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鈴木美加子のグローバル人材塾

企業との条件交渉で押さえるべきポイント2023.06.08

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。今回のテーマは、企業との条件交渉です。

企業との条件交渉について、押さえたい要素4つについて解説します。

 

1. 交渉に入るタイミング

 

どのような候補者かに関わらず、一次面接で自分から年収の話を持ち出すのはいただけません。企業にとっては面接は、ポジションに見合うスキル・経験値を持った候補者を探すプロセスです。どのくらいの人材なのか、レベルがわからないうちからお金の話をする候補者は、それだけで一流では無いとみなされます。一流の人材は、お金は後からついてくると理解しているので、自分から早い段階で年収交渉に入ることはありません。

面接の流れで、希望年収を聞かれるのでそのタイミングを待ちましょう。たまに、一度口にした数字を、後から上方修正したいと相談される方がいますが、正当化するのが難しいですし、優柔不断なようにも見えるので、事前にリサーチをして妥当と思える年収の数値を自分の中で持っておきましょう。卒業生の口コミサイトOpenWorkなど、情報はネットから入手できます。

 

2. 誰が交渉するのか

 

求人サイト・転職エージェント経由の場合は、間に入ってくれる人がいるので候補者本人は気が楽です。自分の中で譲れない年収の線を伝え、あとは任せればいいのです。候補者の希望額が現実的かどうかは、たくさんの案件を扱っている彼らがよくわかっているので、「そこまでは出せないと思う」というフィードバックを受けたら、それ以上強気に出ない方がいいです。

LinkedIn経由などで直接、企業とやり取りしている場合は、候補者の交渉力がモノを言います。「自分がどのくらい先方に気に入られている候補者か」「ポジションにつけられている値札はどのくらいなのか」を冷静に見極めて、交渉を進めましょう。現在の年収の何%アップまでが可能かと質問されることがありますが、世界経済の状況・特定の業界の景気に左右されるので一概には言えません。

社員紹介(レファーラル)で転職活動をしている場合は、紹介者から現実的な年収レベルを具体的に聞くことも可能です。生のデータに勝るものはないので、ぜひ聞いてみてください。

 

3. 誰と交渉するのか

 

企業サイドが日本人の場合、お金のことばかりにとらわれる候補者をあまりよく思わないことは皆さんご存じの通りです。国民性として「お金」のことをあまり口にしたがらない民族なので、どの程度まで交渉するのかはよく考えてください。

企業サイドが日本に住む外国人、もしくは海外の場合、ある程度の交渉は当然と考えているので、相手が日本人の場合よりは粘り強く交渉して大丈夫です。相手もダイレクトに「それ以上は無理」と言ってくれることが多いです。

 

4. 在職中・無職の場合で交渉方法は違う

 

次に、現職があるのか無いのかによっても、。アプローチを変える必要があるので説明します。

1. 現職があるケース
現職がある場合は強いです。特に業績評価が高い候補者については、「現在の仕事をやめなくてもいいのに移ってもらうのだから、多少年収が上がるのは当然だろう」と企業サイドが納得できるからです。先方にとっての自分の「価値」を冷静に判断することで、どのくらい強気になっても大丈夫かが決まります。自分の中での最低線と、「ここまでもらえたら最高だけど、ちょっと無理かな」というMAXの年収値を考え、どちらに寄せて交渉していくのかを決めましょう。交渉しすぎて内定が取り消しになることはありませんが、「お金に固執しすぎる」というレッテルが貼られる前で交渉をやめるのが正解です。

2. 事情あって失職中のケース
残念ながら、あまり強気に出ると失敗します。まともな企業は足元を見るようなことはしないものですが、現職でないことを理由に、低めの年収を提示する企業も存在します。そのこと自体が企業としての格を表しているので、そんな企業はお断りとするのも良いのですが、現職が無いとなかなか内定を見送る勇気が出ないのも現実です。

前職での年収を維持できたら御の字と割り切り、入社してから業績を上げて年収アップを考えましょう。現職が無い場合は、正社員として採用されることを優先させた方が長期的に見て賢明です。

年収は高ければ高い方が良いように思えますが、会社サイドの期待値の表れでもあり、経験値・スキルに見合わない高収入を得ると入社してからが大変です。現在のスキル・経験値を冷静に見定め、同じようなポジションの年収データをリサーチして、現実的な年収アップを目指してください。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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