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タカシの外資系物語

ドイツ・W 杯に思うこと2006.06.27

外資の W 杯

2006 ドイツ・ワールドカップ、みなさん、楽しんでますかーーーっ ?


「日本負けたのに、楽しむも何もねぇだろ ! 」 ま、そりゃそうなんですけどね。でも、外資のワールドカップはこれからなんですよ !


前回 ( 2002 年の日韓大会 ) のときにもお話した通り、外資系企業におけるワールドカップは、異様に盛り上がります ( 『ワールドカップ観戦 !? 』参照)。外国人の大半を占めるアメリカ人は、実はサッカーにはほとんど興味がありません。ワールドカップで騒いでいるのはヨーロッパ人 ( ヨーロッパ系アメリカ人 ) が中心となります。


しかし、このヨーロッパ人、アメリカ人に比べて数は少ないものの、その熱狂振りは相当なものです。ミーティングでも議題そっちのけでサッカーの話をしていますし、仕事中も平気でインターネットのスポーツ NEWS を見ています。この 2 週間ほどの間、平均睡眠時間が 2 時間ぐらいしかないと豪語する同僚もチラホラ。おいおい、仕事しろよ、んったくぅ …


この 4 月から私の上司になった Thomas も同様です。彼は、ドイツ生まれのスイス育ち。今回はドイツ・スイスとも予選リーグを突破していますので、その応援にも熱がこもっています。


「このままいくと、準決勝でドイツとスイスがあたる。タカシ、どうにかならないかな … 」 ( んなもん、知らん知らん … )


純粋日本人の私には、羨ましい悩みです。ま、両国とも敗退するまでは Thomas の機嫌がいいので、私にとっては嬉しい限りなのですが …


Thomas とサッカーの話をしていると、新しい発見があったりします。「ユクレイン」「チェック」 … これって、何のことだと思います ? 正解は、「ユクレイン = Ukraine: ウクライナ」「チェック = Czech: チェコ」のこと。これらの国名って、普段の日常英会話ではほとんど出てこないので、意外な発音にびっくりしてしまいます。


さてさて、そんな外資のワールドカップですが、これら熱狂的なヨーロッパ人にとって、今回の日本代表の戦いぶりはどのように映ったんでしょうか ?

外国人同僚に聞く 「日本が負けた理由」

「日本はよく頑張ったよ。ま、あんなもんだろ ! 」


実はこれがヨーロッパ人同僚の大半の意見です。


「そもそもブラジルに勝てるわけはないんだから、『最終戦 2 点差で勝て ! 』 なんて無茶言っちゃいけないよ … 」 ( 確かに … (T-T))


「クロアチア戦はわりと良かったね。でも、川口のファイン・セーブ ( 日本の GK 川口が、クロアチアの PK を阻止したこと ) がなかったら負けてるけど … 」 ( ごもっとも … (T-T))


「オーストラリア戦はコーチ ( 監督 ) の差だね。オーストラリアのヒディンク ( 監督 ) は、経験のないチームが勝つ方法を知っているからね。ジーコは選手としては素晴らしいけど、コーチとしてはどうかな。特に日本のようなチームには向いていないと思うよ … 」


… このコメント、テレビの解説者の間でもしきりに言われていることです。でも、私には納得できない部分がありました。なぜ、ジーコの采配ではダメなのでしょう ?


ヨーロッパ人同僚 A 「サッカーというのは、そもそも厳格な規律が必要なスポーツなんだよ。コーチの明確な戦略があって、選手はその戦略に沿って、粛々と動く。それができるチームが強いのさ」


私 「でも、ブラジルやアルゼンチンに、そんな規律があるとは思えないけど … 」


同僚A  「ブラジルやアルゼンチンのは、ヨーロッパでいうサッカーとは違う。彼らは個人の高い能力をベースにしていて、だれがどのポジションをやっても、どんな戦略をとっても勝てるようになっている。でも、ヨーロッパのサッカーは、戦略と規律がなければ勝てないんだよ。日本は個人の能力が低いんだから、ヨーロッパ式でいくべきなんだけど、ジーコはブラジル流しか知らないから … 」


… 戦略・規律重視のヨーロッパサッカーをしたヒディンク ( オランダ人 ) はオーストラリアを決勝トーナメントに導き、個人技重視で自由なサッカーをしたジーコ ( ブラジル人 ) は敗退した。日本もヨーロッパ流で行けば、勝つ可能性はあったということでしょうかね。

戦略と規律の外資系

また、同僚 A はこうも言っています。


同僚 A 「ビジネスの世界も同じだよ。戦略と規律、これをきっちり守った会社が勝つのさ ! 」


私はサッカーのことはよくわからんのですが、この見解にはかなり賛成です。私個人の見解では日本企業は、いわばジーコ流です。強固な戦略や規律はない代わりに、個人の能力に頼った経営をしています。しかし現実には、個人の能力には限界があります。日本人の場合、アイデアやひらめきが飛びぬけて優れているわけではなく、強いて言えば、高い勤勉さがあるぐらい。「会社の戦略は、個人の勤勉さ頼み」、これでは、頭打ちになるのも時間の問題です。


一方で、外資系企業というのは、まず戦略・規律ありきで仕事をします。自由な発想や個人技なども、あくまでも戦略・規律の上でしか発揮されません。しかし、このことこそ、少ない人数で最大の成果を上げる外資流の経営であるように思います。


実際に、私の歴代の外国人上司を見ても、そのことは明らかです。Jim ( アメリカ系ユダヤ人 ) 、Phil ( アメリカ人 ) 、Thomas ( ドイツ生まれのスイス育ち ) ・・・ みんな戦略と規律を重んじ、プレイヤーとして、私がやっていいことと悪いことを明確に決めていました。日本企業にいるときに比べると、大して活躍したり、大車輪で働いたわけでもないのに、ビジネスとしては成果が上がっている、そんな印象を受けます。


では、ジーコ流企業は成功しないのでしょうか。一部、ベンチャー企業においては、それも成り立つかもしれません。しかし、企業がそれなりの規模になってくると、戦略と規律を重んじるヨーロッパ流企業の方に、分があるように思えます。


そんな中、ジーコの次の代表監督が、現・ジェフ市原監督のオシム氏に内定したとの噂。オシム氏は、旧ユーゴスラビアの代表監督の経験もある、「ヨーロッパ流サッカー」の申し子です。果たして 4 年後、同僚 A の言うとおり、戦略と規律を重視したオシムJapan は、どのような成果を残せるのでしょうか。


「でもさ … 」 同僚 A の一言。


「ブラジルやアルゼンチンの選手見てると、本当に楽しそうにサッカーやってるよな。ヨーロッパのチームって、みんな悲壮感漂ってるのに … 」


戦略も規律も笑顔もない日本企業、戦略と規律はあるが笑顔はない外資系 … 21 世紀に生き抜く企業というのは、戦略と規律をベースに笑顔で仕事ができる企業なのかもしれません。


さて、 W 杯を制するのは、ヨーロッパか南米か ? 今から決勝が楽しみです !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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