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タカシの外資系物語

“センス” を後天的に手に入れる方法 (その3)2014.12.22

“センス” がいい人の本は、アメリカで バカ売れ?!

前回の続き) 過去2回のコラムにおいて、クリエイターの佐藤可志和さん・水野学さんの活動や発言をもとに、「“センス” は後天的に手に入れる(or育成する)ことが可能か?」 というお話をしました。水野さんの言葉を借りれば、「“センス” は後天的に手に入れることが可能。ただし、巧拙はあるので、キラリと光るものを持っている人がクリエイターになっている」とのことでした。私にとって重要なことは、“センス” の欠片もないと思い込んでいた私にも、トレーニング次第でそれなりのレベルになれる、ということ。これは新発見でしたね・・・ 今回のコラムでは、外資系企業というビジネス現場において、“センス” をどのように捉えているのか? についてお話します。

 

Appleのスティーブ・ジョブズ、Amazonのジェフ・ベゾス、Googleのエリック・シュミット、Facebookのマーク・ザッカーバーグ・・・ さすがアメリカ! “センス” 抜群のイノベーターを挙げろと言われれば、両手に余る名前が次々と出てきます。

アメリカでは、彼ら・彼女らの伝記、評伝は、バカ売れします。また、カーネギーを中心に、“センス”に磨きをかける自己啓発系の本も売れます。もちろん、日本でも、カリスマ経営者やクリエイターの本はそれなりに売れますが、アメリカほどではありません。

 

わかりやすい例を示しましょう。戦後、日本で2番目に売れた本は、松下幸之助さんの 『道をひらく』(PHP研究所) という本でして、販売累計500万部以上と言われています(ちなみに1番売れたのは、黒柳徹子さんの 『窓際のトットちゃん』(800万部!)、3位はハリー・ポッターだそうです・・・)。アメリカで バカ売れ というと、『道をひらく』 のような売れ方を指します。数万部売れた(それでも、スゴイですが・・・)というのは、ほんの一時的なブーム(smash hitといいます)に過ぎず、社会現象を起こすレベルではありません。

 

では、どうしてアメリカでは、“センス” 抜群のイノベーターを描いた伝記、評伝がバカ売れするのか? そして、速攻でハリウッドが映画化し、これまた大ヒットするのか? 答えは簡単です。それは、「需要があるから」 なのです!

外資系が人材育成において お金 をかける分野とは?!

一般に、外資系企業では、以下のような考え方をします。

 

【前提】 

ビジネススキル = ①業務遂行能力(分析・意思決定・マネジメント含む) + ② “センス”

 

①    業務遂行能力 ・・・ MBAが主に対象とする領域。企業として、当該エリアにおける社員のスキルUPを、研修等でサポートする

 

②    “センス” ・・・ 基本的に、本人任せでサポートはしない。ほとんどは、生まれつき備わっている能力で、凡人には体得が難しい。とはいえ、ある程度まではスキルUP可能なので、自身に “センス” がない、と自覚している人は、自分で何とかしろ!

 

「自分で何とかしろ!」って、何て乱暴な・・・ と思われるかもしれません。しかし、私はこの考え方を、2つの点で評価しています。1点目は、限定的ではありますが、“センス” は後天的に取得可能だと言っている点。これは、クリエイターの佐藤可志和さん・水野学さんの考えに近いと思います。

2点目は、会社は支援しない、と言い切っている点。“センス” 自体は認めるものの、とらえどころがない(≒定量化困難)のは事実。企業における人材投資は有限なのであるから、成果の上がりやすい ① に集中投資した方がいいのです。

 

さて、外資系企業の考え方は上記の通りだとして、では、個人の力で “センス” を向上させるにはどうしたらいいのでしょうか? それは、

 

ホンモノ を見て、感性 を磨く

 

という地道な作業に他なりません。

今年、何回泣きましたか?!

前回のコラムで、クリエイターの水野学さんは、一ヶ月の間に、女性向けファッション誌だけで、50冊以上に目を通すという話をしました。と同時に、本や映画、演劇などへの造詣も深く、人脈も豊富でしょう。ここで重要なのは、「知り合いが何人いるか?」 ではなく、「自分の感性に影響を与えてくれる人と接点が持てるか?」ということです。数は重要ではありません。

 

さて、話を戻しましょう。どうしてアメリカでは、“センス” 抜群のイノベーターを描いた伝記、評伝がバカ売れするのか? それは、イノベーターの考え方・発想を学ぶことで、自分の感性を磨いているからです。もっというと、自分で意識的かつ貪欲に、“センス”UP をはからなければ、企業はおろか、だれもサポートをしてくれないのです。だから、みなさん必死なんですよね。

 

一方で、日本とは対照的に、MBA関連本は思ったほど売れません。Administrationよりも、Impression、感性に訴えかけるコンテンツでなければ、時間のムダなのです。

 

あなたは今年、何冊の本を読みましたか? 何本の映画、演劇を観ましたか? その結果、何回涙を流しましたか?  感性磨きというのは、こういうこと。自分が涙を流したプロセスを振り返ることで、自身のクライアントが涙を流すような商品・サービスを提供できるような “センス” を身につけることができるのです。

 

さて、もうすぐ年末年始のお休みです。みなさんも、「ホンモノ を見て、感性 を磨く」 ことを意識して、時間を過ごされてはどうかと思います。普段仕事詰めのお父さん、お母さん、家族サービスも忘れぬよう。

 

今年も一年お付き合いいただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

 

Happy Merry Christmas !   by Takashi

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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