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鈴木美加子のグローバル人材塾

転職先にスムーズに移行するコツ2023.07.11

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、転職先にスムーズに移行するコツです。

普段は、どのように「転職するか」についてのTipsが多いコラムですが、本日は無事に転職が決まった後、新しい会社に早く馴染むには、どうしたら良いかをテーマにします。

大事なポイントが6つあります。

 

1. 話を良く聞く

 

皆さんは、前の会社ではある分野の専門家だったり、マネジメント・メンバーだったかもしれません。転職したことで今までとは違う仕事のやり方に遭遇するかもしれません。また、業界を変えた場合は、最初は勝手がわからず職場の皆さんに助けてもらわないと、効率良く仕事が出来ないはずです。

外資でアサーティブを良しとするとはいえ、転職直後は尊大に振る舞わず知ったかぶりをせず、頭を低めにして周囲の方々の話をよく聞くことが、後に成功する鍵になります。いかにも「私はデキる人材です」という態度の新しい社員を、助けてくれる奇特な人はそうはいません。最初こそ謙虚さが大切です。

 

2. 転職は異文化マネジメントが大事と理解する

 

私が人事として8回転職してつくづく感じたことは、「一括りに外資と呼ぶけれど、こんなに企業文化は違うのか」です。

友人が23年、アメリカのシリコンバレーでグローバル企業に勤めていました。ハワイに移住して転職したのですが、「世界一多様なのでは、と思える環境で折り合いをつけながら仕事をしてきたことが、今回の移行に大きく活かされている」と教えてくれました。

たくさんの文化と共存しながら仕事をする必要があったので、「文化」は変わりにくいものと理解しているし、既存の文化には敬意を払った方が良いと心得ているのです。

 

3. 「違い」は単なる「違い」と理解する

 

人は、慣れたコンフォートゾーンから出て新しい価値観・仕事のやり方・考え方に遭遇すると、どちらかと言うと感情的にはネガティブに触れる傾向にあります。自分が慣れていたモノが正しく、違和感ある新しいモノは間違っていると思いがちです。この個人的な好き嫌いがビジネスの場に出てくると、冷静に状況をとらえられなくなります。

みんな同じである必要はないと肝に銘じ、「違い」を楽しめるようになったらしめたものです。私のキャリアを振り返えると、シリコンバレーに本社があるIT企業に勤めていた時が、いろんな意味で最も多様な職場でした。初めての外資ではありませんでしたが、本当に多様で最初は面食らいました。でも、途中から文化の違いや衝突までも楽しむことにしたら気が楽になりました。

 

4. 期待値を下げる

 

自分自身がイライラしないためには、周囲に対する期待値を下げるのが効果的です。周囲とは、上司・同僚・部下や会社の全てのインフラなどを指します

相手に対する期待値が高いと、ネガティブな気持ちが態度に現れ、相手にも伝わります。中途採用の人間が、新しい職場で嫌われ者になる事は避けたいです。

 

5. Pick your battles

 

「無駄に戦わない、大事な戦いを選ぶ」と言う意味の英語です。転職して前職と違う仕事のやり方・価値観・インフラに、いちいち「本当はこうあるべきなんじゃないか」とアプローチをしていたら、前項の「4. 期待値を下げる」と同じく、扱いにくい社員になってしまいます。

ここだけは自分の考えや信念を曲げられないモノを1つか2つだけ持ち、あとは目くじらを立てないようにする方が無難です。自分の曲げられない信念に触れる件については、アサーティブにロジカルに討論することで芯のある人材とも見てもらえます。

 

6. 比べない

 

最後になりますが、一番大事なのは、前職と現職を比較しないことです。2つの企業は異なって当然ですし、比較したところですぐ何かが変わるわけではありません。ストレスばかりを増やしても仕方ないので、自分がコントロールできないことについては手放すとカリカリしないで済みます。

以前、某大手日系企業から25年選手をお迎えした際、何かというと「前の会社は」が飛び出して周囲が大変だったことがあります。かなり上の役職者だったので周囲は公の場では黙っていましたが、「そんなに前の会社が好きなら、どうして転職したんだ」と陰口をたたかれていたことを思い出します。悪意はなかったとしても、この方がしてしまったNGは「比較する」です。比較をやめられず、半年後くらいに外資は合わないと自分から退職されました。

次に転職する時に、どうしたら新しい職場に溶け込みやすいか、周囲に助けてもらえるかをぜひ思い出してください。職種によっては業界が変わることもあると思いますが、最も企業文化が変わりやすいのは、業界を変える時であることも覚えていて下さい。「違い」を楽しめる域に達するまで、そんなに時間はかかりません。頑張りましょう。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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