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タカシの外資系物語

メール時代におけるコミュニケーション “危機” ( その 1 )2012.05.01

    タカシ、“パンツ一丁” で何をする ?!

    みなさんの会社には、“独身寮” がありますか ? ここ10年ほどの間、経費削減の一環として独身寮を廃止する企業が多く、現在はあまり見かけなくなったと聞きます。しかし、私が就職した20年前には、ほとんどの企業が独身寮を有し、「新人はまず独身寮に入る ! 」というのが基本だったように思います。 
    かく言う私も、最初は独身寮に入りました。入ったのは、男ばかりの古びた独身寮。幸いにも、“個室”が与えられたのですが、部屋は四畳半一間の畳部屋。クーラーもなく、TVもなかったため、真夏などは、全員がほぼパンツ一丁で食堂のTVの前に集まって、ウダウダと暇を持て余していたように記憶しています。 
    20 代の男どもが十名以上集まっているだけでも暑苦しいのに、それがパンツ一丁でソファに折り重なるように寝そべっているわけですから、さぞ異様な光景だったことでしょう。食堂には、寮費を積み立てて購入したビリヤード台もあり、数名はパンツ一丁でビリヤードに興じたりもしています・・・都心とは思えない、この光景・・・どこやねん、ここは ! (T-T) 



    ま、男性の独身寮なんて、こんなもんです。見た目は異様ですが、居心地はそれほど悪くない。食事や入浴の際に、先輩や同期と話すことで、コミュニケーションがはかれますし、社内の人脈も自然と広がります。仕事でミスして落ち込んでいるときなどは、「どうした、タカシ ! 気にすんな、飲め ! 飲め ! 」と、ビールや一升瓶を手にした仲間が部屋に集まって、励ましてくれたりもします。疲れているときなどは、いい迷惑なのですが、こういう経験を通して、“同じ釜の飯を食う同士” としての一体感を醸成していったように思います。また同時に、社会人としての常識・マナーも叩き込まれたようにも思います。 



    次に入ったのは、独身寮とは言いながら、バス・トイレ付きのワンルームマンション。食堂のみ共同でしたが、女性社員がいるというのもあって、当然のことながら“パンツ一丁で群れる”ようなことはなく、ほとんどコミュニケーションはなかったように思います。寮としては “出世” したわけですが、同期の中には、“パンツ一丁”時代が忘れられず、元の寮に戻ったヤツもいました。ま、その気持ちもわからんでもない。私は銀行を退職してかれこれ15年になりますが、今でも付き合いがあるのは、同じ部署にいた人よりも、同じ寮にいた先輩や同級生の方だったりしますので、それだけ濃密な付き合いをしていたのだと実感しています。 

    独身寮復活 ! その理由とは ?

    先日、新聞にこんな記事が出ていました。 



    『 独身寮に復活の兆し - 共同生活で若者育つ 』 
    企業の独身寮がじわりと復活している。リアルな交流が必要とされる寮生活を通して、若手社員の対話力と発想力を豊かにするとともに、社内の組織力を強化したい企業の思惑が背景にある(中略) 
    独身寮や社宅を持つ上場企業などを対象に2011年に実施した調査では、従業員1,000人以上の企業の 5.4% が独身寮を今後「増加させる」とし、「廃止する」(2.2%)を上回った。現状維持、または減らすとした企業がまだ多数だが、独身寮は一部に増加の機運がみて取れる・・・    (2012/4/17付 日本経済新聞夕刊より) 



    これでまた、“パンツ一丁” 集団の復活か ! というのはさておいて・・・、独身寮が復活する傾向にあるのは、データからも明らかなようです。ではなぜ、今、復活するのか ? 上記の記事によると、「福利厚生を充実させて採用活動で優位性を発揮したい」という理由もあるとのことですが、それ以上に、「企業側が抱く “危機感” が大きな要因」としています。“危機感” とは、何か ? 
    それは、「直接的なコミュニケーションが苦手な若手社員が増えたことで、職場の雰囲気が非常に悪くなった」ということです。確かに、最近の若手は挨拶や会話がほとんどない ! 困っている同僚を助けたり、励ましたりすることも少ない !! 社内の意思疎通の悪さが、ひいては、社外のお客様からのクレームにもつながりかねない !!! 以上のような危機感については、私も大きく同意します。 



    例えば、こんなケース、みなさんも経験ありませんか ? 



    私 「(チームの若手に対して) お、ツヨシ ! おはよ ! 」 
    ツヨシ 「(蚊の鳴くような声で)オハヨゴザイマ・・・」 (聞きとれんわーーーーーーーーっ ! ロボットか、お前はーーーーーーーーっ !! ) 
    私 「あ、そうそう、10分ほど前に、明日の会議に同席してほしい件、メールしたんだけど・・・ どうかな ? 予定、空いてる ? 」 
    ツヨシ 「今、メールで返しました・・・」 (今、言えやーーーーーーーーーーーっ !!! (T-T)) 

     

    “PCパチパチ” は、価値ある仕事 ?!

    もちろん、メールは非常に便利です。そのことは、否定しません。しかし、メールの “便利さ” とは、以下の場合において発揮されるのだと思うのです。 
    ・多人数に対して、連絡事項を周知徹底する場合 
    ・夜間・休日等、常識的に電話等の直接連絡に適さない時刻に、備忘の意味も含め、連絡しておきたい場合 
    ・物理的に連絡を取りにくい相手(海外支社等)に連絡したい場合 
    ・エビデンスやログ(プロセスのヒストリー)として確保しておきたい場合 
    ※上記に加え、私の場合は、相手が外国人の場合は、口頭より記述の方が確実に連絡事項が伝えられるので、メールを使ったりしています。が、これは、本来なら直接話した方がいいでしょうね・・・ 



    つまり、メールというのは、仕事の中でも、「連絡」という限られた業務において効率性を発揮する “ツール” に過ぎないのです。一方、最近の職場では、「メールをすることが仕事である」と勘違いしている輩が多い。PCに向かってパチパチとキーボードを打ってさえいれば、仕事をしていると信じている。そして、周囲もそのことを何となく認めている。結果、会社に出社して、だれとも会話せずに、PC相手にパチパチするだけで、「今日も頑張ったなぁ・・・」と自己満足をしている。ならば、会社に来なくてもいいではないですか ! 多くのビジネスパーソンにとって、会社に出社していることの “意義”、言い換えれば、会社から給料をもらう “価値” は、同僚や先輩、上司と会話し、お客様と直接コミュニケーションすることにあるはずなのに、そうなっていないわけです。 
    独身寮を復活させている企業の“危機感”とは、正にこういう点にあるのではないでしょうか。メールをはじめとして、高度に効率化されたITが、本来の仕事の“意義”や“価値”を毀損しているわけで、全く皮肉な話というしかありません。みなさんの職場ではいかがでしょうかね ? 



    さて、今回のコラムでは、中年のおっさんらしく、ステレオタイプ的に若者やITばかりを悪者にしてしまいましたが、果たして、本当にそうなのか ? おっさんは悪くないのか ? また、外資系企業では、上記の “危機感” にどのように対応しているのか ? 次回のコラムでは、そのあたりのお話をしたいと思います。 
    (次回へ続く) 

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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