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タカシの外資系物語

“謎”は解けたか ? - 外資が新開発を得意とする理由 -( その 2 )2011.06.21

タカシの説明に、専務寝る ?

前回の続き)私が長年抱いてきた謎 = 「アメリカ企業では、ボス(上司)には絶対服従なので、ボスの顔色を見て、仕事をする必要がある。なので、個人が自由に発想する時間(個人が自由に使える時間)は取りにくいはず。にもかかわらず、アメリカ企業が、画期的な新商品・サービスを開発するのがうまいのは、なぜだろう ? 」について、今回のコラムでは、私なりの “種明かし” をお話したいと思います。まずは、わが社の専務(アメリカ人)に、競合の△△コンサルティング対抗戦略を説明する場面から振り返ることにいたしましょう・・・

私 「・・・えー、最近の売り上げ低下の一因として、競合である△△コンサルティングの躍進が挙げられます」


専務 「OK 」


私 「△△コンサルティングの強みは、何と言っても、“低価格” 路線にあります。△△とのコンペに打ち勝つためには、わが社も同様に “低価格” 戦略をとる必要があります」


専務 「Uh huh」


私 「ここに、わが社と△△のプロジェクトチーム構成の比較表があります。これを見ると一目瞭然ですが、同規模のプロジェクトにおいて、わが社は人数が多く、年齢層も高い。いきおい、△△よりは高いコンサルティング・フィーを要求し、コンペでの競争力が低下してしまいます」


専務 「・・・」


私 「わが社が “低価格” 戦略をとるために必要なことは、まず・・・」


専務 「Zzzz・・・」


ね、寝るなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!(T-T) ハァハァハァ・・・


専務 「はっきり言って、お前の話は面白くないな ! 」


私 「へ ? (T-T)(T-T)」


専務 「価格を下げてでも守らねばならない部分は、収益が確保できるレベルにおいて、どうぞ、その戦略でやればいいさ。それよりも・・・」


私 「それよりも ? 」


専務 「新しいこと、わが社にしかできないこと、突き抜けた Value (価値)を提供することで、△△に勝とうとは思わんのか、お前は !? 」


ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!

外資系のボスが共通して要求する内容とは ?

突き抜けた Value (価値)って、あんた・・・それがわかりゃ苦労しないっての・・・。というわけで、専務へのプレゼンは「出直し」となりました(こういうのを、わが社では come back ! といいます。語感はかっちょいいのですが、実態は全くかっこよくない・・・(T-T))。

 

さて、この話を、コラムのテーマに即して考えてみましょう。アメリカ人の専務は、私に何と言ったか ? 


彼は、「新しいこと、わが社にしかできないこと、突き抜けた Value (価値)」がなければ、意味がないと言ったのです。実は、この something new (何か新しいこと)、unique & distinguished value (独自の突き抜けた価値)というのは、外資系企業のボスが共通して口にする内容です。彼ら(彼女ら)は、この 2 つを満たしていなければ、認めてくれない。他者(他社)と同じことをしていても、それを仕事とは認めてくれないのです。これまでと同じこと、他社のマネをしても、永久に come back ! の憂き目に遭うだけなのです。


以上のことから、私が冒頭に問題提起した“謎”に対する “種明かし” は、以下の通りではないかと思うのです。


・アメリカ企業では、ボス(上司)には絶対服従なので、ボスの顔色を見て、仕事をする必要がある。
・なので、個人が自由に発想する時間(個人が自由に使える時間)は取りにくいはず。
・加えて、ボスは常に、something new (何か新しいこと)、unique & distinguished value (独自の突き抜けた価値)を社員に要求するので、社員は必死でそれに応えなければならない。
・よって、アメリカ企業は、画期的な新商品・新サービスを開発するのがうまいのである。


つまり、言い方を変えると、「アメリカ企業のスタッフは、ボスにプレッシャーを与えられるために、無理やり、新商品・サービスを開発している」 ということ。ま、これは極論かもしれませんが、私としては、こちらの方が感覚的に頷けるんですよねぇ。

アメリカ人は、ノイローゼ ?

アメリカ人(特に、ホワイトカラー)と接していると、何か新しいこと、突き抜けた価値を提供し続けなければ、自分がダメになってしまうんじゃないか・・・、という恐怖心に煽られているような感じを受けるときがあります。みんなと同じことは罪である、自分はオンリー 1 であり、同時にナンバー 1 でもある・・・ ノイローゼ的に、そう信じ込んでいる感じ。

 

新大陸を発見し、それを開拓し、世界のリーダーになってきたアメリカ。その歴史的背景を見れば、ヒステリックに something new を追い求める、彼ら(彼女ら)の “性(サガ)” のようなものも理解できます。自由な国とは言いながら、なんか、可愛そうな感じもします。


しかし、これは対岸の火事ではなくて、最近、日本の若者にも、みんなと同じことは罪である、something new、unique & distinguished valueにこだわり過ぎるきらいがあるように思います。 1 年ともたずに転職を繰り返したり、ひところ流行った「自分さがし」に走ったりしてしまうのも、この延長戦上にある。


これは私見ですが、特に若いうちは、みんなと同じ仕事をする中で、自分なりのsomething new、unique & distinguished value を見つけた方がいい。「だれよりも正確に、速く処理ができる」「お客様に評判のいい応対をする」 ・・・ いくらでも、自分の価値を提供する機会はあるはずです。
そのうち、会社の枠におさまり切らなくなったら、転職でも、起業でも、なんでもすればいい。でもそれって、 2 年や 3 年ではやってこないと思います。


みんなが「アメリカ人化」する必要なんてない。ゆっくり、自分の価値を磨いていきましょう ! これが、私からのアドバイスです。私自身、まだまだ自分の価値を磨き切れていませんからね、もう少し、わが社の専務にシゴいてもらうとしましょうか・・・ では! 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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