4年間の起業人生活の後、「50代の金融復帰・転職なんてまず無理でしょう!」と言われているこのご時世に、畑を飛び越えて(業務畑からコンプライアンス畑に)めでたく転職を成功させた珍しい人種でもある。中学3年で親の仕事の関係上、初めて海外デビューをした頃まったく話せなかった英語が今では日本語よりも得意になるほど。休日は山歩きを楽しむどこにでもいる山おばさん(山ガールと言いたいとこだが。。。)。七転び八起きをモットーに、2児のシングルマザーとして家庭と管理職の両立をしながら、女性が女性らしく働けるようリアルな現場を暴露、管理職道ノウハウを発信中。

合わせて読みたい

---