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タカシの外資系物語

タカシ、ホテルを語る (その 3 ) - 迷子で保護される ?! -2010.10.19

あちらを立てれば、こちらが立たず・・・

前回の続き) タカシが海外のホテルで体験した面白エピソードを語る第 3 回目。今回は、あやうく迷子で保護されかかったお話をいたしましょう。「えっ ! まさか、大の大人が “迷子で保護” って・・・ ? 」 いやぁ、そのまさかが現実に起こったんですねぇ、これが。さて、どんな顛末になりますやら・・・


「いやぁー、やっぱり金融の中心は、ロンドンのシティだよねーー!」
初めての本格的な海外出張であるロンドン。これから、半年間のプロジェクトが始まります。途中で 2 回ほど日本に戻る計画だったものの、半年間の滞在はやはり長い! 期待と不安に胸を躍らせながら、ロンドンの金融街であるシティを歩いたことが、まるで昨日のことのように思い出されます。


さて、肝心のホテルは・・・ 最初に泊まったホテルは、確か “リンカーンなんちゃら” というホテルだったように思います。ロンドンオフィスの同僚に予約してもらったのですが、確かにサービス・質とも申し分なし。仕事から帰ってきたら、テーブルに新鮮なフルーツと水が毎日置いてあるし、田舎ものの私にとっては、夢のようなホテルでした。シティの近郊にあって、治安もいい。し、しかし、いかんともしがたい欠点が・・・ それは、「料金が高い!」のです。日本円で 1 泊 2 万円以上でしたから、半年間も滞在していたら、プロジェクトのコストが吹っ飛んでしまいます。


ということで、そのホテルは 1 週間で引き払い、次のホテルを探すことになりました。「治安がいい」「安価である」「できれば、日本語が通じる」という条件で、ロンドンオフィスのAdministrative Section(庶務課みたいなところ)に探してもらうことにしました。


さてさて、次に移ったホテルは・・・ 確か “なんちゃらステイホテル” という名前だったように思います。えっ ? ホテルの名前ぐらい覚えろって ? いやぁ、そうなんですよね・・・ 実は私、極度の方向音痴 プラス 極度のもの覚えの悪さ。実は、これがあとあと、大変な事態を引き起こすわけですが・・・


その「なんちゃらステイホテル」、それなりに居心地は良かったんですよ、日本語も通じるし。日本の大手企業からも長期出張で来ている人が数名いましたから、日本でも知る人ぞ知るホテルなんでしょう。し、しかし、ここにも欠点が・・・ それは、「都心から遠い ! 」のです。クライアント先であるシティまで、電車で 1 時間以上、しかも、ロンドンの電車は 30 分ぐらいなら平気で遅れますから、ホテルを 7 時前に出ないと安心できないわけです。いくらなんでも、これは勘弁してほしいということで、結局、このホテルも 1 週間で引き払うことにしたのです。

おすすめは、“Flat Hotel” ?

滞在 2 週間で、だいたいの勘所は押さえました。要は、都心に近くて居心地のいいところは料金が高く、日本語が通じるところは遠すぎる。こうなったら、「居心地」「日本語」というわがままは捨て、「都心に近い」「安い」を優先するしかありません。

 

ロンドンオフィス・庶務課のおねーさん 「それなら、フラット(Flat)がいいんじゃない ? 」
私 「フラット ? 」
庶務課のおねーさん 「じゃ、私の方で予約して、連絡先と地図をFAXで送るわね ! あ、それと、“手続(procedure)” がちょっとややこしいから、できれば金曜の夕方までに行ってちょうだい。金曜中なら、私がサポートできるから。じゃねー ! 」
私 「Uh・・・OK・・・ (“手続”って、なんやねん。たかが、ホテルのチェックインだろ ? 大げさな・・・)」


ここで私は、いくつかの重大なミスを犯してしまいます。まず、ホテルの名前が、「フラット(Flat)」だと思い込んじゃったんですね。フラット(Flat)というのは、日本のアパートみたいなもんでして、この場合は、ウィークリーマンションだと思っていただければいいと思います。いずれにしても、私は、「今度のホテルは、“Flat Hotel” という名前なんだな・・・」と思い込んだしまったわけです。


次に、“手続(procedure)”の意味を理解しなかったことは致命的でした。要するに、ウィークリーマンションを長期で契約するわけですから、どこか別の場所にある管理会社か不動産会社に行って、契約行為をする必要があったのです。そう考えると、「金曜中なら、私がサポートできるから」と言ってくれた庶務課のおねーさんは、超・気が利く配慮をしてくれたわけですが、ハナからホテルだと思い込んでいた私には、その配慮など知る由もなかったというわけです。


読者のみなさんの予想通り( ? )、私は庶務課のおねーさんの言いつけを守らずに、金曜日は仕事に邁進してしまいました。そして、土曜の昼ごろ、“なんちゃらステイホテル” をチェックアウトして、“Flat hotel” に向けて出発したのです。

究極の “ホスピタリティ”

「おかしいなぁ・・・ “Flat hotel” どころか、ホテルの“ホ”の字も見つからんぞ・・・(T-T)」

私は地図を頼りに、“Flat hotel” を探しまくりました。道行く人にも尋ねましたが、「“Flat hotel” ? なんじゃそれ ? 」 といった反応ばかり。そりゃそうでしょう。そんなホテル、存在しないんですから。


上述の通り、私は極度の方向音痴です。「通りを 1 本間違えてるんじゃないか・・・ いやいやそんなことはないはず・・・」。 日本を発つ際に、同僚からもらった方位磁石のキーホルダー(私が方向音痴なので、お守り代わりにくれたのです ! )を眺めながら、「ロンドンの地図は上が北じゃないんじゃないか・・・」 まさかなぁ、などとウロウロしていました。わしゃ、ボーイスカウトか !


そうこうしているうちに、土砂降りの雨が降ってきました。みるみるうちに、ズブ濡れになった私。加えて、巨大なスーツケースを転がしながら大荷物を持っていたもので、疲労困憊の極致。どうにもこうにも動けません。この 2 週間の出張疲れも出て、私はとうとう、ある写真屋の店先にへたりこんでしまいました。


「Hey, Boy ! What’s happen ? 」
「Wh・・・ where is “Flat hotel” ・・・ ? 」
店先にへたりこむ私を見て、写真屋のおやじさんが、出てきました。 (ここから日本語で)
写真屋のおやじ 「一体どうしたんだ? ズブ濡れじゃないか ?! 」
私 「Uhhhhh・・・ “Flat hotel” ・・・ Help・・・」
写真屋のおやじ 「迷子か ? それとも・・・ まさか、おまえ、家出してきたんじゃ・・・ 警察を呼ぶぞ ! 」
どんな解釈やねんっ ! と、吉本仕込みの右手で突っ込みたくなったのですが、その元気すらありません・・・(T-T)(T-T)


写真屋のおやじ 「とりあえず、店の中に入って、温かいものでも飲め ! このままじゃ、風邪をひくぞ !」


そのおやじさん、店のソファに私を座らせて、毛布をかけて、温かいミルクを持ってきてくれました。なんちゅう、おもてなし ! ホスピタリティ ! 世界ウルルン滞在記もびっくりです。
しばらくして、落ち着いた私は、おやじさんに事情を話しました。正直なところ、「ア、アホか、こいつ・・・」という目で見られましたが・・・


写真屋のおやじ 「わかった、店の電話を使っていいから、その不動産屋に電話しろ。もう少し休んでいっていいからな ! 」
お、おやじーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!(T-T)(T-T)(T-T)


・・・ま、そんなこんなで、無事、不動産屋に連絡して、事なきを得たというわけです(得とらんわーーーーーーーーーっ! 大騒ぎやないかーーーーーーーーーーーーっ!)


さてさて、いかがでしたでしょうか ? え ? 何の参考にもならん、って ? いやぁ、それを言われるとつらい・・・ あ、そうそう、写真屋のおやじさん、Robertさんと言うんですが、実は今でも連絡を取り合っています。旅に出ると、素敵な出会いがあるもんです(と、ごまかす)。みなさんも是非、ホテルを通じた素敵な出会いを堪能してみてください(なんのこっちゃ ! ) では!

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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