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鈴木美加子のグローバル人材塾

40代の外資系転職2023.07.06

 

元・外資人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。今回のテーマは、40代の外資転職におけるポイントです。

 

日系1社一筋、勤続20年が好まれない理由

 

まず、「初めて」の外資系転職が年齢的に許容されるのは、42~43歳までであることを理解してください。日系でも転職経験がある場合は大丈夫ですが、日系1社にしか勤務したことが無い場合は、前出の年齢が上限になります。理由は、社会人生活20年を1社だけで過ごしていると、その会社の価値観・考え方・仕事のやり方を唯一無二と思ってしまい、企業文化に大きなギャップがある外資系に移った時に適応できないからです。本人も戸惑いの連続になりますし、周囲も「前の会社はこうだった」とつい出てしまう新しい社員と接するのはストレスになります。

 

マネジメントの経験が問われる40代

 

外資系の即戦力採用の度合いは30代より40代の候補者に対して、さらに高くなります。社会人歴20年以上の人を、「ポテンシャルがあるかどうか」で採用はしないと言い切れます。

30代と変わってくるところが何かと言うと、マネジメント経験を問われる機会が増えることです。特に英文履歴書上、タイトルに「マネージャー」がついていない場合や、部下の数が書いてない場合、これまで人をリードする経験をしたことがあるのかどうかを、採用する企業は知りたがります。

40代に求められるポジションはリーダー職が多いと言う現実もありますし、現在は部下持ちでなくても、将来リーダーになれるポテンシャルがあるかどうかを知っておきたいという意図もあります。

直属の部下を持ったことが無い場合は、部署をまたぐプロジェクトでリーダーになった経験、新卒を育てた話、同じ部署の後輩の面倒を見たことがあるなど、人材の育成に関わったことがある場合は、履歴書上に明記することをお勧めします。

 

現職を評価する外資への履歴書の書き方

 

40代は脂が乗り切った働き盛りですが、同時に会社員としての自分の可能性、端的に言うとどのくらいまで昇進しそうかが見えてくる世代でもあります。この先、会社員として働き続けるのか、副業を始めて自分の違う可能性を探るのか、将来的に起業を考え準備を始めるのか、選択肢が多く悩む世代でもあります。

40代の履歴書は、本当に多種多様になります。一番損をしそうな経歴は、最初の職場に10年以上長く勤めたのに、その後、どうも不運が続き在籍年数が短くなっているケースです。履歴書の一番大事な1ページ目に会社名が複数並び、勤務期間も短いのでジョブホッパーのように見えて、最悪の場合は2ページ目以降を読んでもらえません。このようなケースでは、在籍年数が短いところにスペースを割かないで、1ページ目の最後の行に長く勤めた会社の名前と在籍期間が表示できるよう工夫したいです。転職回数に関係なく、履歴書で一番大事なのは1ページ目であることを覚えておいてください。過去の栄光より「現在」の業績が優先するからです。

 

キャリアチェンジ - 転職か、副業か、それとも起業か

 

さて、40代でキャリアの方向性を大きく変えたくなった場合どうしたら良いでしょうか? 大きなキャリア変更は現実的にはかなり難しいです。ここに二人の候補者がいます。一人は社会人歴20年以上でマーケティングの専門家。もう一人はマーケティング経験が全くありません。企業がどちらの40代を採用するかは明らかです。経験者が最優先です。

20年以上積み重ねた経験を捨てるということは、ゼロからのスタートに近くなるので方向性を変えられたとしても年収は下がります。子供がいれば、教育費にお金がかかる世代でもあり、世帯年収が下がっても良いのかなど現実を見据える必要もあります。

今までの専門性を活かした仕事についたまま、他にやりたい事は趣味もしくは副業で実現するのが現実的ではないでしょうか? もちろん起業するつもりがある人は例外です。気力・体力ともに充実している40代で起業する事は、キャリアの後半戦、雇い主探しを続けなくても良い、自分に裁量権があるなどメリットも多いです。

 

社外の人脈形成をスタート

 

次回の「50代の外資系転職」で詳しく書きますが、40代は社外人脈の形成を始めたい世代です。会社がM&Aで買われる側になり転職しないといけないとします。社内にどれほど人脈があっても、もはや意味がないことになります。変化の時代、何があっても自らを助けられるように社外に人脈を持つことは大事です。必ずしも同業種である必要はなく、ゆるく繋がっていて、ここぞという時にお互いに助け合えれば良いのです。詳しくは次回のコラムを参考にしてください。

40代の転職では、マネジメント経験が問われることが増えて増えます。部下持ちでない専門性の高いスペシャリストの場合は、専門性の高さが問われることになります。自分の専門性をさらに高める一方で、会社員としての昇進を目指す人は、マネジメント経験を積むことが40代では大事です。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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