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鈴木美加子のグローバル人材塾

キャリアの方向性をルミナで考える(実例29)2021.05.25


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。

*この記事は本人の了承の元に書かれています。

本日の相談者は、39歳の男性・栗田さん(仮名)で、日系メーカーでエンジニアをしています。適職についているとは思っていますが、2年前に異動になり、上司がパワハラ傾向にあって職場に行くことが辛くなりました。2020年以降はテレワークなので顔を見なくて済むものの、上司からのメールのトーンは相変わらず不必要に強く、この先どうすべきか悩んでいます。

まずは、栗田さんのマンダラを見てみましょう。見事に左半分で成り立っている青緑さんです。強みは、人間重視・内向的・堅実(データ重視)・規律重視です。現在の仕事はPCに向かっていることが多く、あまり人と関わらなくてすみますし、何よりデータに強く規律(ルール)を守ることが得意な栗田さんにとって、エンジニア職は適職です。

スコアが低いのは、結果重視・外交的・ビジョン重視です。常に人と関わる仕事や、人前でプレゼンをたくさんするような仕事、結果に向かってゴリゴリ他人に配慮なく頑張るタイプの仕事は、彼には向いていません。


こうしてみると、仕事自体は適職に就いており全く問題ないことになります。課題は、上司との人間関係です。外資系であればどの人材も転職する可能性があるので、一年ぐらい待てばもしかしたら上司が転職するかもしれません。ただ栗田さんの場合、上司も新卒から今の会社に勤めており、転職するとは思えないそうです。


社内異動は申し出ることができますと聞いてみたところ、制度は存在するけれど、仕事ができる人は上司が離さないので結局は異動できないのが現実だそうです。栗田さんは謙虚な方なので恥ずかしそうにされていましたが、お話をしていてもお仕事のできる方だと感じるので、上司が離してくれない可能性は高いでしょう。

ここまできて、栗田さんに「英語はできますか」と聞いてみました。聞いて良かったです。なんと彼は帰国男子なのです。小学校時代にアメリカに住んでいたので、今でも日常会話なら全く支障がないとの事でした。

英語ができると言う1点が、解決策の方向性を180度変えることになります。労働市場は需要と供給のバランスで、英語ができる日本人エンジニアは本当にいません。栗田さんは日系企業に勤めていて、ほとんど英語を使う機会もないし、大人になってから必死に勉強して身につけた英語力ではないので、自分の英語力にそんなに価値があると、全く気がついていないようでした。

価値、大いにあります。エンジニアの英語力は、年収を最も大きくアップさせられる鍵になり得ます。

栗田さんの細かいデータを見ると、「慎重・物事に控えめ・思慮深い」のスコアが非常に高いです。 すぐに「転職しよう」と決めるようなタイプの人ではありません。じっくり考えてみる一助として、バイリンガル人材に強い転職エージェント・転職サイトのリストをお渡ししました。よく考えてから、最終決断を下すことでしょう。


自分が適職についているかどうかはルミナですぐわかります。ただ問題の本質は職業への適性ではないこともあるので、いろいろな角度から解決策を模索するようにしています。応援しています。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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