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タカシの外資系物語

Singularity って、何?(その1)2015.06.30

近い将来、あなたの仕事が奪われる?!

 

テレマーケター、不動産登記の審査・調査、手縫いの仕立て屋・・・ 

 

みなさん、これって何だと思います? 正解は、「10~20年後に “なくなる仕事”」 のTOP3でした! (当事者の方、私が言っているのではないので、気を悪くしないでください・・・)

 

AERA 2015/6/15号に 『AIでなくなる仕事』 という 衝撃的な記事が特集されています。まず、“AI” とは何か? これは、Artificial Intelligence の略でして、日本語では “人工知能” と訳されます。まぁ “ロボット” と同じ意味だと考えていいでしょう(厳密にいうと、ちょっと違うんですが・・・ 詳細は、後段でお話します)。

 

要は、近い将来、ロボットがあなたの仕事を奪ってしまうかも? えらいこっちゃーーー! 特集 というわけ。さて、ここで私は、「奪ってしまうかも?」と、そうならない可能性も含めた、控えめな表現で書きました。実はこの手の話、何十年も前から盛り上がっては実現せず・・・ を繰り返してきた経緯があります。日本では、巨匠・手塚治虫先生の代表作 『鉄腕アトム』 などが、その起源と言えるでしょう。

漫画の設定では、鉄腕アトムの誕生日は 2003年4月7日となっており、何と今から12年以上前ということになります。鉄腕アトムの世界では、車に似た乗り物が、空をビュンビュン飛んでいますので、ここだけを見ても、手塚先生の予想が外れたことがわかります。総じて、科学技術の進歩というのは、楽観的・革新的に予想されることが多いのです。

 

私自身、相当な保守派なので、人間の仕事がロボットに奪われるということについては、かなり懐疑的です。・・・というか、懐疑的でした、これまでは! しかし、今回は違う!! 私は “ある理由” から、今回は かなりの高確率でそれが実現する と思っています。つまり、人工知能/ロボットの台頭によって 「10~20年後に “なくなる仕事”」 は相当数に上る、いや、そのタイムスパンはもっと短くて、「5年後」 に大きな波が来る と予想しています。なぜ、「5年後」 なのでしょうか?

 

10~20年後に “なくなる仕事” に衝撃走る!

 

冒頭のAERAの特集記事に戻りましょう。「10~20年後に “なくなる仕事”」というのは、英オックスフォード大学 オズボーン准教授らの論文 「雇用の未来」 からの抜粋 です。AERAでは、オズボーン教授らの論文から、「10~20年後に “なくなる仕事”」50種 と 「10~20年後も “残る仕事”」50種 を引用しています。以下に、それぞれについて、私なりの注釈を加えて御紹介したいと思います。

 

【10~20年後に “なくなる仕事” 50種】

(1)   保険引受時の審査担当、銀行の新規口座開設担当者、保険金請求時の審査担当、証券会社の一般事務員、銀行の融資担当者、クレジットアナリスト・・・ 等々、銀行・証券・保険といった金融関係の仕事が軒並みランクインしている

(2)   不動産登記の審査・調査(宅建主任者・不動産鑑定士)、税務申告代行者(税理士・公認会計士)、弁護士秘書、簿記・会計・監査担当者・・・ 等々、いわゆる “士業” といわれる難関資格保持者の仕事が軒並みランクインしている

(3)   時計修理工(アナログ時計が激減するから)、映写技師(アナログフィルムが激減するから)、モデル(PC上でCGの擬似モデルに服を着せれば事足りるから)・・・ 等々、ロボットが人間の仕事を奪うというよりも、技術革新によって、対象となる仕事そのものが様変わりするようなものもある

 

まず、(1)は衝撃的ですよね。安定している仕事の代名詞である金融業界の仕事の大半は、AIに奪われて必要なくなる! と言っているのですから。にもかかわらず! ですよ、2015/6/26(金)の日経新聞朝刊第二部の 『2015就職ランキング』 を見ると、依然として、金融機関は就職先企業として抜群の人気を誇っているのがわかります。特に、文系学生のランキングを見ると、如実にわかる。私は・・・、本当に開いた口が塞がりません・・・

 

  • ●文系男子:就職人気ランキング・・・1位「日本生命保険」から始まって、なんと13位までを金融機関が占めている!
  • ●文系女子:就職人気ランキング・・・1位「東京海上日動火災保険」から始まって、なんと12位までを金融機関が占めている!!

 

私も元銀行員、彼ら・彼女らの先輩として言わせていただきます・・・。 

 

なんでやーーーーーーっ! 君ら、業界研究しとるんかーーーーーーーっ!! AIに奪われる仕事に就いて、うれしいんかーーーーーーーーーっ!!!

 

学生さん 「こう言っちゃなんですけど、AIに奪われる仕事って、一般職の仕事でしょ? 総合職キャリア採用の僕たち/私たちは大丈夫・・・」 

 

なわけないやろーーーーーーーーーーーーーーっ!(T-T)

 

現時点で安定的な企業に就職することの “愚”

 

過度にアジると、金融機関の人事部長に怒られそうなので控えめに書きますが・・・、はっきり言って、大卒で金融機関に入社されるみなさんの 90% 以上は、AIに奪われる仕事 に従事することになるんですよ!(控えめじゃないか・・・) 

 

確かに、グローバルを股にかけたカッコいい仕事(プロジェクト・ファイナンスとか)もあります。だけど、そんな仕事に就けるのは、ホントに一握りだけ。英語がネイティブ並みで、頭がキレまくりだというならチャレンジする価値もありますが、そうでないなら、まず無理です。人生は戦略的に攻めなければダメ! 金融機関以外の方が、あなたの能力を活かせるポストに就ける可能性が高い!!

 

学生さん 「でも、金融は給料が高いし、なんだかんだ言って、安定してるから・・・」 

 

どアホーーーーーーーーーーーーっ! 5年後にAIにその大半を奪われる業界の、どこが安定しとるねん!! わしだって、当時それなりに優秀な学生が集まるとされた銀行に就職したが、あっけなく破綻したんじゃわい・・・(T-T)  高度成長期の繊維業界しかり、バブル期の金融業界しかり、その後の家電業界しかり・・・ その時点で 安定的 とされる業界は、10年以内にshrinkするのです。これは歴史が証明している! 学生のみなさん、ホントに、ホントに、よーーーく考えましょうね。

 

今回はこのぐらいにしておきましょう。なぜ 「10~20年後」 ではなく、「5年後」 なのか? それ以上に、今回のタイトルである “Singularity” について一切触れぬまま・・・、次回乞うご期待!

 

(次回続く)

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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