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タカシの外資系物語

この上司と組んで、いいのか悪いのか2000.06.30

前回お話したように私が所属する外資系企業では、部下が「上司を選ぶ」ことができます。そのことに関して、私が体験したある出来事を紹介します。


私が以前担当した、ある金融機関に対する経営コンサルティング・プロジェクトでのこと。この金融機関は、私の会社にとっても非常に重要顧客であり、ほかのプロジェクトに比べて評価ポイントの高いものでした。案の定、私の上にいる 5 人のグループ長は、「私に担当させてくれ」といってきたのです。私自身は、アメリカ人のグループ長ボブに担当をお願いする気でいました。なぜなら、彼と組むことが、このプロジェクトを成功させるために、もっとも合理的だと思ったからです。私自身プロジェクトを失敗すると、自分のボーナスが減りますから、必死です。私は「このプロジェクトはボブに担当してもらいたい」ということを事業部長に相談しようとしていました。


そのとき、ある日本人のグループ長から電話があったのです。今すぐ会いたい、というので、彼の部屋まで行きました。彼のいい分は、「もし私を指名してくれたら、私の力で君を昇格させてやろう」というものでした。私は即座に「お断りします ! 」といって、部屋を飛び出しました。確かに、昇格そのものは、私にとっては魅力的です。しかし実際問題として、このプロジェクトを成功させたほうが、私自身にとってのメリットが大きいと判断したので断りました。


数カ月後、その日本人のグループ長は解雇されました。私が告げ口したわけではありません。ただ単純に彼の業績が悪かったことが原因のようでした。私自身の判断も正しかったようです。


外資系企業では、イヤな上司の誘いにつき合う必要はありません。私は日本企業にも所属した経験がありますから、これは非常に大きなメリットだと思います。しかし、外資系企業でやっていくためには、本質的な意味での「上司を見抜く目」が要求されます。すなわち「この上司と組んで、いいのか悪いのか」ということ。その判断を誤ると、自分の身の破滅につながる可能性があるのです。「上司を選ぶ」という自由を与えられる代わりに、選んだ自分にも責任が及んでくるのです。組織に縛られない自由とは、その反面で、個人の責任範囲が拡大することを意味します。「外資系は自由に何でもできる」ことは事実ですが、以上のようなことを肝に銘じておく必要があるでしょう。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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