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タカシの外資系物語

“War Room” で スッキリ?! (その1)2012.11.20

    ビジネス = ゲーム、戦争?!

    上司(役員) 「タカシ・・・、これは “War Room” 行き だな・・・」 
    私 「は、はぁ・・・(やっぱり、そうっすよね・・・)」 

      

     “War Room” - 直訳すると、「戦争の部屋」 です。何だか物騒な響きですね。英英辞典をひくと、「“War Room” is a room where strategic decisions are made」となっています。つまり、“戦略的な決定をする部屋”。特に、軍事や政治活動のための、作戦ルームを指すようです。激戦が繰り広げられたアメリカ大統領選挙の事務局などは、まさに “War Room” と呼ぶにピッタリだと思います。 
     ビジネスの場合も同様に、大規模プロジェクトの事務局 や 経営計画を策定中の企画部門などはそれに該当するでしょうし、社長室などは一年通じて “War Room” といっても過言ではないでしょう(そもそも、人手が激減した昨今、いかなる職場も猫の手が借りたいほどの “War Room”状態 と 言えなくもないですが・・・) 


     それにしても、外資系企業というのは、一見、仕事とは関係がないようなネーミングを使うことが多い。大まじめに、“War Room” と言われると、何が始まるのかと思いますよね。 
     ここでいう war というのは game に近いと思います。経済学の分野に、「ゲーム理論」というのがありますが、外国人にとって、ビジネスは一種のゲームなんですよね。参加者のスペックはどうで、競合はどうで、クライアントの思惑がこうだから、この作戦をうてば、何割の確率でこうなる・・・ そんなノリです。通常より重要で、激しい状況のときに、war というコトバを使うのです。

     


     日本人の場合、war = 戦争 と聞くと、極めてネガティブなイメージがあって、このコトバをおいそれと使えない国民性があります。もちろん、戦争は悲惨な結果しか招かないことは歴史が証明していますし、戦争が 悪 であることは、グローバル共通の認識です。ただ、外国人(特に、アングロサクソン系)が war という場合、そんなに深い意味で使っているわけではないことだけは、認識しておく必要があるでしょう。 

    “War Room” の目的

     では、私の上司である役員が発した冒頭のセリフは、何を意味しているのか? “War Room” というのは、即断即決が求められます。そりゃそうですよね、戦争や大統領選で、「この課題は、来週の役員会議にかけることにしよう・・・」などと、悠長なことは言ってられませんから。 



     基本的に、外資系企業の意思決定スピードは速い。私の感覚では、日系企業と比べると、3~5倍の差があると思います(もちろん、日系企業でも、オーナー系企業やベンチャー企業では、極めて迅速な意思決定をする企業はありますが、一般的な日系企業は、依然としてかなり遅いと思います・・・)。 しかし、外資系企業の意思決定が速いとはいえ、即断即決で、全ての課題が解決するわけではありません。 


    マネージャー 「来週からプロジェクトを開始する上で、リソース(人)が2名足りないんです・・・(T-T)」 
    役員A 「よし、○○部門にリソースの余裕がありそうだから、担当役員Bに話をつけてやるよ! 


     これは、課題解決までのスピードは速そうに見えますが、解決したわけではない。即断即決というのは、課題解決が完了してナンボですから、これじゃダメ。 


    マネージャー 「リソース(人)が2名足りないんです・・・(T-T)」 
    役員A 「Bさんのとこ、少し余裕あったよね? どう?」 
    役員B 「2名なら、何とかできるよ。その代わり、要求されるスペックに完全マッチは難しいから、その分のサポートは、Aさんとこで対応してくれよな」 
    役員A 「OK、じゃ本件はDone!」 


    即断即決というのは、こういうことですね。つまり、“War Room” というのは、「即断即決をする部屋」 のことを言っています。 

    タカシは “War Room” が お好き?!

     「あらゆる課題が 即断即決 できるなら、全ての意思決定をそうすりゃいいじゃないか?」 そりゃそうなんですが、即断即決するためには、各分野において、意思決定ができる機能(=人材)を揃えることが条件となります。要は、役員ないしは役員から権限を委譲された上級職のスタッフが一同に会していなければ、意味がないのです。よって、“War Room” は常時設置されるわけではなく、何らかの目的のもと、期間限定で実施されることが多いのです。 


     よくあるのは、営業目標の数字が足りないとき、時期的にはやはり、年末・期末などが多いですね。 


     To achieve our sales target, WAR Room is opened today ! WAR Room hour : AM 6:30-8:00 


     役員から、このようなメールが送られてきたその時点から、即断即決の “War Room” が設置されます。上記例に挙げたリソース問題をはじめ、金銭的な問題、場所がない、社内ルールでの制限・・・等、いわゆる 「ヒト・モノ・カネ」に関わるすべての課題について、担当役員が、毎日一定時間、ある部屋に集められて、即断即決を目的として議論をするのです。 


     私は個人的に、この制度を非常に気に入っています。通常であれば、何日も関連部署を駆け回って調整・ネゴをしなければならない複雑な課題も、“War Room” に持ち込みさえすれば、即断即決されるのです。、こんな素晴らしい制度はありません。 
     実は、「WAR Room hour : AM 6:30 - 8:00 every」とある通り、早朝に実施されるのが玉にキズなんですが・・・ 眠いし・・・(ファ~ァ) 関連の役員を一同に集めるのですから、仕方ないんですけどね。 



     この年末も、わが社では、早々に “War Room” が開設されました。始まって一週間で、私は既に、3つの課題を持ち込んでいます。次回のコラムでは、“War Room” の 実態 と その限界 について、お話したいと思います。キーワードは、「“War Room”には、外資の全てが詰まっている!」です。では!


    (次へ回続く)

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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