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タカシの外資系物語

インターンシップの功罪 ( その 2 )2008.10.21

学生さんとの昼食会にて

( 前回の続き ) 社内にインターンシップの学生さんを見つけてから数日後、人事部から次のような連絡が来ました。

 

「本日正午より、時間のある方は、インターンシップの学生さんとの昼食会に参加してください ! 」

 

… いやね、こう見えても、時間ないんすよ、私だって。でも、こういう誘いには、積極的に参加する方針なんです。理由は以下の通り。

 

( 1 ) 将来、一緒に働くかもしれない学生さんと接点を持ちたい ( ま、私なりの「青田買い」です … )
( 2 ) 単に、若い学生さんと接点を持ちたい ( なんか不純な感じがしますが、そういうこっちゃない ! なんか、インスパイアー ( inspire:刺激を受けて、何かが起こる ) されるかもしれんじゃないですか ! )
( 3 ) 単に、お昼代を浮かせたい ( これは、かなりセコいですが … )

 

というわけで、激務の合間を縫って ( ? )、インターンシップの学生さんとの昼食会に参加することにしました。

 

「はじめまして ! 私は金融部門に所属している、奈良タカシといいます。よろしくぅー(^^)」
会議室では、参加者の自己紹介が始まっています。私は配布された幕の内弁当を早々に平らげ( ペロリ ! )、主に上記 ( 1 ) と ( 2 ) の目的を達成するために、積極的に学生さんと会話することにしました。

 

学生 A 「よろしくお願いします ! 」
学生 B 「足手まといにならないように、頑張ります ! 」
学生 C 「タカシさんの現在の業務内容について、教えてください ! 」

 

… なんて素直でかわいいやつらなんやぁ … (T-T) 話していて気付くのは、学生さんたちの「前向きさ」「ひたむきさ」「やる気」。私の会社では、新人さんは入社後 2 年ほど経過してから本配属になるのですが、最近私のチームに配属された新人とは比較にならないぐらい、目が活き活きとしています。

 

ま、インターンシップにまで来て、目が死んでいたのでは話になりませんが、それにしてもこの違いは何なのか ? どうして、うちの新人の目は、たった 2 年でこんなにも濁ってしまったのでしょうか ? 「これが現実よのぅ … 」と言ってしまえばそれまでですが、悲しいものがあります。

インターンシップに応募した理由

「どうしてインターンシップに応募したの ? 」私が学生さんに最も聞きたいのは、インターンシップの「動機」「理由」です。一生のうちでも、最も遊べる ( はずの ) 学生時代に、なぜ彼ら ( 彼女ら ) は、インターンシップなどに応募したのだろう … 常々、私は非常に素朴な疑問を持っていました。

 

私の質問に対する回答のいくつかは、想像した通りのものでした。「業種や会社の研究がしたい」「就職のための準備がしたい」「教室では学べない体験がしたい」 等々。会社をブランドだけで判断するのではなく、奥に潜んでいる部分も評価することで、納得感のある就職活動をする。できれば、学生時代の「良き思い出」を作るとともに、社会人になるに当たって、心の準備もしておきたい … ま、そんなところでしょう。以上の回答については、読者のみなさんも容易に想像されたのではないでしょうか。

 

しかし、実は複数の学生さんが、私が想定していなかった回答をしたのです。

 

私 「君たちは、どうしてインターンシップに応募したの ? 」

学生 D&E 「そうですね、自分に合った企業を見つけるための手段ですかね。言うなれば、“就職戦略” ってやつですか … 」

私 「“就職戦略” ? 」

学生 D 「現在、僕は外資のコンサル会社を第一志望にしています。でも、それが本当に自分に合っているのか、もしかしたら、自分のレベルでは手に負えない業界なのかもしれないし … 」

学生 E 「ダメならダメで、他の業界に狙いを変えないと … 残された時間はそれほど多くないですからね ! いつ不況になるかもわかんないし … 」

学生 D 「就職戦線がどんな状態になったとしても、慌てないようにしておかないといけないんで … 」

“戦略” としてのインターンシップ

学生 D&E さんの言い分を解析すると、次のようになります。まず、彼らは大学の後半 2 年を、「就職のための期間」と位置づけていること。これは、私の時代にも通用する考え方かもしれません。しかし、私の時代と明らかに違うのは、「状況がどうなろうと対応できる経験と知識を身につける」ということではないかと思います。

 

私の時代だって、大学に入るのは、勉強をするためというよりは、できるだけいい企業に入社することが目的だったことは否めません。「少しでも偏差値の高い大学に入ること = いい企業に入社すること」 という具合に、大学と就職は直結していました。

 

しかし私の時代は、大学に入ってしまえばそれまでで、入学以降、就職のためにはほとんど努力をしなかったように思います。もちろん、国家 I 種のために東大だとか、司法試験に合格するために、東大・早稲田・中央だとか、特別な目的があった場合には、それなりの対処はありましたが、多くの平凡な学生にとっては、大学に入ってしまえば、あとは野となれ山となれ、「ま、いけるトコ ( 会社 ) にしか行けんわな … 」と、半ば諦めモードになっていたように思います。

 

その結果、どうなったか ? 私はバブル期の超・売手市場 ( 1991 年卒 ) だったので、当時は難関の長期信用銀行の一角に入社することができました ( それが良かったかどうかは、何とも言えんが … )。一方、私の奥さんは、超・氷河期 ( 1994 年 ) に就職しましたので、内定をもらうのに、本当に苦労したと聞いています。私の奥さんは、私なんかとは比較にならないぐらい偏差値の高い大学を出ていたにもかかわらず、内定が 1 つしかもらえなかったとか … ( ま、そのおかげで、私と知り合ったのですが … )。つまり、採用マーケットの良し悪しに、翻弄されていたということです。

 

インターンシップに来ている学生さんは、私や私の奥さんの有様を「教訓」として、「自分でハンドルできる就職活動」を目指しているのではないかと思います。そういう思いが、インターンシップの参加につながっているのではないでしょうか。

 

これはある意味で、本来の姿なのかもしれません。同僚の外国人スタッフに尋ねてみると、彼らの大学生活と就職活動は、非常に密接な関係にあったことが伺えます。「自分のやりたいことは何か ? 」だけでなく、「自分はその仕事に合っているか ? 」「合っていないとすれば、その原因は何か ? 」「その原因を克服することができるか ? 」などについて、4 年間の大学生活の中で、自問自答を繰り返す。その結果、「自分の足りない部分を克服するために、MBA を取得する」という結論に至った者もいました。「大学で学ぶ」「学生時代に様々な経験をする」ということについて、それなりの「理由」があるわけです。

 

現在の学生さんは、上記の外国人スタッフに、かなり近い意識を持っています。それにしても、我々の頃と比べると、何とまぁ、しっかりしていることか … 何だか、インターンシップの学生さんが眩しく見えたのは私だけではないかもしれません。

 

学生 F 「タカシさん、もし私が入社することができたら、飲みに誘ってくださいね ! 」

もしかしたら数年後、彼らと仕事をしているかもしれません。そのときを楽しみにしながらも、10 年もすれば、追い抜かれている可能性も否定できないわけでして … おちおち弁当など食っていられない ! すぐ仕事に戻ろう ! という思いに駆られた昼下がりとなりました。今の学生さんは一味違います。あなたもウカウカしていられないかも … ですよ !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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