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タカシの外資系物語

2011 採用面接にて・・・( その 3 )2011.07.12

アジアで仕事をするなら、外資系 ?

前回の続き) 画一化されたエントリーシート、通り一遍の優等生的な回答・・・ 極度に標準化され、コモディティと化した新卒採用面接において、タカシは学生さんの潜在能力を見抜くために、以下のような“ひねり”を加えることにしました。


(1) 学生さんが予想だにしていない質問をして、その反応を見る
(2) 学生さんから面接者(上記の場合、私)に対する質問をしてもらい、そのときの反応を見る

さて、学生さんの反応はいかに ?!


私 「エントリーシートの志望欄に、“国際的な環境で仕事をしてみたい”とあるんですが・・・」
学生さん 「はい、グローバルを相手に仕事をしたいと考えています。特に、これからの時代は“アジア”の時代だと思っています。御社のような外資系企業に所属して、アジアで活躍するというのが私の希望です ! 」
私 「確かにそうですね。でも、本当に“アジア”で仕事がしたいなら、うちなんかより、製造業だと思いますよ。それも、大企業じゃなくて、その下請けや孫請けの中堅企業。そっちに入社された方が、アジアで仕事ができる可能性は何倍も高いと思いますけど、どうです ? 」
学生さん 「中堅企業、ですか・・・」


外資系コンサルのわが社を志望する学生さんのほとんどは、海外志望です。そして、その過半は、アジアで仕事がしたいとおっしゃる。でも、本当にアジアで仕事がしたいなら、中堅の製造業の方が確実です。これホント !
多くの学生さんは、「なぜ商社ではなくて、コンサルなのか ? 」については、それなりの回答を準備しているようです。でも、「なぜ中堅の製造業ではないのか ? 」については、ほとんどの人が答えに窮します。なぜか ? それは、彼ら・彼女らがわが社を志望した最大の理由は、「大企業」「つぶれない」ということだからです。もちろん、「海外で、特にアジアで仕事がしたい」というのも、理由の 1 つなんでしょう。でもそれは、 one of reasons にすぎない。「大企業」「つぶれない」の方が、優先順位は高いのです。


学生さん 「えっと、そ、それはですね・・・(あたふた・・・)」


回答に詰まるぐらいなら、自分の思うところを正直に言った方が、好感が持てます。「大学を卒業して、最初の数年間は、経営の安定した大企業で、海外やアジアのビジネスについて勉強したいと考えています。中堅企業への就職は、スキルを付けてからでも間に合うのではないでしょうか ! 」


私なら、即合格にしますね。ただし、わが社の経営が安定しているかどうかは、何とも言えませんぜ、学生さん ! このご時世、一寸先は闇ですから・・・(自虐的ですが・・・)。

タカシが語る、コンサルの魅力とは ?

私 「あなたがこれまでに体験した中で、最も “怖かった” ことは何ですか ? 」

学生さん 「へ ? こ、怖かったこと、ですか ? 」

 

ろうそくを立てて、怪談話に興じようってんじゃないんですよ(うしろの百太郎か ! = 古っ ! )。この質問の主旨は、臨機応変に対応できるか ということと、話の展開力があるか、ということにあります。だから、「金縛りに遭ったことです」「こっくりさんをやったことです」と回答されても困る(そんなやつ、おらんか・・・)。話が広がらんでしょう、これでは・・・


「パニックに陥ったときの人間の狂気です」「某国の独裁政治のニュースを目の当たりにしたときです」・・・ このような回答をした上で、そのときに自分はどう思ったか、その出来事は自分をいかに変えたか、などを話せると Good ですね。

 

私 「じゃ、私の方からの質問はこれぐらいにして。逆に、私に対して、何か質問はありますか?」
学生さん 「タカシさんは、コンサルのどこに魅力を感じて、この仕事をされているんですか?」


この質問、非常によく聞かれます。で、私の回答は・・・


私 「しゃべるの好きなんですよ。“これで、どうだーーっ ! ”みたいなプレゼンをすることに、生きがいを感じてるんで・・・」
学生さん 「は、はぁ・・・」


しゃべるのが好き・・・ ま、事実なので仕方ない。学生さんが期待しているのは、「クライアントの成功に、黒子として立ち会うことに生きがいを感じています・・・」みたいな回答なんでしょうが、そうは問屋が卸さない ! (って、威張るような話か ! )。事実、私はプレゼン大好き、だからコンサルやってます。もうちょっと見栄えがよければ、アナウンサーとかタレント。押しが強くて、権謀術数に長けていれば、政治家でもいいかもしれません(好き放題言ってますが・・・)。ま、動機なんて、こんなもんです、実際のところは。

どうしても、答えが見つからないとき・・・ どうするか ?

こんな質問もありました。

 

学生さん 「コンサルティングの案件で、どうしても“答え”が出ないときには、どうされるんですか ? 」
こりゃ、いい質問です。というか、ほとんど毎回、そうだったりするわけですが・・・ で、私の回答。


私 「謝ります」
学生さん 「へ ? あ、謝る・・・んですか・・・ ? 」
私 「もちろん、土下座して許しを請うんじゃないですよ。 『いろいろ考えてみましたが、どうも本質をついていないような気がします。私が考えたいくつかの案について、意見をいただけませんでしょうか ? お忙しいところ、申し訳ありません。お時間をください ! 』 って、言うんです・・・」


コンサルタントは全知全能でもなければ、先生でもありません。クライアントが元来持っているはずの答えを、短期間で効率的に引き出す“ガイド”なのです。“ガイド”が悩んでいても、時間のムダ。停滞しそうになったら、頭を下げて、材料をもらう。これがコンサルの基本だと、私は考えています。
わが社を志望する学生さんの大半は、「コンサルというのは、一見華やかに見えますが、実は泥臭い仕事である」ことを、自分は理解している、と半ば自慢げに言います。でも、実際には泥臭いなんて言葉では形容できないほど、ドロドロしている。決して、カッコよくなんかない ! 

 

では、コンサルの素養として、何が必要か ? それは、決して諦めない“粘り強さ”と“人間性”だと思います。“人間性”とは、さらりと自分をさらけだす力、ちょっと下品に言えば、ケツをまくれるかどうか、人前で堂々と屁をこけるか、ということです。それは、コモディティとは対極に位置するもの。自分ならではの考えを、的確に、わかりやすく説明する力であり、わからないことは、「わからない」と言える正直さ、誠実さだと思っています。どうでしょうか、少しは参考になりましたでしょうか ? 


さて、今年のシューカツも、最終コーナー、追い込み時期だと思います。体調にだけは留意して、ありのままの自分を表現してください。よい結果が出ることを期待しています。では !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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