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タカシの外資系物語

外国人ボスの “Why ~?” に対する勘違い(その1)2017.05.30

“Why ~?” と来たら、どう答える?!


「“なぜ” こんな簡単なことができないのだ??!!」 

 

これは、外資系企業において、外国人のボスが、日本人のマネージャー連中に対して叱責する際に、非常によく聞かれるフレーズです。で、この外国人ボスからの質問に対しての回答について、極めて多くの日本人が、適切な回答ができていません。今回のコラムでは、外国人上司の “なぜ?” に対する回答方法についてお話ししたいと思います。

 

“なぜ?” を英語で表現すると “Why ?” です。英語の世界では、“Why ~ ?” の疑問文に対しては、定番の単語を文頭に置いて答えます。それは、“Because ~”(なぜならば~)ですね。

 

“Why ~ ?” と問われたので、“Because ~”(なぜならば~)で返す・・・これ自体は、正しい。受験英語としては・・・。しかし、ビジネスの現場で、上司の口から “Why ~ ?” と出た場合は、理由を尋ねられているわけではないのです。では、何を問われているのか?どういう回答を期待しているのか?

 

具体的なシチュエーションを想定してみましょう。あなたの会社で、ある新商品を発売することになったとします。それを受けて、外国人ボスはあなたに、以下のような指示を出しました。

 

「2週間以内に、取引先5社以上の担当役員に対して、新商品に関するコメントをもらってくること!」

 

で、それから2週間後。あなたはまだ3社しか回れていない、とします。それに対して、外国人ボスが発した言葉・・・。

 

「“なぜ” こんな簡単なことができないのだ??!!」

 

これに対して、あなたはどのように回答しますか?

できない “理由” を考えてみよう!


理由としては、いろいろな可能性があると思うんですよ。つまり、“Because ~” の後に続くフレーズですね。

 

(1)   取引先の担当役員が忙しくて、アポが取れなかった

(2)   そもそも日本企業の場合、役員にアポ入れしてから、1ヶ月ぐらいはかかる

(3)   インタビューを実施するわが社のチームメンバーが忙しく、対応できなかった

(4)   別件トラブルが発生し、それどころではなかった

(5)   取引先の担当役員は決裁するだけなので、意見を聞いても意味がない。むしろ、現場の課長クラスに意見を聞くべきだ

 

上記の “できなかった理由例” = “Because ~” の後に続くフレーズ例は、いくつかの切り口で分類することができます。

 

【分類1】 その理由が発生したタイミング ・・・ ボスからの指示が出たとき or  作業途上

 ・ ボスからの指示が出たとき = (2) (5)

 ・ 作業途上 = (1) (3) (4)

 

【分類2】 そもそも、ボスの指示に従う気があるか否か

 ・ 指示に従う気がある = (1) (2) (3) (4)

 ・ ボスの指示を疑問視している = (5)

 

上記のうち、回答として最悪なのはどれでしょうか?それは (5) です。 ボスから指示が出た段階で、ボスの指示を疑問視している、または、ボスの指示より効果的な方法を知っているなら、そのときに言え!となりますよね。(2) は (5) よりはマシですが、それでも、指示が出たときに言え!という意味では同じです。

 

一方、(1) (3) (4) は、指示には従う気があったのだが、後発的に、できない事情が発生した、というものです。(2) (5) に比べると、情状酌量の余地はありそうですが、これとて、できない可能性が高くなった段階で、速やかに言え!となります。

ボスが聞きたいのは “理由” ではなく・・・


結局、こういうことなのです。外国人ボスが「“なぜ” こんな簡単なことができないのだ??!!」と問いただしたとき、その理由をまともに返したところで、理由としては弱いのです。「そうだったのか、それは仕方ない・・・」などとなるわけはない。要は、状況はどうであれ、約束の期限通りできなかったことは事実であり、まずはそのことを謝罪する。次に、いつ実現できるのか、を具体的に説明する必要があります。

 

【回答例】 申し訳ありません。作業は3人しか終わっていません。別件トラブルにスタッフを取られたことが原因ですが、別チームから応援体制を整えたので、あと1週間で、残りの2名分のインタビューが実施できると思います・・・」

 

そりゃ、怒られるんですよ、いずれにしても・・・。回答はどうであれ、やっていないことは同じなので。
ですが、“Because ~” と理由だけをこれみよがしに話すのに比べ、【回答例】の方が、後々、あなたの評価に天と地ほどの差が出ます。

 

あと (2) (5) は抜本的な問題なので、ボスとはしっかり議論すべきなのですが、まずは指示をこなすことが重要です。(2) (5) とて、所詮はあなたの推測に過ぎません。推測は、事実を裏付けとして説明されるべきで、何もしない段階で、ボスを説得できると考えているとすれば、それは大間違いです。

 

次回は、外国人ボスの “Why ~ ?”(なぜ?)について、もう一段突っ込んだお話をしたいと思います。

(次回に続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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