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タカシの外資系物語

ピケティ式 r > g をぶっ飛ばせ!2015.01.06

恒例、タカシの年末・年始

みなさん、新年明けましておめでとうございます! 本年も 『タカシの外資系物語』 を、何卒よろしくお願いいたします!!

 

この年末年始、みなさんはどのようにお過ごしになりましたか? 自民党・安倍政権がことさらに喧伝するほど、景気回復の実感はないものの、超不景気という感じでもない。とはいえ、この円安ですから、海外旅行は腰が引ける・・・。 ま、正月はどこに行っても混みますから、家や近場で家族と一緒に過ごすのが一番です。いわゆる 安・近・短 で過ごした方が多いのではないでしょうかね。

 

以前、このコラムでもお話したと思いますが、私には正月の “恒例行事” があります。それは、「主要新聞の1月1日(元旦)版に目を通すこと」。元旦当日の新聞って、本紙と広告のほかに、5~6部くらいの別冊がついていて、ものすごいボリュームなのは、みなさんもご存知だと思います。実はあれ、宅配だけだと思われている方が多いのですが、あのボリュームと同じものが、コンビニやKIOSKにも売っています(毎年元旦には、新聞の棚がえらいことになっているのですが・・・)。

 

私の場合、日経は定期購読していますので、読売・朝日・毎日・産経、あと神奈川新聞も買います。地方紙には、生活に密着した情報が多くて、結構面白いんです、これが。

1紙が普段の5~6倍あって、それを複数買って来るわけですから、正直ハンパない量。目を通すだけでも数時間は優にかかるのですが、これをすることで、今年1年、だいたいどんなイベントがあるのか、何が流行りそうなのか等、概略をつかむことができます。私にとっては、1年を始める上での頭の整理、準備運動みたいなもんですね。もうかれこれ、15年ぐらい続けています。

 

あとは、せっかくまとまった休暇が取れる。それも、徹夜しても翌日のことを気にしなくて構わない・・・ ということで、読み応えのある本も読むようにしています。それも、小説のような “柔らかいもの” と、経済書などの “堅いもの” 両方を選ぶようにしています。特に、後者は普段は忙しさにかまけて、解説本みたいなのでお茶を濁すことが多いので、年末年始ぐらいは、原著にチャレンジするようにしています。私が今年選んだ “柔らかいもの” は 宮部みゆきさんの 『ソロモンの偽証』、“堅いもの” は トマ・ピケティの 『21世紀の資本』(『Capital in the Twenty-First Century』 by Thomas Piketty) としました。

勤勉家は、電車内で筋トレをする?!

ということで、「今年の冬休みの宿題 = タカシの課題図書」 も無事決まり、今もひたすら読んでいる(ただ今、2015/01/03 12:00過ぎです・・・)わけですが、はっきり言って後悔しています。まず、宮部みゆきさんの 『ソロモンの偽証』・・・、6巻もある(!)とは思っていませんでした。せめて、3巻ぐらいにしてほしかった・・・ こりゃ、正月中に読破するのはムリですね。ただ、4月には映画化されるようなので、それまでにはカタをつけたいと思います。

 

余談ですが、私は今、2巻の途中を読んでいるのですが、犯人わかりましたよ。宮部さんの小説はほぼ全て読み込んでいるので、だいたい結末も想像がつく。相変わらず、面白いですね、宮部さん。でも、描かれている中学生が、なんか古臭いというか、20年前の中学生というか・・・ 宮部さんや私が学生だった時代を描いているようで、ちょっと違和感あるんですが・・・

さて、もう1つの課題図書 トマ・ピケティの 『21世紀の資本』。超話題の本ですよね。純粋な経済学の本でありながら、アメリカのAmazonで売上1位になったモンスター本です。昨年の秋ごろから、日本でも新聞やビジネス誌で特集されていたので、ご存知のみなさんも多いのではないでしょうか。

 

「今年の “堅いもの” の課題図書は、これしかないっしょ!」ってことで、私も発売日に買ったのですが・・・、結論から言うと、こちらもかなり後悔しています。 まず、重い! ハードカバーで 728 ページもあるんですよ、みなさん! 筋トレか、この本・・・ 少し前に流行った、楠木建先生の 『ストーリーとしての競争戦略』 も重かった。電車内で腕の筋肉引きつらせながら読破したら、その後1ヶ月もたたないうちに電子版が出ました・・・(T-T) 少しぐらい値段を高くしてもいいので、はじめから電子版が欲しいです! 同じ要望を持ってる人、結構多いと思うんですけどね・・・

g(労働力) を g1(労働力+α) にする!

トマ・ピケティの 『21世紀の資本』を読むことにした最大の理由は、海外の同僚が絶対読んでいるからなんですよね。正月明け(海外からすれば、クリスマス・シーズン明け)の電話会議の冒頭とかで、クリスマスや年末年始に読んだ本の話題がよく出ます。

 

「タカシは何を読んだの?」

「『ソロモンの偽証』・・・、もう犯人わかったよ!」

 

・・・でも一向に構わんのですが、先方も知っている本にしないと話が膨らまんので、“グローバル共通言語” としての本を読んでおく必要があるのです。

 

「タカシは何を読んだの?」

「『Capital in the Twenty-First Century』 by Thomas Piketty !」

 

さて、その次は必ず感想を求められますから、その準備も必要です。で、この本なのですが、非常に読みにくい。決して難解だとは思わないのですが、経済学の本を読み慣れている人でも、少し骨が折れるかもしれません。言葉の定義も曖昧だし、統計の部分が多いし・・・

 

ただ、ピケティが言いたいことは単純で、以下の数式に凝縮されています。

 

r > g

 

資本収益率(r)は、経済成長率(g)を常に上回る。もう少しわかりやすくいうと、株や不動産などの投資によって獲得される成長率は、労働者の賃金上昇率を上回る、と言っています。つまり、汗水たらして働いても、バブリーなヒルズ族みたいな輩には勝てん。この仮説は、みんな何となく 「そうじゃないかな?」と思っていたものですが、ピケティは過去200年の統計データを使って、この仮説を実証したのです。これが、少し前にアメリカで起こった “We are the 99% (上位1%の人が富の多くを占有している)” 運動と結びついて、ピケティ・ブームを生んだわけです。

 

経済学的な解説は専門家に譲って、では、私はこの本の主張に対して、何を思うか? 私は、価値の根源は、人間の労働力にあると思っています。ここでいう “労働力” とは、マルクスがいうところの、資本家-労働者 という対立軸における労働力に加え、創意工夫やイノベーションなど、定性的なものも含まれます。これを g1 とすると、本来なら r < g1、少なくとも r ≦ g1 と表記されるべきでしょう。そもそも、株や不動産というのは、人間の創意工夫やイノベーションを実現するインフラであり、成果であるべきなので。

 

r > g というのは、結局のところ、人間の持つ潜在能力が、十分に発揮されていない or 評価されていない状況を指しているように思います。ITに振り回されている状況などは、その典型的な事例だと思います。われわれがすべきこと、それは以下のプロセスを進めることです。

 

g → g1    ⇒    r = g1    ⇒     r < g1

 

「私の仕事は、g を g1 にすることである」 これは、私自身の矜持です。微力でありますが、今年も頑張っていきたいと思います。では!

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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