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タカシの外資系物語

ワールドカップ観戦 !?2002.06.18

6 月 18 日。 2002 年サッカー W 杯、グループリーグを見事 1 位で突破した日本は、トルコ相手に惜しくも「0 対 1」で敗れる ……


いやぁー、ホントに盛り上がりましたよねワールドカップ。実はサッカーについてはあまり興味がなかった私も、この期間中だけはまさに手に汗握る大応援を繰り返していました。


今回のワールドカップは地元開催ということもあり、真夜中に眠い目をこすりながら TV に釘付け、なんてことはありませんでした。ただし、試合によっては「午後 3 時半キックオフ」なんていう、ビジネスマンにとっては何とも中途半端なものもあったために、仕事が全く手につかなかった人も多かったのではないかと思います。みなさんの職場にも、試合前にスーーっと姿を消した同僚がたくさんいたのではないでしょうかね。


事情は外資系企業であるわが社でも同じこと。様々な外国人がいる分、騒ぎは日本戦だけに限ったことではありません。まず、アメリカ人は自国が勝ち進んでいても、そもそもサッカー自体に関心がないのか、平静を保っています。一方でヨーロッパ系外国人の熱狂ぶりは相当なもの。「Goood!( よし、いいぞ ! )」「Ooops!( なんてこった ! )」 あちこちのブースから、声援とため息が聞こえてきます。


日本対チュニジア戦があった 6 月 14 日、有志 10 数名が集まって、とうとう「勤務時間中だけどワールドカップを見に行く会」が結成されました。目指すは職場近くの喫茶店。最初にやってきたのは、サッカー日本代表 < 命 > のユミコです。彼女は、持参した代表のユニフォームを着て、顔には日の丸のシールを貼って現れました。


タカシ 「ユミコさぁ、それはちょっとまずいんじゃないの ……」


ユミコ 「いいんですよ、タカシさん。せっかくなんだから楽しまなくちゃ」


タカシ 「
ま、そーだよね …… よーし、みんな、準備はいいかな。いざ、出陣ーっ !」


全員 「おーーーー !」


結果はご存知の通り、 2 対 0 で日本の勝ち ! 見事グループリーグ突破を決めたのでした。集まった 10 数名はこの上ない満足感にひたりながら、また職場に戻って仕事を再開しました。


私の会社では、ワールドカップの期間中は、無理に TV を禁止したりするようなことはしません。そもそもやることをやっていれば文句は言われないわけですから、働いている側としても、「サッカー見て何が悪いんだ !」という意識があるのです。「顧客に迷惑をかけない限りは、自分の判断で時間を使ってOK !」これが外資系企業のスタンスです。


一方、日系企業ではワールドカップに対して、どのように対応したでしょうか。多くの日系企業では、「仕事中の TV 観戦は禁止。どうしても見たければ有給休暇を取りなさい」というのが多かったように思います。現に、われわれが観戦していた喫茶店でも、日系企業の人は少なく、多くの「観客」は隣近所の外資系に勤める連中でした。そして、そのような外資系企業の連中は、ワールドカップを本当に堪能していました。試合結果がどうなったか気になって、何も手につかないような状態で仕事をしているより、よっぽど健康的な過ごし方です。


無論、参加を予定していた一部の同僚は、顧客とのアポイントメントが入り、やむなく不参加になった者もいます。でも実際には、顧客と一緒に見ていた …… なんて説もあるのですが。


その夜、上司の Jim が私のところにやってきました。


Jim 「How's match ?( 試合はどうだった ? )」


私 「あぁ、 Jim 。応援の甲斐あって、日本の大勝利だったよ」


Jim 「そりゃ良かった。こういうのは順番なんだから、オレにも楽しませてくれよな」


私 「そりゃ構わないけど …… アメリカ戦ってことかい ?」


Jim 「いや、オレはサッカーには興味ないからね。今度のスーパーボウル ( アメフトの全米 1 位決定戦 ) とワールドシリーズ ( 大リーグ = 野球の全米 1 位決定戦 ) と NBA ファイナル ( バスケットボールの全米 1 位決定戦 ) を家族と一緒に見たいだけさ」


私 「え …… あぁ、わかったよ …… ( な、何日休むつもりなんだ、このおっさん …… そもそも、ワールドカップは 4 年に 1 回なのに、毎年あるのと比較すんなよな ! )」


みなさんも、仕事に支障が出ない程度に、世紀のイベントを楽しみましょうね。


オーレ !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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