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タカシの外資系物語

外資系企業における “英語より重要なこと” とは?(その4)2015.12.22

Bad News その1

 

(前回の続き)取引先である外資系企業A社との商談を進めるタカシ。先方のアジア・パシフィック責任者 マイク氏 と電話会議をすることになり、極度に緊張していたところ、日本支社の役員から、「通訳つけますよ!」と軽いタッチで申し入れがあり、喜色満面で会議に臨んだところ、どうも雲行きが怪しくなってきたのです・・・

 

マイク氏との電話会議を実施するため、A社東京支社を訪れた私を迎えてくれたのは、役員秘書のツキヤマさんでした。

 

ツキヤマ秘書 「電話会議では失礼だということで、ビデオ会議を使っていただくように、マイクから指示がありました。ビデオ会議室は下の階になりますので、ご案内いたします・・・」

 

お、good news じゃないですか! そもそも、電話会議なら、わざわざA社に来なくても、自分の会社か自宅でやれば良かったわけで・・・。ま、いずれにしても、電話よりビデオの方が意思疎通はスムーズでしょうから、安心です。

 

ツキヤマ秘書 「・・・で、実は非常に申し上げにくいのですけれども・・・、bad news がございまして・・・」

 

キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!(T-T)

 

ツキヤマ秘書 「役員のタカハシが申し入れておりました 通訳 なのですが、手当てできませんでした(キッパリ!)」

 

やっぱしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!(T-T)(T-T) がっくし・・・

 

ツキヤマ秘書 「あ、でも、タカハシが言うには?」

 

私 「タカハシさんがおっしゃるには?」

 

ツキヤマ秘書 「奈良さんなら、通訳なんて必要ないだろーーって、申しておりました!」

 

なんじゃ、そりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ! 失禁! (って、他人のオフィスで漏らすなよ・・・、つうか、自分のオフィスでも漏らしちゃいかんが・・・)

 

Bad News その2

 

そ、そう来たか、タカハシ・・・ さすが外資系企業の役員、お主も悪よのぅ・・・ フッハッハッハ! などと、笑っている場合ではない。通訳なし、なし、なし・・・ いやいや、うろたえるな。わしとて、外資系企業の役員ではないか、通訳がないくらいで、狼狽してどうする!

 

私 「あ、そうですか! 結構です、結構ですよー。いやね、通訳の話はタカハシさんからいただいたお話でして、私自身はどっちでも良かったんですよーー、はい・・・」

 

あほかーーーーーーーっ! 見栄はるなーーーーーーーーーーーーーーっ!! (T-T)(T-T) 小さい男です、ホントに・・・ トホホ・・・(T-T)(T-T)(T-T)

 

いずれにしても、気持ちを切り替えなければなりません。通訳はなくなったものの、ビデオ会議にしてもらったわけですから、ま、何とかなる・・・ と楽観的に考えるしかありません!

 

ツキヤマ秘書に案内されたビデオ会議ルームは、最新鋭の装備! 実は、わが社にも同じ設備があるのですが、原則、専務以上しか使えないことになっていて、私は実際に使ったことがありません。噂では、ボールペンの カチカチ というノック音 や おなかが グゥ となった場合の音まで拾うらしく、ジリジリした交渉ごとを行う際には、結構な緊張感が漂うとのこと。よしっ! 気合が入りますね!!

 

ツキヤマ秘書 「そろそろお時間ですので、セットアップしますね」

 

私は水を一口ゴクリと飲んで、舌を湿らしました。ふーーっ、いよいよです! マイクさん、どんな人だろっ?!

 

ツキヤマ秘書 「えーーっと、うーーんと、あれっ? おかしいなぁ・・・?」

 

ツキヤマさん、苦戦中です。ま、そう頻繁には使わないでしょうから、セットアップも不慣れなんでしょう。ツキヤマさん、がんばれ! なーんて、ちょっと余裕かましてみたりして・・・

 

ツキヤマ秘書 「あれ? おかしいなぁ・・・ どうなってんの、これ? Sh○t !」

 

いやいや、よっと待ちなさいよ、ツキヤマさん。落ち着いて! うら若い女性が、Sh○t はマズイだろ、Sh○tは・・・。

 

ツキヤマ秘書 「ちょっと不具合が発生したようなので、向こうのサポートメンバーと、電話で話してきますね!」

 

は、はぁ・・・ 大丈夫かしら???

 

面白いから・・・、それもアリ! って、言えますか?!

 

5分ほど経過・・・ と、憔悴し切った ツキヤマ秘書が戻ってきました。

 

ツキヤマ秘書 「タカシさん、超bad news なんだけど・・・」

 

おいおい、急にタメ口だし! ま、それはいいとして・・・、どうしたんだ、一体?!

 

ツキヤマ秘書 「ビデオ会議システムに不具合があって、つながらないんですよ。申し訳ないのですが、私のPCをお貸ししますんで、skype でやってもらえます?」

 

私 「ん?」 

 

私、こう見えても、結構物分りがいい、勘がいい方だと言われるんですよね。そんな私ですが、このときばかりは、にわかに事態が飲み込めませんでした・・・

 

ツキヤマ秘書 「だから、skype で!」

 

私 「(念の為、再度とぼけてみる) ん?」

 

ツキヤマ秘書 「ス カ イ プ で ! マイクとつながってます、どうぞ!!」

 

ツキヤマさんが貸してくれたPCの画面を覗き込むと、右下のちっちゃい画面に、マイクさんと思しき外国人が、お茶目に手を振っています。その画面の中に、さらに小さな画面があって、呆然とする私の姿らしきものが・・・ って、ちっちゃすぎて、見えんわーーーーーーーーーっ! アントマンか、ワシはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!(T-T)(T-T)(T-T)     (・・・失神!)

 

え? でもって、商談はどうなった、って? まぁ、そこは プロ ですから、滞りなく進めましたよ。いやぁ、それにしても楽しいでしょ? 外資というのは、こういう世界なんですよね。これも面白いから良し! それもアリ!! 見方によっては悲惨かつ過酷な状況でも、それを楽しむことができるか? そして、不恰好ではあっても、何とか前に進めることができるか? これこそ、外資が求める “英語より大事なこと” の本質だと思います。

 

いやぁ、それにしても、ツキヤマさんはじめ、A社のみなさん、面白い! これからも、よろしくお願いしますね!! では、また!!!

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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