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タカシの外資系物語

年末の忙しさは “誰” のせい?2012.12.25

    外資の “師走” はクレイジー?!

    衆議院選挙のドタバタ も過ぎ、ふと気付いてみると、今年も残り一週間あまり。毎年懲りずに同じことを言っていますが、本当に時間のたつのは早いものです・・・。 


     日本では、12月を “師走” といって、一年の中でも特に忙しい時期として位置づけています。一方で、欧米には “師走” という概念はなく、辞書を引いても 「師走=December」 としか出てきません(そのままやんけ・・・)。 “一年の中でも特に忙しい” “師が走り回るほど忙しい” 12月・・・ というニュアンスの単語はないようです。 

      

     私の上司であるJohnなども、日本の “師走” に対して、不満タラタラ。 
    「日本人というのは、どうして12月になった途端に、全員がバタバタと忙しそうにするんだ? 加えて、年末直前のlast minute(土壇場)になって、大量の承認依頼や相談事を持ち込んでくる・・・ これは私に対する嫌がらせなのか?!」 


     いやいや、決して意図的にやっているわけではない・・・(そんな意地悪をしている暇すらない!) 確かに、12月にこなさなければならない仕事量は、他の月に比べて2倍近くあるのも事実(日本の場合、3末・9末の決算期も同様ですね)。また、12月は年末の挨拶回りや忘年会ラッシュなどもあり、忙しさに拍車をかけています。欧米でも12月は他の月より忙しいのでしょうが、年末の挨拶回りなどがない分、日本ほど極端ではないのでしょう。 
     一方、欧米の12月は Christmas Season で、12月24日以降、ほとんどの社員は休暇を取ります。これは日本の年末(大晦日)・正月に該当する慣習ですから、そのこと自体を否定はしない・・・。しかし! 日本にある外資系企業の、外国人エグゼクティブやスタッフも、Christmas Seasonには休みを取るんです。日本は年末まで休みがないのに! ただでさえ忙しいのに、24日以降は外国人エグゼクティブがいないわけですから、日本の外資系企業の12月は、本当にクレイジーな状況になります。実際に、世間がクリスマスで浮かれている一方で、オフィスで憤死している外資系の日本人スタッフは相当数存在する。私自身も、外資系企業に転職して以来、クリスマスイブに家でケーキを食べることができた年は一度もありません・・・(T-T) 

    年末の繁忙を解消する方法は?!

     日本の年末・決算期、このクレイジーな忙しさを何とかできないか・・・ 私はこれでもコンサルタントの端くれですから、クライアントの業務改善のみならず、自社業務の合理化・効率化についても、常々頭を悩ませています。で、いろいろと検討した1つの結論。 


     「日本における年末・決算期の忙しさを改善するのは、ほぼ 不可能・・・」 


     なんじゃ、そりゃ・・・ コンサルのくせに、口ほどにもない! いやいやいや、ちょっと話を聞いてください。少し言葉足らずだったようです。正確には、こうですね。 


    「日本における年末・決算期の忙しさを改善するのは、自社努力だけでは、ほぼ 不可能・・・」 


     つまり、こういうことです。日本の社会全体が年末・決算期に仕事を集中させる仕組みなっているため、1社だけがそれを変えようとしても、全体の波に飲まれて、どうしようもない・・・ と言っているのです。 


     決算を例にとってみましょう。ほとんどの日本企業における決算は、9末に中間決算、3末に本決算となっています。最近は、四半期決算を採用する企業も増えてきましたが、その場合でも、3末・6末・9末・12末で決算するケースが大半ですから、時期としては重なっています。 


     一方、欧米企業では、2末や5末に本決算をする企業があったりと、各社バラバラの決算時期が目立ちます。決算期自体は、日系だろうが外資系だろうが、その忙しさに大差はないでしょうが、欧米の場合は、決算期を分散させることによって、企業社会全体の繁忙度合いを平準化することに成功しているのです。この差は、非常に大きい。日本の場合、企業社会全体が全く同じ動きをしているために、特定の時期に、どこもかしこも忙しくなる。また、忙しさも等比級数的に拡大する傾向が強いのです。 

    社会全体の効率性を高めることができるのは・・・ダレ?!

     ペーパーレス化の推進も、同じ文脈で説明ができます。今やモバイル、スマホ、タブレットの時代ですから、消費者にとっては、紙なんてウザイだけです。企業から見ても、環境にも悪いし、紛失したらヤバイし、保管場所も必要だし、離れた場所でオペレーションできないし・・・ ろくなことがない。紙は諸悪の根源ですから、無くした方がいいに決まっている。 


     ・・・と、自社でペーパーレス化を推進する企業が増えています。この取り組みは、それなりに成果が出るのですが、実は本質的な部分で頭打ちになる。なぜか? それは、消費者や取引先の企業・公共団体が紙を使い続けている以上、1社だけがペーパーレスを進めるわけにはいかない/進めても意味がない からです。ペーパーレスというのは、1社のみの推進では、効果は限定的です。社会全体が、そのバリューチェーン全体で 「ペーパーレス」 を採用してこそ、大きな効果が得られる。では、どうすれば、大きなmovementとして推進することが可能となるのか? 


     それこそ、「政治」 の役割だと思います。国全体の効率性を高め、働きやすい社会を作るのは政府の責任であり、かつ、政治にしかできません。 


     海外を見渡すと、政治主導の策が数多く存在します。オランダやイギリスで盛んな 「ワークシェアリング(英語では、Job Sharing)※」 も、国主導で進められています(※ワークシェアリング=1人当たりの労働時間を減らして、多くの労働者に分け与えること。雇用維持の観点が強いが、家族と過ごす時間・自己啓発の時間を増やすというメリットもある) 
    また、スウェーデンのストックホルムでは、渋滞時間における都市部への自動車進入に課金するなどして、交通渋滞を解消し、交通量の平準化をはかっています。これも、政治主導です。 


     一方、日本の政治はどうか? 冒頭に、「衆議院選挙のドタバタ」 と書きましたが、ここ数年、選挙だけじゃなく政治自体が、ドタバタしっぱなしではないですか! 先日、アメリカ本社のえらいさんが来た際に、 
    「来日するにあたり、日本の政治について勉強しようと思ったが、さっぱり理解できん・・・ 一体、だれがリーダーなんだ?」 
    と言っていました。わからないのも当たり前。日本人の私ですら、わからん・・・ 


     ま、文句ばかり言っていても仕方ない。安倍さんには、前回の汚名を晴らすべく、是非頑張っていただきたいと思います。


     さて、みなさん、仕事は片付きそうですか? 私も年末年始はゆっくり休んで、自分の時間・家族との時間を大切にしたいと思います。今年も1年、本当にありがとうございました。 


    Merry Christmas   &   よいお年をーーーーっ!

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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