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タカシの外資系物語

大震災に思う・・・2011.04.05

Our thoughts are with Japan !

東北地方太平洋沖地震から、3週間が経過しました。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、皆様の一日も早い安全、安心の確保と被災地の復旧を心より祈念申し上げます。


震災があった翌週、US本社のJimから、以下のようなメールが届きました。
I am saddened by the devastation of the earthquake and tsunami, and concerned about the nuclear plant situation. I hope you and your family are OK.. I was also wondering if you have been in contact with XX Bank executives, staffs, and how things are there. Please take care - our thoughts are with Japan・・・


Jimは日本支社のNo.3(専務クラス)をつとめた後、ニューヨークのUS本社役員として帰任しました。奥さんが日本人で、本人も日本語がペラペラということもあり、大の日本びいき。今回の震災には、本当にショックを受けたようです。


文面にある “XX Bank” というのは、私が担当していた東北地方の金融機関のことを指しています。3年前のことですが、この金融機関の某常務のはからいで、Jimと私は地元の温泉旅館にご招待いただいたことがありました。Jimが日本を離れる際、「日本での思い出ベスト5」として、この温泉に行ったことを挙げていたので、今回の震災でも、真っ先にXX Bankのことが気になったのだと思います。


さて、“XX Bank” について。震災後、私も何度か連絡を試みたのですが、しばらくは連絡をとることはできませんでした。と、震災から1週間を経過したとき、某部長から、次のような携帯メールが来ました。


何度もお電話いただきありがとうございます。関係者は、何とか無事です。連日遅くまで、災害対応に追われています・・・


ご無事とのことで、ひとまずは安心。それから1週間後、高速道路が一般にも解禁になったのを機に、弊社のメンバーとともに、車でXX Bankに向かいました。ほとんどお時間はいただけませんでしたが、ダンボール数箱のウェットティッシュとタオルを差し入れし、東京に戻りました。新幹線が復旧した段階で、また伺いたいと思います。

東京の夜は電気のムダ使い ?!

 

「計画停電」が始まって、数週間が経過しました。停電時間以外でも、オフィスの電灯は3分の1程度しかついておらず、エレベーターも半分は止まっています。夜の街から、ネオンも消えました。「被災地で困っているみなさんのことを思えば、多少の不便は我慢できる・・・」ということなのですが、と、その前に!  今の状態って、本当に “不便” なのでしょうか? もちろん、病院などで必要とされる治療が制限されるようなことは、避けなければなりません。でも、それ以外の大多数を占める一般人(私を含む)にとって、多少の電力不足が、即不便だといえるのか?


今をさかのぼること20年ほど前、当時日本の銀行に勤めていた私は、海外経験10年以上のある先輩と食事をする機会がありました。その先輩、典型的なsnobで、おまけに、欧米かぶれの輩。その日も、食事場所として、超高層ビル最上階のフレンチレストランを指定してきました。なんの因果で、こんな暑苦しいおっさんと2人っきりで、夜景見ながら食事せにゃならんのか・・・(T-T)


その先輩、席に着くなり、窓の外の夜景を眺めて、一言・・・


「東京の夜は、やけに白いな・・・」


なんやねん、それ! どう、反応したらええねん!! 後ろから、思いっきり頭をはたいてやろうと思ったものです、そのときは・・・。 で、数年後、私も一言・・・


「確かに・・・ 東京の夜は、やけに白いな・・・」     ぱしっ!(頭をはたかれた音) 


ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、アトランタ、ロンドン、シンガポール、クアラルンプール、香港、上海・・・  仕事で多くの海外主要都市に行きましたが、間違いなく、これだけは言える。 東京の夜は、白い! 銀行員時代のsnobな先輩の言っていたことは本当だったのです。東京以外の都市は、もう少し、ぼんやり黄色い印象なんですよね。これって、電灯の“色”の違いもあるのでしょうが、そもそも、東京の夜って、明るすぎる(これまで、明るすぎた)のだと思うんです。恐らく、もっと暗くても、ほとんど問題ないはず・・・。


電車の本数が間引かれたり、時間通りに来なかったりしても、「そんなもんだ」と思えば、大したことはない。ロンドンなんて、朝のラッシュ時に、平気で20分ぐらい遅れたりするのが、ザラです。常に全開、常に完璧な時間管理・・・ これまで日本人が要求してきたものの基準を、ほんの少し緩めれば、もっともっと、エネルギーを節約することができるように思います。

タカシができること

苦難に直面している人に対して、「頑張れ!」と声をかけることはたやすいこと。でも、被災地のみなさんは、それこそ生死の境をさまよう状況で、これ以上頑張れないくらいに、頑張ってきた人々・・・。だから、もうこれ以上頑張らなくてもいいように、われわれが頑張って、被災地のみなさんを元気付けなければなりません。「頑張れ・・・」の主語は、被災地以外のわれわれだ! という自覚が必要です。

 

実は、地震後しばらくの間、私はこのコラムで何を書けばいいのか、非常に悩んでいました。言いたいことはたくさんあるのに、それを言葉にできない・・・ 何を書いても、何の役にも立たない・・・ 


私ができること、それは、できる範囲での被災地支援と自分の役割を全うすること、これ以外にありません。具体的には、「コラムの原稿料の一部を、義援金として寄付すること(大きな金額ではありませんが・・・)」 「できる限りの省エネに努めること」 「これまで通り、ユーモアとペーソスを交えて、コラムを書き続けること」 そして 「日本を活性化するために、頑張ること」。


来週から、いつものコラムに戻ります。みなさん、引き続き、よろしくお願いしますね! 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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