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タカシの外資系物語

君はインドのベストセラーを知っているか?!(その2)2015.01.20

各国のベストセラー・ランキングを眺めてみると・・・

前回の続き)年明け最初のグローバル電話会議では、各自が年末年始に読んだ本の紹介をする、いわゆる “ビブリオバトル” がここ数年の恒例となっています。私は経済学の専門書としては異例のベストセラーとなっている、“ピケティ本” (『21世紀の資本』(みすず書房刊 原題:『Capital in the Twenty-First Century』 by Thomas Piketty)を紹介しました。

本書の内容については読者のみなさんに委ねるとして、私の意見を年始のコラムに少しだけ書きましたので、気が向いたら読んでみてください(2015.1.6 『ピケティ式 r > g をぶっ飛ばせ!』 参照のこと)。 

 

さて、自分の出番が終わったので ホッ! と一息ついていると、インド支社のVivekから、未知の作品の紹介が!!(・・・っていうか、Vivekの英語がほとんど聴き取れなかったということも大きいが・・・)。

タイトルは、“A Thousand Splendid Suns” by Khaled Hosseiniインドのみならず、世界的な大ベストセラーとのこと。

 

読書好きを自称し、流行にも敏感だと自負していた私は、この本の存在すら知らなかったという事実に、大きな衝撃を受け、そのプライドは完膚なきまでに打ち砕かれました・・・。 でも、この本、私だけじゃなく、みなさんも知らなかったのではないでしょうか? どうです??(と、無理やり同意を求める、往生際の悪いタカシ・・・) ということで、今回のコラムでは、“日本人の偏ったグローバル観” についてお話したいと思います。

 

クーリエ・ジャポン(COURRiER Japon)という雑誌の2015.2月号にて、「完全保存版 世界の人はこんな本を読んでいる。」 という特集を組んでいました。Vivekが紹介してくれた “A Thousand Splendid Suns” by Khaled Hosseini は、インドの最新ベストセラー・ランキング第2位。加えて、長期にわたるロングセラーのようです。

ま、ここまで事実を見せ付けられては、認めざるを得ませんなぁ・・・、私の読書レベルなんてのは、まだまだ修行が足りん! ということです。トホホ・・・(T-T)

 

各国のランキングを眺めていると、いくつかの興味深いことに気付きます。

 

  • ●RUSSIA ロシア ・・・ ノンフェクション部門の1位は 『ロシア国家史』。ふむふむ、なんとなくそれっぽい・・・ しかし、2位が 『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』 って、やっぱ、気になるのね、“ライバル” のことが・・・

  • ●UK イギリス ・・・ 小説部門の3位に、日本人作家である平出隆著の 『猫の客』 (“The Guest Cat” by Takashi Hiraide)がランクイン。

    失礼ながら、私はこの本はおろか、作家さんすら知りませんでした・・・(平出さん、スミマセン・・・)。また、ランクインはしていないものの、カズオ・イシグロ氏 の評価も高いようです(この人は5歳からイギリスに住んでいるので、英語ネイティブです。よって、原著は英語で、別の日本人が翻訳しています)。代表作である “The Remains of the Day” by Kazuo Ishiguro  邦題 『日の名残り』 は、さすがに有名なので、私も読了済みです

  • ●CHINA 中国 ・・・ ノンフィクションの1位は、『論語』(!)。
    多分、ずっと1位なんでしょうねぇ・・・。 『聖書』と並ぶ、スーパー・ベストセラー(?)ですな・・・

欧米中かっ!

私は パトリシア・コーンウェル や トム・クランシー、スティーヴン・キング の大ファンです。ダン・ブラウンも好きだし、あ、『大聖堂』のケン・フォレットも、文庫になる前に読んでしまうほどのフリークです。しかし、これらの作家って、欧米人ばかり。カーレド・ホッセイニ(=アフガニスタン人)なんて、自分の視野にも入っていませんでした。

 

翻訳モノ自体は、高校生の頃から読み始めたと思います。多くの人がそうであったように、私もアガサ・クリスティから入り、大学に入るとカフカやカミュ、ドストエフスキーなど・・・(未だに読みきれていませんが)。

でも、ぜーーんぶ、欧米系。数年前に、お笑いコンビの タカ・アンド・トシ が 

 

「欧米かっ!!」

 

というギャグで一世を風靡していましたが、私の読書対象は、

 

リアルに 「欧米かっ!!」

 

だったという笑えない話・・・

 

日本人にとって欧米以外の作家が遠い存在であるように、グローバルから見れば、依然として、日本人の作家は馴染みがないのでしょう。そういう意味では、1968年にノーベル文学賞を受賞した 川端康成氏 というのはすごいわけで、これまでに候補に挙がったと噂される 三島由紀夫氏 や 安倍公房氏 もこれまたすごい。ちなみに、安倍公房さんの代表作である 『壁』 『砂の女』 はまぁいいとして、『箱男』 や 『密会』 にいたっては、完全にスパーク(!)&トランス(!!)してますからね、凡人の発想ではない!! さすが東大医学部卒は一味違う・・・ と再認識させられます。

 

現代日本を代表する 村上春樹氏 には、なんとしてもノーベル賞を取ってほしいですし、海外で評価の高い 中村文則氏 にも頑張ってほしい。個人的には、劇団ひとりさん や ピースの又吉さんは、相当な書き手だと思っているので、こちらも応援したいと思います。

 

話を戻しましょう。読書ひとつとっても、私は欧米の作品 と 『論語』 や 『三国志』 しか知りません。つまり、私にとっての “グローバル文学” は、欧米中 以上!!! というわけ。なんと、情けないことか・・・(T-T)(T-T)(T-T)

困ったら・・・ キャプテン・アメリカ が飛んでくる?!

この “偏ったグローバル感” は、本に限ったことではありません。新聞の全国紙やニュースでも、欧米中、韓国、ロシア以外のことは、まず掲載されません。特に、南米やアフリカの情報など、お目にかかることはめったにない。

これらの地域でたまに目にするニュースは、戦争・テロ・集団暴行・未知の感染症などに限られます。これらの情報は、北側の先進国にトラブルが飛び火しないようにするための “予防措置” 以上のものではなく、抜本的な問題解決を念頭に置いたものではない。

 

日本人の大半にとって、南半球も含めた全ての地域で起こっているトラブルは、

 

「困ったときは、アメリカが何とかしてくれる」

 

もんだと思い込んでいます。 ホントか、それ?! 厄介な隣国から核爆弾が飛んできても、正義の味方アメリカがすぐに駆けつけて、撃墜してくれるのか??!! この狭い地球上で、子どもが子どもを殺し、信じられないような人権侵害が日々起こっている、それもアメリカが駆けつけて、解決してくれるのか???!!!

 

カーレド・ホッセイニ(アフガニスタン人) 『君のためなら千回でも』 『千の輝く太陽』、 ヤスミナ・カドラ(アルジェリア人) 『テロル』 を読むと、中東アラブの悲惨な現状と、その価値観に驚かされます。

 

ガルシア・マルケス(コロンビア人) 『百年の孤独』 を読むと、その圧倒的な世界観に、目を開かされます。ちなみに、1982年にノーベル文学賞受賞。

 

アゴタ・クリストフ(ハンガリー人) の いわゆる “三部作” 『悪童日記』 『ふたりの証拠』 『第三の嘘』 を読むと、ヨーロッパ大陸に巣食う、拭いがたき “暗さ” を感じずにはいられません。

 

そして、グローバルで活躍する人材の多くは、これらの本を 必須の教養 として身につけています。そんな彼ら・彼女らと伍していくために、日本人が取るべき術は何か? 次回、その解決策を具体的にお話いたします。

(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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