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タカシの外資系物語

“インド式” が世界を制す?! (その1)2014.03.18

    Genius Abacus !

    先生 「24 × 38は?」   
    多くの生徒 「ええと、ええと・・・」   
    タカシ 「912」


    先生 「73 × 19は?」   
    タカシ 「1387」 
    ・・・


    すわ、天才小学生登場?!(って、実は大した計算ではないのですが・・・) 何を隠そう、私は小学生の頃、計算が非常に得意でした。ここでいう “得意” の定義は、「正しくて、速い」ということ。正しいのは当然として、とにかく速い!。今は反射神経が若干鈍ってきましたが、それでも、2桁どうしの掛け算であれば、2秒以内に返せます。


    「それって、そろばん習ってたからでしょ?」 それもあります(一応、そろばん1級です)。しかし、そろばんを習っていた方ならわかると思うのですが、「 そろばん上手 = 計算が正確で速い 」 というのは、必ずしも当てはまりません。というか、どちらかというと、あまり関係がない。そろばんを習っていて、かつ、計算が正確で速い人は、そもそもその人が才能(というか、器用さ)を有していて、“ツール” としてそろばんを活用することができるからです。


    もう少し、具体的にお話しましょう。最近すっかり見かけなくなりましたが、複雑で長い計算をする際に、右手でそろばんをはじく動作をして計算している人がいます。今風に言えば、“エア・そろばん”。これができる人は、計算が速い。これは銀行員時代のこと、私の暗算能力の評判を聞いて、ある先輩から、電卓で勝負を挑まれたことがありました。場所は本店の大会議室。荒野の決闘ってとこですな(今考えると、アホかって感じですが・・・)。結果は・・・、正確性・スピードとも、私の圧勝でした。これは、“エア・そろばん” のおかげです。


    しかし、それも足し算と引き算だけの話であって、掛け算と割り算は、例えば掛け算なら3桁以上になると、マシンにはまず勝てません。TVに出てくる “暗算名人” とやらも、その対象は加減の計算であって、乗除ではない。ラマヌジャン(天才数学者です。凡人には想像もできないようなエピソードが数々あって、非常に面白いので、みなさんも調べてみてください。個人的には、『無限の天才―夭逝の数学者・ラマヌジャン』(ロバート カニーゲル (著), Robert Kanigel (原著), 田中 靖夫 (翻訳)・工作舎)がお薦めです) のような超天才でもない限り、計算力については、人間にはやはり限界があって、マシンにはかなわないということです。


    さて、冒頭の計算。私はどうやって解答を導いているかというと、以下の通りとなります 

    ● 24 × 38 = 24 × 40 - 24 × 2 = 960 - 48 = 912 
    ● 73 × 19 = 73 × 20 - 73 (×1) = 1460 - 73 = 1387


    ね? これなら、2秒以内の解答も何とかなりそうでしょう? しかし、上述のように、これは片方が2桁以下でしか使えない技でして、3桁どうし以上の掛け算になると、かなり難しくなります。ま、こんなことでメシが食えるわけでもなく、“かくし芸” の域を出ませんがね・・・

    インド人はなぜ、2桁の 「九九」 をマスターするのか?

    「インドでは、2桁同士の 九九 まで覚えるらしい・・・」


    この話を聞いたとき、私は愕然としました。まず、2桁同士なら、「九九」 ではなく、「九九九九」 ではないのか? クククク、クッククック~、青い鳥~♪ (て、あまりにも古いネタなので、読者の95%はついてこれてないと思いますが・・・)


    いやいや、そんなしょうもない話ではなく、「2桁同士ぐらいなら、暗記してしまえ!」という、男前というか、潔さというか、悪く言えば乱暴というか、この発想に衝撃を受けたのです。


    一般に、インド人は “0(ゼロ)” を発見した民族として、数学が得意であると言われています。しかし、数学が得意であるということと、「九九九九」は相容れない。全く、美しくない! 数学が得意なら、私がやってるような計算をしろよ! そう思ったものです。


    それから何年かのち、「インド式計算」 というのが流行りました。その本を読んで、私はインド人が 「九九九九」を暗記している真の理由がわかりました。彼ら・彼女らはなんと、「九九九九」を暗記することで、3桁以上の掛け算を即座に解答できるようにしているのです! 基本的な考え方は、私の計算法と同じです。しかし、インプットのベースとして、「九九」 ではなく、「九九九九」 があるので、3桁以上の掛け算にも応用が利くのです。


    インド人おそるべし!!! 私はこのとき、インド人の “戦略眼” に脱帽しました。そして今、2010年代になって、インド人が覇権を握る時代が、いよいよ到来しようとしているのです! 若干前置きが長くなりましたが(いつものことですが・・・)、今回のコラムでは、グローバル社会、特にビジネス業界におけるインドの発展ぶりと驚異的な “戦略眼” について、お話したいと思います。

    インドではなぜ、英語が話せる人材が急増したのか?!

    某書店にて・・・


    「何これ? 『英語はインド式で学べ!』 って、何だか、胡散臭いな・・・」


    ・・・と話している男性の横で、私は全身を震わせていました。 「とうとう、この日が来てしまったか・・・」 グローバル共通言語である 英語 を、“インド式”に学ぶ方法が出た、これこそ、インドがグローバルのビジネス社会を牛耳る橋頭堡に他ならないのです! (なんか、ちまたに出回っている、陰謀論の本みたいになってきましたが・・・ 私はあくまでも本気で言っています)


    ず、この本(『英語はインド式で学べ!』(安田正著・ダイヤモンド社)は、英会話の教本としても、私の生涯ナンバー1とってもいいくらい素晴らしい本です。作者の安田正さんは元商社マンで、今はコンサルタントとして、また大学の講師として活躍されています。この本以外にも、『一流役員が実践している仕事の哲学』(クロスメディア・パブリッシング)、『1億稼ぐ話し方』(フォレスト出版)など、ベストセラーを連発されているので、ご存知の方も多いと思います。『英語はインド式で・・・』は、実務経験豊富な安田さんが、インドで体感し、インド人の成功を目の当たりにして、日本人用に作り上げた英語を話すためのメソッドです。その内容を私がとやかく言うのはここでの主旨ではありません。百聞は一見にしかず、買ってください。私は紙版と電子版の両方を持っていますが、電子版が使い勝手がいいと思います。文型一覧とか、問題とか出てくるので。 
    (※実は、私は安田さんと懇意にしています。本も素晴らしいですが、安田さん自身も、豪放磊落で素晴らしい方です。是非みなさんも、セミナーとかの機会があれば、参加されることをお薦めします!)。


    『英語はインド式で・・・』 には、以下のように書いてあります。


    ~これまで日本人が受けてきた英語学習は、“ネイティブの真似をする英語” でした。これから必要となるのは、“通じるための「道具」としての英語” なのです・・・~


    安田さんによると、インドでは官民あげて、“インド式” の英語学習法を自ら確立し、結果、1990年代~2000年代の約20年間で、英語人口を 10倍(!) に増やしているとのこと。そして、2020年には、英語を話すインド人が、世界で最も多くなるというのです!


    出たーーーーーーーーーーっ! ここにもインド式戦略がーーーーーーーーーっ!! おっと、話が脱線し過ぎ(スミマセン・・・)で、紙面がなくなってきました。この続きは次回お話したいと思います。 

    次回続く

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

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