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ななよづきのキャリア相談室

興奮できる仕事とは2016.12.27


憧れを持って入った会社でも、数年が経つと、ルーティンワークという定例的な仕事にも慣れ、当初思い描いていた「やり甲斐のある仕事」とか「興奮できる仕事」とかいうものとは無縁なものかという諦めが生まれるようです。しかし、人生は、時として、試練に直面することがあります。今回は、私の後輩で、そうした試練に直面し、キャリアを構築していった一人の女性を紹介します。この女性の実話から、試練をチャンスと捉え、キャリア構築する考え方を学んでいただければと思います。

毎日データの入力作業、これが私の仕事なの?


Oさんは4年制の大学を卒業し、新卒で日本の企業に入社しましたが、大好きな英語を仕事に使いたいと思い、外資系企業に転職しました。ところが、英語を使う仕事はほとんどなく、毎日毎日パソコンにデータを入力する日々を過ごしていました。データ入力に多少の英語表記はありますが、夢に見たような、英語を使う仕事とはほど遠いものでした。せっかく、外資系企業に転職したのだから、英語を使いたい、それにはもっと英語力を付けて会社にアピールすべきだと思ったOさんは、勉強して、TOEIC940点を取りました。早速、上司に報告し、人事部に申告しました。すると、間もなくして、上司より、「君の英語力を評価し、今度、英語の電話会議があるので、君にも出てもらうよ。仕事は英語の電話会議の議事録を作成して欲しい。まずは初回なので、来週月曜日に電話会議があるので、その会議に出てもらおうかな」という言葉をもらいました。力技のようにも感じますが、希望していた、英語が使える仕事にたどり着けたのです。しかし、「仕事で英語が使える!」という嬉しい気持ちとともに、だんだん、「大丈夫なのだろうか。私に出来るのだろうか。」という不安が募って来ました。確かにTOEICテストではリスニングで満点に近いスコアを獲っているが、手加減なしの生の英語を聴いて、内容を理解し、その議事録を英語で書くことが出来るのだろうか。英語テストではどんなに長くても2分以内の内容、しかも質問もあり、答えも4つの選択肢から選ぶというリスニング問題で正解しているだけ。30分にもおよぶ電話会議を聴いて、内容を理解し、議事録を、しかも英語で書くなんて、「私には無理かもしれない」。そう思い始めたら不安で眠れなくなってしまったそうです。

本当の英語は私には無理?


電話会議当日は、営業の部門長を始め、各部門の部門長や担当課長らという、そうそうたるメンバーが出席し、さらに、海外の部門からも複数の外国人が参加し、会議が始まりました。スピードのある英語に驚くだけでなく、話の内容も半分もわからず、当然、メモもほとんど書き留められません。焦れば焦るほど、英語がわからなくなり、頭の中が真っ白になってしまいました。30分の電話会議が3時間、いや、それ以上に感じたそうです。Oさんから受けた相談に、私は、「英語の基礎力はあるので、まず自分の英語力に自信を持つこと。不足しているのは、専門用語。話題になっている製品知識を英語で書かれた製品カタログ等を見て英語で覚えること、前に先週行われた、電話会議の、英語で書かれた議事録を見せてもらい、話の流れ、どういったことが議論されたのかを掴むこと。もし、可能であれば、上司に許可をもらい、電話会議の内容を録音し、その内容を何度も聴いて書き取り、使われる表現に慣れること」と助言しました。頑張り屋のOさんですから、私の助言をすべて実行したそうです。大変だったと思います。会社では、通常の仕事もあり、それに加えて、この電話会議の議事録作成です。その議事録をきちんとしたものにしたいという想いが強かったのでしょう。自宅でもやらなければならないことが山ほどあったそうです。でも、Oさんはやり遂げました。その成果は思った以上に速く出てきたそうです。話の流れがわかるようになると、話の先までが予想できるようになり、議事録に使われる表現にも慣れて、議事録を取れるようにまでなったそうです。まだまだ、緊張感はなくならないということですが、毎回の電話会議の30分は極度に「興奮する」そうです。また、書き上げた議事録を上司に褒めてもらうと、自分も仕事に貢献している感が強くなり、仕事が以前よりも充実感で一杯だそうです。以前よりも何倍も興奮する仕事をしている実感があるのでしょう。活き活きして見えるのは私だけではないでしょう。

こうしてみると、チャンスは困難とともに現れるようです。その「困難」に押し潰されるのではなく、頑張って対応し、乗り越えた時に、充実感とともに「興奮する仕事」として実感出来るのかもしれません。

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この記事の筆者

ななよづき

現在40代ど真ん中の1児のママワーカー。
外資系の企業を渡り歩き続け、ママ業本気、ビジネス超本気の人生を過ごす。企業人事の枠を超え現在は人事コンサルタントとして独立。常成長し続ける組織を作るために、中小企業から大手企業まで幅広く支援を行い、近年はダイバーシティー推進にも注力。『働く』に男性も女性もパパもママも関係ないを信条に日々活動。

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