グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

タカシの外資系物語

VIVA ! EXPO ! ( その 3 )2008.12.09

みんな、顔が暗いぞ!

前回の続き) 今回の展覧会、会場を見渡してみて気付くのは、 「展示ブースに空きが多い」 ということです。会場は、日本でいえば 「東京ビッグサイト」 や有楽町の 「東京国際フォーラム」 をやや広くしたイメージなのですが、ポッカリとした空間がやたら目立ちます。一般的に、この手の展覧会というのは、「20 ㎡ を 3 日間通しで ! 」といった感じで、会場を「時間貸し」するのが通例です。空間があるということは、主催者側の見込みを下回る会社数しか出展しなかったということを意味しているわけで、ここにもアメリカの深刻な不景気ぶりを見てとれます。おー、寒い !

 

実は、それ以上に私が気になったのは、参加者の顔が一様に暗い ! これは、出展者もクライアントも同様です。アメリカ人が開催する EXPO というのは、「お祭り」のような様相を呈するのが通常なんです。具体的には・・・

 

(1) 出展社側の参加者自らが、クライアントそっちのけでEXPOを堪能する。夕方以降は、ビール・ワインなど、飲みまくり !  飲めや歌えの大騒ぎ !
(2)超豪華景品 (車とか旅行とか) が当たる、抽選会を各社が催す。抽選対象は、出展者ブースに会社名と名前を書いた人 (=名刺渡した人)。

 

・・・といった感じで、「この人たち、本当に売る気あるのか ? 」と心配になるほどです。一方、日本で開催される EXPO は、非常に営業色が強いのが特徴です。「お客様、いかがでしょうか ? わが社のソリューションは・・・」「このシステムはお客様の悩みをきっと解決してくれるでしょう・・・」等々。 ブースの横を歩いているだけで腕を引き込まれ、「お名刺を頂戴できますでしょうか?」攻撃にさらされます。ゆっくり見学もできやしない !

 

その点、アメリカの EXPO はこちらが声をかけるまでは放置してくれるので、英語の苦手な私は、非常に気楽に見学を楽しめるので気に入っていたのですが・・・ が ! 今回のように、ここまで放置されると、かえって薄気味悪いわーっ ! みんな、顔が暗いわーっ ! もっと威勢良く、呼び込みしてくれやーっ ! こっちは遠路はるばる来とんねんどーーっ !  (T-T)ハァハァハァ・・・

 

抽選会の賞品もショボい ! ほとんどのブースは、ボールペンなど出展社のノベルティ・グッズが中心でした。「そんなもん、いらん!」とは言いませんが、名刺を渡して、10 分程度の「英語セールス攻撃」に見合うほどのものではありません。ここでもやっぱり、寒い状況は変わらんなぁ、という感じでした。

B to B って、何?

前回のコラムでも述べましたが、どのブースでも「CHANGE ! 」という文字が躍っていました。ま、大統領選直後の、「旬ワード」なのでしょう。では一体、何を、どのように「CHANGE ! 」するのか ? 私は、ひときわ「CHANGE ! 」の文字を掲げていたブースで、出展社の担当者に聞いてみることにしました。

 

担当者 「お ! 東京から来たのかい ? それとも、チャイナ ?」
やっぱり私は西洋人には見えないようで・・・ (当たり前か・・・)

 

私 「東京だよ・・・ ところで、ブースの看板に 『CHANGE !』 って書いてあるけど、何が「CHANGE !」 なんだい ? 」
担当者 「「CHANGE ! 」っていうのはね、原点に戻る (Back to Basics) ってこと・・・」
私 「Back to Basics ? 」
担当者 「銀行は銀行らしく、証券会社は証券会社らしく、現業を重視しなおそうってことさ ! 」

 

何のことはない、銀行でいえば、デリバティブなどといった、どちらかというと本業ではない派生業務に走りすぎたことを反省し、「お金を預かって、融資をする」という銀行本来の業務に帰ろう、と言っているわけです。

 

これは、金融業界に限ったことではありません。例えば、経営の窮状が伝えられているアメリカの 「ビッグスリー」( 3大自動車メーカー) も同じことがいえます。一時は本業以外の金融業務 (自動車ローンなどを扱う関連会社。GM なら、GMAC という金融子会社がある) が、グループ全体の収益の半分以上を稼ぎ出していました。しかし、これはどう考えても 「異常」 です。自動車会社が 「ものづくり」 を忘れ、派生業務で発展するということ自体が、やはりおかしいのです。

 

実は、オバマ次期大統領の 『CHANGE !』 というメッセージも、本質は 「Back to Basics」 を意図しているような気がします。「労働を忘れ、借金漬けで手に入れた贅沢なんておかしい ! 」「濡れ手に粟の金融取引で一儲けなんておかしい ! 」「自国を棚に上げて、軍事力で他国を押さえつけるなんておかしい ! 」 「古きよき、アメリカの精神=原点 を取り戻せ ! 」 ・・・ と、言いたいのではないでしょうかね。

 

あと、これは余談なのですが、アメリカでは 「Back to Basics」 のことを略して、「B to B」 というそうです。日本で 「B to B」 といえば、主にネット上での企業間取引 (Business to Business) を指すのですが、アメリカでは、「Back to Basics」 を指すほうが一般的なようです。

アメリカの属国、全員半べその巻

さて、今回のEXPO参加、 得るものがほとんどなかったようでいて、実は、アメリカの現状を理解するうえでは、絶好の機会となりました。 「Back to Basics」 というのは、アメリカだけに当てはまることではありません。いや、われわれが住む日本こそ、「Back to Basics」 の精神で物事を見直す時期なのかもしれません。

 

帰りの飛行機は、「オーランド→シカゴ」 (United航空)、「シカゴ→成田」 (日本航空) という行程でして、シカゴでトランジット (乗り換え) となります。実は私、乗り換えが大の苦手なのです。今でこそ東京の鉄道にも慣れましたが、東京に出てきた当初はひどいもんでした。JR は山手線しか知らなかったもんですから、東京から新宿に行くのに、いつも山手線でぐるっと回っていたもんです (中央線を使えば、1/3ぐらいの時間で着く) 。また、「千歳烏山」 に行くつもりが、 「馬喰横山」 に行ってしまったこともあります(ローカルな話ですみません。東京の人だけ笑ってください・・・)。

 

今回のトランジット、UnitedからJALへの乗り換えというのが、かなり曲者なのです。いまや航空会社というのは、 「アライアンス」 と呼ばれるグループを組んでいます。日本でいえば、JALなら 「One World」、 ANA なら 「Star Alliance」 という具合に仲間を作り、お互いのマイレージ・ポイントを融通したり、共同便を運航したりしています。同じアライアンス同士なら、ターミナルも同じだったりします。で、細かい話で恐縮なんですが、United航空は 「Star Alliance」 なんですね、これが !  だから、United → ANA というのは簡単に乗り換えができるのですが、United → JALというのは、使っているターミナルが全く違ったりして、乗り換えが難しいんですよ !

 

案の定、オーランドから乗り込んだ日本人客 (私以外全員。ほとんどは新婚旅行と思われるカップル ! ) は、シカゴでANAに乗り換えていました。JALは私一人です ! それに輪をかけて、シカゴ空港っちゅうのは、案内がわかりにくい ! JALどこやねーーーーーーん ! わからんわーーーーーっ! (T-T)(T-T)(T-T)

 

ターミナルを半べそでうろうろしていると、私と同じように半べそで走り回っているアジア人がいるではありませんか ! と、その横にもアラブ系の人が半べそで走っています。
私 「どこの航空会社ですか ? (T-T)」
アジア人 「キャセイ・パシフィック!(T-T)」 → 香港の人なのでしょう
アラブ系の人 「俺は、ロイヤル・ヨルダン航空!(T-T)」 → ヨルダン人なのでしょう

 

偶然にも、全員が JAL と同じ 「One World」 組でした。ターミナルも同じようです。
「よし、みんなで一緒に行きましょう!」
日本人、香港人、ヨルダン人のいい大人連中が、半べそで走り回っているというのもいかがなもんか・・・ そういえば、今回の金融危機でも、アメリカの株式相場以上に株価が下落したのは、経済的にアメリカに従属しているわれわれの国でしたっけ ? 「アメリカで、日本と香港とヨルダンが泣く ! 」 なんか、象徴的で笑っちゃいますね。オバマさん、何とかよろしくお願いしますよ、ホントに・・・、と、オバマ次期大統領の地元シカゴで思った次第です。お後がよろしいようで !

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

ご意見・ご感想フォーム

合わせて読みたい

---