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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資で重要な”Can do”の姿勢2021.06.22


元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日のテーマは、英語人(欧米人)と仕事をする時に必要な心の持ちようです。

英語人と仕事をする時には、とりあえず「できます」「やります」 “Can do” の姿勢を示すことが大切です。

日本人は真面目ですし、できるかどうかもわからないことを引き受けて、ちゃんとできなかったらという責任感が先に立ち、「なぜできないかを詳細に説明する」傾向にあります。ホフステードの異文化論で言う不確実性回避度、いわゆる石橋を叩きたい度が非常に高いので、リスクを取りたくない気持ちもあり、適当に「can do」と言うのは嫌なのですね。

これに対して英語人は、ポジティブを良しとします。

米系企業のアジア・パシフィック本部で、仕事をしていた時のことです。私の上司で人事責任者は出張で、本社とのテレコンに出席できなくなってしまいました。経理・IT・人事が集まる会議で人事はメインではないので、とりあえず話の内容を聞いておいて欲しいと頼まれました。アジアからの参加者は、シンガポール人のITトップと香港人のFinanceのトップです。

テレコンがスタートするまで、ITとFinanceのトップは、アメリカ本社から降りて来るプロジェクトが多すぎて、部下達に負荷がかかりすぎているという話をしていました。いざテレコンが始まったら、なんと内容は、新たなプロジェクトをアジア・パシフィックで展開したいという依頼でした。

驚いたのは、同席した二人の反応です。さっきまで、忙し過ぎるとぼやいていたのに、
“That sounds an exciting challenge.” (やりがいがありそうだ)と言っています。

若かった私は驚愕した気持ちを顔に出したらしく、目で「何も言うな」と制されました。テレコンが終り、2人が教えてくれました。

「Micky, 英語人は、ポジティブなのが好きなんだよ。最初から、それはできないとか、できる自信が無いなんて返事は期待されてない。できないと言ってみたところで、本社が決めたら必ずプロジェクトは降りてくる。だから、とりあえずは、Can do の姿勢で受け止めて、必要な予算・時間・人手をどう確保するか即座に考えるのが、外資でマネジメントにいる人間の仕事だ。どうしても無理な時は、最初にNOと言わないで、言うタイミングを見計らう。それができないと君は出世しない。」

なるほどと思いました。それから役職があがって本社と仕事をすることが多くなり、2人に言われたことを理解するようになりました。

その後独立して会社員ではなくなった私は、某企業のカナダ人担当者と話していた時に、とても面倒なリクエストを出されたのですが、

“Oh, that would be a great learning opportunity for me. It sounds challenging!” と答えていて、後から苦笑しましたし、2人を懐かしく思い出しました。

ホフステード異文化論によると、カナダは「達成志向」「目標設定」「勝ち負け」「克服」「キャリア」などをキーワードにする文化圏に入ります。どうやったらできるかを考えたい人達なので、「できそうもない」とか「このような理由で、きっとできない気がします」と言う答えは全く期待されていないのです。

上司・同僚・仕事仲間が外国人(英語人)になったら、Can doの姿勢を見せながら仕事をしましょう。ポジティブでやる気ある人材と評価されるようになります。郷に入っては郷に従えです。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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