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鈴木美加子のグローバル人材塾

英語を聞きながらうなづかない2016.10.04

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。

最近、知り合いから相談を受けました。カナダ人の部下から、「Aさんは、YESなのかNOなのかがわかりにくいです」と言われてしまったそうで、かなり悩んでいる様子でした。

 

彼女の英語力はTOEIC850点くらいあり、とりあえず仕事上の会話でそんなに困ることはないはずです。性格的に白黒はっきりしたタイプですし、論理的なので漠然としているとも思えず、なんだろうと最初は不思議に思いました。

 

少し考えていて、可能性が高い理由を思いつきました。主宰するグローバル人材育成塾(世人塾)の生徒さんにも結構多いのですが、日本人特有の癖なのですが、話を聞きながらずっとうなづいているのではないかと思ったのです。

 

日本人同士の会話では、相手の話をちゃんと聞いていますよというサインとして、共感を示す「うなづき」が大切です。結果として、共感力がもともとある方は相手が話している間ずっと、うなづいていることになります。Aさんは共感力が高いので、私の話をずっとうなづいて聞いてらっしゃいました。

 

英語人同士の会話で、相手の話をちゃんと聞いていますよのサインは、アイコンタクトです。うなづくのは、相手の話に同意しましたと意志表明したいときのみです。

 

特に交渉ごとをしている時に、日本人が会話の内容は「NO」なのに、うなづき続けているのは英語人を混乱させます。それこそ、YESなのかNOなのかわからないというわけです。

 

かくいう私も、モルガンスタンレー証券会社に勤務していた時に、エキスパット(本社からの駐在員)の人事部長が交代して、後任がまだ日本に慣れていなかった頃、驚きの経験をしたことがあります。打ち合わせをしていたら、彼が机の向こうで突然立ち上がり私の頭を両側から手で挟み、”Why do you move your head so often?  By the way, this is not sexual harassment.”と言ったのです。

 

ものすごくびっくりしました。彼が言いたいことの意味がよくわからなかったので、”What do you mean?”と聞き返してしまいました。やっと理解してから、「アメリカ人はこんな時にもセクハラを気にするのね、本当に大変!」と思ったのは、余談です(笑)

 

意味を理解したまでは良いのですが、長い間の習慣がそんなに簡単に抜けるわけはありません。どうすれば、頭を動かさないで英語を聞いていられるだろうと散々考えました。

 

とりあえず考えていても始まらないので、チャレンジしていることにしました。

 

  1.  言語は何でも良いのですが、「これから5分間、頭を動かさない」と決めます。
  2.  会話より自分の頭の動きに意識を向けます。
  3.  自分では動かさないつもりだったのですが、習慣で何回かうなづいていることに気がつきます。そこから動かさない練習をします。

 

まずは、自己認識が大切ですね。自分の現状がわかったらしめたものです。次からは頭の動きにフォーカスして、とにかく動かさない訓練を徹底的にやるのです。

 

半年から1年くらいかかりますが、習慣はリセットできるので必ず直ります。

英語人から指摘されたことがある方、ご自分でなんとなく自覚がある方は、まずセルフ・チェックから始めてください。

 

郷に入っては郷に従えなので、英語で話を聞いている時に同意したいわけでもない時にうなづかないように、気をつけてくださいね。ましてや、話に同意していない時にこちらがうなづくと、相手は非常に混乱して会話の中身によっては問題が発生するのでくれぐれも注意してください。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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