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鈴木美加子のグローバル人材塾

なぜ外資系を選ぶのか?2022.02.01

 

元・外資系人事部長、グローバル人材育成家の鈴木美加子です。今回のテーマは『なぜ外資系企業を選ぶのか』です。

日本企業にお勤めで、ボーナスの支給が終わったら転職しようと面接中の方が、外資と日本企業を両方受けていて、最終段階で迷うのを目の当たりにしたことがあります。最初から明確に終身雇用ではない外資に移るのは、勇気がいるのかもしれません。

私は最初の職場に日本GEを選んでから25年間の会社員生活のすべてを、外資系企業で過ごしました。GEから最初の転職をする時に、大手日本企業との合弁会社に異動するという選択肢もありました。しかし私はその選択肢を取らず、外資系企業で働く道を迷いなく選びました。本日はなぜ外資系で働くのかについて考察します。

 

1. キャリア形成の責任が自分にある

 

ほとんどの外資系は新卒採用を職種別に行うので、自分の配属先は自分で決めることになります。この点は日本企業の一括採用で、配属を会社側が決める制度とは根本的に異なります。

外資に入社するにあたっては、自分で強みや弱みの棚卸しを行って適性を分析し、どの仕事に就きたいかを自分自身で決める必要があります。責任重大でもありますが、職業人生は長いので自分で決定できる素晴らしさがあります。

入社してからも、会社の都合で一方的に異動が決まる事はあまりありません。異動や転勤のときには打診があり、本人の気が進まなかったり家族の都合で動くことができない場合には断ることが可能です。断ったからと言って大きく出世の道から外れると言うことはなく、またチャレンジできる機会が回ってくる可能性もあります。

このようにキャリア形成の責任が自分にあるので、入社してから会社任せにして努力を怠っていると、10年20年経った時に大きな差が出ることになります。積極的に自分に自己投資をして社外で勉強したり、会社の研修に自発的に手を挙げてスキルを上げようとしたり、社外ネットワークを着実に構築できる社員にはかなわないことになります。

 

2. 個人主義である

 

文化を測る指標に『個人主義vs集団主義』があります。比較すると欧米の文化は個人主義であり、日本の企業は集団主義の傾向が高いです。どちらが良い悪いは無いのですが、この指標は企業文化に大きな影響を与え、特定の個人がどちらに向いているかは明確にあります。

例えば私の場合、グループで行動する事をあまり得意ではありません。具体的には新卒時代から、就業時間後は自分のために時間を使いたいと思っていました。同僚や会社の同じメンバーと頻繁に、飲ミニュケーションするのが当たり前のような文化を好まない人間です。GEでもたまに仲良しメンバーで飲みに出かけていましたが、楽しいから参加していたのであって、同調圧力に負けて嫌々出かけていたのではありません。

また、外資系の職務範囲がきちっと決まっている点も、自分には向いていました。日本企業には草野球的な側面があり、みんなで落ちそうになるボールを拾うからこそ失敗が起きにくいという素晴らしさがあります。しかし個人的な好みとして、どこからどこまでが自分の責任範囲なのかが明確で、それに対して最高のクオリティーの仕事を届ける方が自分には、合っていました。繰り返しますが企業文化として、個人主義的・集団主義的な傾向が高いことに良い悪いはありません。ひとえに好みの問題です。

 

3. 生産性が高い

 

a. 労働時間が短い
単純に比較することはもちろん難しいのですが、同じ業界で職種が似ていれば外資系企業の方が短い労働時間である可能性は高いでしょう。自分の仕事が終わったら帰って良いと言う企業文化が存在するからです。仕事のプロセスではなく結果を評価する業績評価の仕組みが、「長時間労働」イコール「仕事ができる」にならず、上司が早く帰らないと部下が帰りにくいと言う無駄をなくしています。

b. 意思決定が早い
独立して日本企業のクライアントとお仕事をさせていただくようになり、この点の違いは大きく感じます。日本企業の場合は根回しが必要であり合議制なので、意思決定にかかる時間は必然的に長くなります。稟議書が存在しハンコを押さないといけないので、誰かのところで偶発的に止まっている書類のフォローをしないといけない可能性は高いのです。外資系の場合はとりあえず発案者に責任があり、内容によっては上司の口頭での承認で先に進めることが可能です。予算が大きくなると段階的に誰のサイン(署名)が必要になるかは決まっており、本人以外の署名者は2人か多くても3人なので、承認プロセスは短いです。


今回は企業文化という切り口から、なぜ外資系で働くかを考えてみました。日本企業・外資系企業それぞれの良さを理解した上で、自分の好みに照らし合わせて、より合った職場を選び満足度を上げましょう。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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