グローバル転職NAVI
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。
ロジカル・シンキングという言葉が世に出て久しく経ちますが、今だに日本人が英語で話すと、「ロジカルでないため通じない」という現象は頻繁に起きています。
日本語で話している時はロジカルな方が、英語だとわかりにくくなってしまう例は、主宰しているグローバル人材塾・世人(せじん)塾の生徒さんにも多数お見かけしますので、理由と改善方法を常に考えています。
一番わかりやすいのは、流れが自然でないケースです。
例えば英文履歴書を拝見していて、転職理由として”I wanted to explore my specialist career.”と書いてあるのに、次の職場にジェネラリストして就職、その後、”The reason for leaving was I wanted to try out a new field.” と書いてあるのに、同じ業界で大企業に安定を求めて就職したかに見えるという場合、ロジカル思考は大丈夫かな?という評価になってしまいます。
この場合、ご自分の転職の流れに合わせた離職理由にするか、全く何も書かないで面接で聞かれたときには、気をつけるようにした方がよいかと思われます。
次に多いのは、日本語が持つ「曖昧さ」をそのまま英語に持ち込んでしまうでしょうか。
「曖昧さ」とは、「はっきり言わないで、行間を読むことを相手に無意識に期待する」などを含みます。
具体例を挙げてみますと、”Why didn`t you notice the winery?” という質問があったとして、
答えが以下のようだったとします。
”Firstly, I was under age when I lived in my home town. Secondly,
I was not much interested in winery although I loved to drink some wine. Thirdly, I didn`t have any friends who liked to drink at a winery.”
どこの繋ぎが自然でないか、気づかれましたか?
最初に「未成年で飲めなかった」から始まっていて、2番目に「ワインは好きだったけれど、ワイナリーに興味がなかった」と、突然、ワインを飲まれていますが、英語ではここに、”Even after growing up,”(大人になって、お酒を飲めるようになってからも”という説明が入らないと聞き手は驚いてしまうことになります。
日本語ではいちいち言わなくても通じるところを、いちいち明確に言わないといけないわけです。
代名詞のことにも触れておきたいと思います。
日本語では、「私はXXXと思います」と言う必要がありません。「XXXと思います」で通じて、話し手は”I”だとわかります。
英語は、「誰が」を指す代名詞が必ず必要です。特に初めて登場する人物・物は、限定できないとダメな言語なのです。エッセイの課題が返ってきて、突然 ”We”が出現する方が多いことに驚きますが、その”We”は誰のことを指すのでしょうか? 「私とAさんとBさん」と、誰が読んでも想像できないのであれば、突然現れすぎているので、誰のことを指しているのか書き出す必要があります。2回めからやっと”We”でいいわけです。
ロジカル・コミュニケーション力をあげるには、鉄板のルールを覚えてしまうのも手かと思います。
英語圏で仕事をするにあたって必須のロジカル・コミュニケーション力。もっと深く知りたい方は、ぜひ世人(せじん)塾オープンセミナーにお越しください。ソラ・アメ・カサの法則や、ピラミッド構造についてご説明し、一緒にエクササイズにも取り組んでいただきます。
2時間の凝縮バージョンで、「多様性を受け入れ、ロジカルに発表・主張できるグローバル人材」のためのコミュニケーションについてお話しします。
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日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師
株式会社AT Globe http://atglobe.jp/
強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。