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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資系に転職するときに確認したい3つの軸2022.02.08


元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。今回のテーマは、外資系への転職の際に確認したい3つの軸、「国」・「業界」・「職種」です。
それぞれの軸を詳しく見ていきましょう。


外資系・グローバル企業への転職を考える時、まず考えたいのは「国」を変えて転職したいかどうかです。

海外にこだわりがなく、日本国内で外資系企業に転職したい場合は、この軸については迷いがなく悩む必要はありません。

海外で働きたい場合は、夢を叶えるために入念な準備が必要です。3つの軸のうち、変えることで生まれるインパクトが最も大きいからです。

海外で働くという事は、イコール就労ビザのスポンサーが必要になります。日本でもそうですが、外国人の就労ビザをスポンサーするためには、専門家にフィーを支払って依頼することになり、当然そこまでする必要がある人材かが問われます。

第一歩の海外転職では、日本語が話せることを武器に日本人クライアントと仕事するポジションになる可能性が高いです。グローバル人材度が上がると、専門性を活かして国籍関係なく多様性の高い職場で、英語を使って仕事が出来るようになります。

業界


皆さんの仕事は、どのくらい業界をまたいで転職可能ですか? 例えば私は人事なので、業界を全く問わずに転職することができました。他にも、経理・法務・社内IT ・アシスタント職などは、業界を比較的問わない職業です。
「業界」という軸をずらすことによって、選択肢を広げることが可能になる実例を2つ挙げます。

a)    16年ほど日系と外資系の保険業界に勤めていた人材が、ヨーロッパの宇宙ビジネス・ベンチャー企業に転職しました。
一見、全く違う業界に飛び込んだかのように見えますが、実際には、小型宇宙衛星を打ち上げて、自然災害の鮮明な画像を撮影し、保険会社に買ってもらうのがメインの仕事です。彼の保険業に関する深い知識・経験と、長年の間に培ったたくさんのお客様との信頼関係を武器に、違う業界へ移っただけで、全く関係のない新しい仕事を始めたわけではありません。

b)    化粧品業界で10年勤めた人材が、業界独特のカルチャーに疲れてしまい、それでも今までの経験を生かして化粧品業界を目指そうとしていました。

私はご相談内容を聞いて、化粧品業界でのマーケティングのスキルは、一般消費財のマーケティングに活かしやすいので、企業風土とのマッチを考え、今回の転職で業界を変えることを提案しました。「業界」という軸をずらせば、転職の対象になる企業の数が激増する典型例です。

職種


30歳くらいまでは、職種を大きく変えることも比較的容易です。外資は、30歳位までの候補者が全く違うことにチャレンジしたいと言う願いを、その人にポテンシャルがあると踏めば受け入れることが多いからです。アセスメント・ツールの助けを借りて自分の強みを棚卸しし、適職を得る努力をすることをお勧めします。

30歳を超えたら、外資系は候補者に即戦力を求めます。今まで行ってきた仕事と全く違うことにチャレンジするハードルは、だいぶ高くなります。

候補者が複数いれば、当然経験者が優先されますし、幸いなことにチャレンジする機会が与えられたとしても、もしかしたら年収が下がる可能性もあります。

今現在手にしている年収を守るも良し、後で後悔しないように本当に自分がやりたいことにチャレンジするも良し、それぞれの「価値観」と「慎重度」が鍵となります。

「時間の自由度」「年収」「裁量権」「グローバル」などの価値観を、自分に取っての重要度で並べたら、最重要のNo.1からNo.3は何になりますか? 自分にとって最重要の3つの項目を満たせない仕事は、やってみてもいずれ転職することになるので確認が重要です。

「慎重」かどうかは、アセスメント・ツール(例えばルミナス・パーク)を受けると明確になります。これまでの経験では、一見チャレンジ精神旺盛で変化を恐れず進みそうなタイプでも、「慎重」の度合いが高いと、自分のコンフォートゾーンから出るのが怖く、最終的に「変化」という選択肢を選べない傾向にあります。

慎重度に良い悪いはありません。ただ自分の「慎重度」を冷静に理解し、自分に合ったキャリアの選択をしてください。

まとめ


3つの軸全て変える転職は、かなりのエネルギーを必要としますし、現実にはほぼ存在しないでしょう。特に「国」を変えるためには、大きなカルチャーショックなど乗り越えなくてはいけないハードルも高いので、それなりの覚悟と準備が必要です。

転職活動を始める前に、自分は今回の転職で3つの軸をどうしたいのかを考えると、どのような転職活動をすればいいのかもおのずと見えてきて、時間効率が良いですし、迷うという心的エネルギーの無駄使いを避けることができます。

頑張ってください、応援しています。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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