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タカシの外資系物語

リーダーを“つくる”条件(その1)2014.01.07

    新年早々、テンションが下がった理由とは?!

    新年明けましておめでとうございます! 昨年は不覚にも、体調不良のため、半年間も休載をいただいてしまいました。今年は心機一転、バリバリとーーーっ!・・・ と、張り切ってしまうと、またガソリンが切れると困りますので、ハートは熱く、仕事は効率的に(ホドホドに)始めたいと思います。


    さてみなさん、お正月は、いかがお過ごしでしたか? 今年は曜日の配置がよく、9連休になった方も多いと思います。国内・海外問わず、遠出の旅行をされた方も多いのではないでしょうか。


    我が家では、私の体調も配慮して、基本的に自宅でゆったりと過ごしました(ま、私の体調が万全であろうがなかろうが、毎年家でダラダラ過ごすのですが・・・) 世間では、JR有楽町駅での火災によって、Uターンラッシュの足に大きな影響が出たなんていうニュースもありました。私も毎日通っている駅ですので、人ごとではありません。早朝だったこともあって、けが人等が出なかったことが不幸中の幸いです。


    我が家の “事件” といえば、通販で買ったおせち料理が予想以上に遅れて届いたこと。いつでしたか、中身がスカスカのおせちが大問題になったことがありましたが、今回我が家に送られてきたおせちは、中身はちゃんとあったんです。でも、届いたのが、大晦日31日の午後!。説明書を見ると、「解凍時間の目安 冷蔵庫=36時間 自然解凍=24時間・・・」との記載。つまり、解凍までに最短で丸一日かかるわけです。元旦の朝に、ギリギリ間に合うかどうか? かと言って、生ものも入っていますから、直射日光に当てる勇気もありません。とりあえず、テーブルの上において、うまく解凍してくれることを祈って待つことにしました。

     

    明けましておめでとう!

    元旦の朝。私は早速、おせち料理の様子を見てみました。 「うっ!」 触った瞬間、それとわかる冷気が・・・ 「ま、おせち料理なんて、そもそも冷たい料理が中心なんだから、なんとかなるっしょ・・・ははは・・・(汗)」 


    今年は奮発して、四段重を買ったんです。毎年、大海老の数でモメる(大人気ない家族・・・)ので、それが3つ入ったやつ・・・。


    「いっただっきまーーーっす! ゴリっ!! あれっ!!!(T-T)」


    全然、解けてないし! ちゅうか、昨日とほとんど変わってないし!!


    「パパ、おせちは・・・?(T-T)」 おせちを楽しみにしていた娘の目に、みるみるうちに涙が溢れてきます。正月から、テンション下がるわーーーっ! どないしてくれるんじゃーーーーっ!!(T-T)

    気持ちのいい挨拶をするコンビニ店員、実は・・・

    「○○ちゃん、ちょっと待っててねーー パパがいいもの、買ってくるからねーーー(汗っ!)」 


    私は元旦早々、コートを羽織って、近所のコンビニに向かいました。やきそば とか シュークリーム とか・・・で、何とかごまかさねば・・・ そういえば、今年の元旦は、年賀状も来るのが遅かったですよね。うちなど、昼過ぎてたし・・・ 普通、年賀状見ながら、いつもよりちょっと遅い時間におせちを食べて・・・ というのが正月の定番なのですが・・・、あーーーーっ、どれもこれも、うまくいかんわーーーーっ! 郵便・宅急便含め、日本の流通に利便性を求めすぎて、何だか 金属疲労 みたいなものを起こしているような気がするのは、私だけでしょうかねぇ・・・。


    さて、コンビニ、コンビニ・・・。私の自宅から徒歩3分圏内に、5つのコンビニがあります(近所のコンビニとドラッグストアの “仁義なき戦い” を描いた名作(?) 『No.614 流通戦争勃発!・・・日本モデルは生き残れるか?』 参照のこと)。どのコンビニも、だいたい距離は同じ。また、私は全てのコンビニのポイントカードを持っていますが、どれか1つの店に固定せず、買い物をしています。私がコンビニブランドを固定しない最大の理由は、日本の流通・小売業、その象徴であるコンビニを観察することで、今現在の流行や将来の動向が、非常によく理解できるからです。ポイントサービス、コピーサービス、レジ裏で調理している惣菜、自社ブランドの商品バラエティ・・・ 今や、日本のコンビニにおける流通・小売サービスは、グローバルでもトップのレベルに達していると思います。


    一つ難を言えば、いわゆる 「お・も・て・な・し」 は、まだ発展段階にあるかもしれません。いわゆる、“気配り” というやつ。これは、ブランド間に差があるわけでもなさそうなので、結局は個人の資質に依存している ≒ コンビニが得意とするマニュアルに落とせないもの なのかもしれません。


    元旦のその日、私が行ったコンビニは、中国人スタッフが店番をしていました。店に入るや否や、「明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いいたします!!」 と、気持ちのいい声掛け。ふと、彼の胸元を見ると、“リーダー ○○○○” というバッチの文字が・・・。そうか、この人、今年からリーダーになって、張り切っているんだな。


    このコンビニ、近所のコンビニの中では、最も人材育成がうまいと、私は評価しています。中国人の彼も、1年前に仕事を始めた頃は、そりゃもう、ひどい対応でした。モノを買っても、ありがとう の1つも言わないし・・・。もしかしたら、言葉の問題があったのかもしれませんが、言葉は拙くとも、表情や雰囲気は万国共通です。その頃の彼は、何も言わず、能面のように仕事をこなしていました。それが今や 「明けましておめでとうございます!」 です。こんな挨拶、下手すると、ご近所同士でも交わさないかもしれない。オーナーや先輩スタッフの教育が、実を結んだのでしょう。


    一方、自宅周辺にある他のコンビニは、いまだに 黙った能面 のスタッフが過半数を占めています(気になったので、最初の店を出たその足で、徒歩圏内全てのコンビニを回ってみました。結果、「明けましておめでとうございます!」 という挨拶のあったコンビニはゼロ・・・。これほど顕著に差が出るとはねぇ・・・ って、暇かわしは。娘が泣いてるぞ、早く帰れやーーーっ!)。 対応の良し悪しに、ブランドの優越は関係ないようです。はて、どうして、こんなにも人材育成において、差が出るのでしょうか?

    リーダーを 「選ぶ」 から 「つくる」 へ

    日経新聞・企業面のコラム 『経営の視点』(2014/01/06付朝刊) に、こんな記事が出ていました。


    『 明日のリーダーはいるか  ~ 「選ぶ」 から 「つくる」 へ ~ 』 (以下引用)


    ・・・ GEは幹部研修に力を入れている。ジェフ・イメルト会長兼CEOは、仕事の30%以上を幹部育成に充てているという・・・ (中略) ・・・各種調査では大半の日本企業が、次世代のリーダーが育っていないと答えている。「育てていない」 せいでもあるだろう・・・ (中略) ・・・日本企業は中長期の視点に立った 「人づくり」 が得意だと言ってきた。看板倒れにならないよう願う。


    私はこれまで企業変革コンサルタントとして、数十に上るプロジェクトに関与してきましたが、その成否は、ほぼ100%の確率で、 「リーダーが優秀で、かつ、その後継がプロジェクトを通じて育っている」 状況が作り出せるかどうかにかかっていると断言できます。「リーダーが優秀」というのは、所与の絶対条件です。重要なのは、「その後継が育っている」こと、つまり、次世代リーダーが育つ環境にあるか否かということなのです。


    リーダーシップ論の大家である ジョン・P・コッターはじめ、私も様々なリーダーシップ関係の本を読み漁りました。日本なら、神戸大学の金井壽宏教授が有名ですね。それらの理論と自身の経験則から、私はリーダー育成に必要な 5要素 を以下の通り、特定してみました。



    【リーダー育成5要素】 
    ① リーダー候補自身の資質・能力・モチベーション 
    ② ロールモデルとなる現行リーダー(≒上司) 
    ③ 的確なアドバイスをくれるコーチ 
    ④ 育成の場 
    ⑤ 厳しい顧客


    日本企業がよくやる過ちは、「②=③とすること(②と③を兼務させること)」 と 「④⑤を軽視すること」 だと思っています。次回のコラムでは、外資系企業における実際の事例に即して、【リーダー育成5要素】 を説明したいと思います。

     

    (次回へ続く)

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

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