グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

タカシの外資系物語

タカシ流読書のススメ ( その 2 )2009.07.28

事術・成功本は、印象に残らない ?

前回の続き) 前回のコラムでは、 「うそくさい」 「その著者しかできない (=その著者だからこそできた、凡人にはできそうにない)話だ」 という理由から、私は仕事術・成功本といったジャンルの本を最後まで読み切らずに挫折する・・・ という話をしました。では、私の同僚はどうなのか ?


「最近、どんな本、読んでる ? 」
私はときどき、チームの若手にこのような質問をしてみます。質問の意図は、「ネットばかりでなく、活字の本も読んでるんだろーーな・・・」 ということを、教育的見地から確認することなのですが、私自身も何か参考になる情報(例えば、若手コンサルタントの間で流行っている本をリサーチする、そうすることで「タカシさん、すごーい!」と思わせる・・・)を得たいとも思っています。<BR>
A くん 「そうですねぇ・・・ ○○さんの本を読みましたね ! 」
B 子さん 「あ、私も ! ○○さんの本は、何冊か持ってますよ」
○○さんというのは、最近売り出し中の女性経済評論家です。書店に行くと、彼女の本だけでコーナーができるぐらい、短期間に異常な量の本を出版しています。


私 「ふーーん、○○さんって、やっぱり人気あるんだね・・・ で、どうだった ? 」
A くん 「わりと、面白かったっすよ」
私 「どういうふうに、面白かったの ? 」
A くん 「どういうふうにって、うーーん、・・・ われわれと似た業界で、それなりに成功している人ですからねぇ・・・」
B 子さん 「女性コンサルタントの間では、憧れの存在なんですよ」
私 「だから、どういう点がすごいの ? 」
A くん、B 子さん 「・・・・・・」
私 「なんか、印象に残ったことはないの ? 」
A くん、B 子さん 「・・・・・・」

○○さんのようになれない私は・・・

実は私も、○○さんの本は 2 冊ほど、途中まで読みました。「自分を Google 化しよう ! 」というコンセプトには、私も同調します。これだけの情報洪水の中で、必要・有益な情報を選択し活用する、いわば 「情報編集能力」 が重要であるという内容。これは、私の好きな作家である、編集工学研究所の松岡正剛さんも言っている内容です。私は、松岡正剛さんの「編集」という概念を、大学の卒業論文に引用した記憶があるので、この概念自体は、かれこれ 20 年以上前から存在しています。


「自分を Google 化しよう ! 」 で ? どうするのか ? どうすれば、必要・有益な情報を 「選択」することができるのか ? ○○さんの本には、この 「選択」 という視点があまりないように思います。というか、そのプロセスが省略されているのです。なぜか ? それは、○○さんはかなり優秀な方なので、「情報を集めさえすれば、選択ぐらい自分でできるでしょ ! 」 と思っているフシがある。われわれのような凡人は、情報を集める手段よりは、集めた情報を切り分ける方法こそ知りたいわけで・・・ ○○さんの本が読まれている割には、読者の印象に残らない理由も、その辺りにあるように思えてなりません(あくまでも私見ですが・・・)。


くれぐれも誤解いただきたくないのですが、私は○○さんを批判して、攻撃したいわけではありません。前回から繰り返し述べているように、日本における仕事術・成功本のたぐいは、だいたいこんなもんなのです。だから、私はあまり読まない。同じ著者で何冊か出ていたとしても、どれか一冊、ペラペラッと読めば、その人の言いたいことは、ほとんど理解できる内容になっています。
また、ほとんど場合、私自身よりもかなり優秀な方 (勉強ができる、というか、学校の成績を上げるための要領を知っている方)が書いているので、その点も注意 ! です。


『・・・このように、ネットの英語ニュースを毎日見るようになると、“英語脳” が活性化されるので・・・』 (ある成功本より抜粋)
そもそも “英語脳” が存在しない私などは、どうすればいいのでしょうかねぇ・・・(T-T)


確かに、私だって○○さんのようにスマートかつ効率的に仕事をしたい。しかし、○○さんと私では、元々かなりのギャップがあるわけで、そういう前提で、内容を参照すべきなのでしょう。でないと、A くんや B 子さんのように、せっかく○○さんの本を読んでも、何も残らない。なぜなら、自分の立場や能力に照らし合わせて、○○さんの本を咀嚼できていないからです。これでは、タレント本を読んでいるのと、何ら変わりはありませんし、非常にもったいない時間の使い方のように思います。

アメリカにおける仕事術・成功本事情

さて、アメリカにおける 「仕事術・成功本」 事情は、どんな感じでしょうか? アメリカ人の同僚によると、アメリカにおける仕事術・成功本は、以下のように分類されるようです。


(1) 有名人系
(2) ストーリー系
(3) ド素人系


まず、「(1) 有名人系」ですが、これはどこかの社長とか著名なコンサルタント・経営学者が書いている本です。日本の○○さんもこれに近いのですが、最大の違いは、「アメリカ人の場合、ほとんど同じ内容の本を、毎月毎月出すようなことはしない」とのこと。そんなことをすると、かえって評判を落とすので、逆効果らしいです (アメリカでは、本の書評ブログがかなり参照されているため、売り上げ目的で同様の本を乱発すると、間違いなく標的にされて、ボコボコにこき下ろされるそうです。おー恐 ! )。


あと、アメリカの場合、○○さんのような人は、 2 年に 1 回ぐらい本を出して、普段は、講演会や企業コンサルで稼ぐのが通常のようです。「ドラッカーやジャック・ウェルチ (GEの元社長) レベルなら別だけど、同じ著者が書いている同じような本を、そんなに読んでも仕方ないだろ ? 」 ま、そうなのかもしれません。日本人は、○○さんのような人に甘いんでしょうかね・・・


次の「(2) ストーリー系」は、自己啓発や企業再生などを、架空のストーリー仕立てで説明するようなものです。最近、日本でもこの手の本が増えてきました。以前、私もこのコラムでお奨めした本 『自分の小さな 「箱」 から脱出する方法』 (アービンジャー・インスティチュート著 大和書房)などは、非常に面白い (『研修終了 … その成果は ? ( その 2 & 3 )』 参照。私が紹介してすぐ、日本でも再販されて、ベストセラーになりました)。内容をストーリー仕立てにすることで、「あるある、こんなこと ! 」という感じで、感情移入しやすいのでしょう。


さて、最後の「(3) ド素人系」。「ド素人」とは、何の変哲もない一般人。同僚いわく、「読んでいる自分と同じような環境にいる、ごくありふれた “他人” の失敗談を読むことで、仕事をする上での参考にしよう・・・」というものらしいです。「ま、息抜きで笑い話を読んでいる感覚かな?」 なるほど・・・ どっかで聞いたことあるコンセプト・・・ そう! このコラム 『タカシの外資系物語』 って、まさにこの感覚で書いているんですけど・・・ みなさん、お気づきになってました ?

 

同僚いわく、「ドラッカーやジャック・ウェルチのようには、なかなかうまくいかないし・・・」 かつ 「自慢話は鼻につくし・・・」 でも 「似たようなだれかの体験談を、自分の仕事にも参考にしたいし・・・」 ということらしいです。

 

そういう意味でも、拙著 『外資流!「タカシの外資系物語」』 ( 奈良タカシ著 あさ出版 ) は、いい本だと思うんですけどねぇーー。 どうすか、みなさん !? 


A さん 「タカシさん、何かお奨めの本、あるんですか ? 」
私 「そうだね・・・ 『外資流! 「タカシの外資系物語」 』 なんて、どう ? 」
A さん 「な、なんすか、それ ? 」
・・・ 本当に価値のある本というのは、なかなか理解されないもんです、ハイ・・・ (T-T)(T-T)(T-T)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

ご意見・ご感想フォーム

合わせて読みたい

---