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タカシの外資系物語

Happy Wedding!2008.10.07

主賓タカシは「若い」のか ?

「ただ今ご紹介に預かりました、○○コンサルティングの奈良タカシでございます。まことに僭越ではございますが、ご列席の皆様を代表いたしまして、一言お祝いの言葉を述べさせていただきます … 」

 

私は今、都内のある結婚式場にて、祝辞を述べています。今日は会社のチームメンバー ( つまり、私の部下 ) の結婚式。新郎 A 君も新婦 S さんも、本当に幸せいっぱいの表情です。

 

実はここ 2 年ほど、結婚式への出席ラッシュが続いています。特に今年の秋は大漁 ( ? ) でして、今回で 4 組目の出席。それも、すべて「主賓」か「乾杯の挨拶」の大役を仰せつかっており、週末毎に緊張する日々を送っています。

 

結婚式ラッシュを迎えているのには原因がありまして、現在私のチームには 30 歳前後の「アラウンド 30 」が 20 名以上在籍しています。彼ら ( 彼女ら ) の殆どは、ここ 2 年以内の転職組で、「新しい会社にも慣れたし、そろそろ結婚でも … 」というカップルが多数いるというわけです。

 

さて、主賓の挨拶というのは、結婚式の冒頭、それもかなり緊張する場面で実施する事になります。ま、元来私はあまり緊張しない性格で、かつ人前で話すのはコンサルの本業みたいなところもあるので、おそらく一般の方よりは平然とこなしているように思います。しかし、もう一方の主賓の方を見ていると、いつもかなり緊張をされている模様。5 秒に 1 回ぐらい水を飲まれていて、「ああ、かわいそうに … 頑張ってくださいね ! 」と声をかけたくなります。

 

また、大抵の場合は、私よりも一回り程度年齢の高い方が主賓である場合が多く、その点でも気を遣います。主賓同士というのは、最前列の同じテーブルで、隣同士に座るのが定番ですので、式場に入って座席につく際、軽く会釈をしながらも、「こいつ、主賓のわりに、えらい若造やないか … 」という痛い視線を浴びる事が多々あります。ま、私 ( 40 歳 ) とて、会社の中ではそんなに若いわけではないのですが、その方の基準からすると、かなり若い主賓である事は間違いありません。この事は、単に社員の平均年齢が高い、低いという事ではなく、会社の構造そのものに依存しています。

日系と外資における「主賓」の位置付け

一般に、外資というのは、組織の階層 ( = ピラミッド構造 ) が極めて少なく構成されています。私の会社の場合は、
新郎 A 君 ( スタッフ ) - 私 ( マネージャー ) - 役員 ( 外国人 ) - 社長
と 4 階層で終わりです。新郎の A 君としても、主賓は自分のレポートラインから選んでいるのでしょうから、私を飛び越えて役員にお願いするというのもおかしいわけで、となると、やはり私しかいないわけです。

 

また、年齢構成もまちまちで、40 代のスタッフもいれば、30 代の役員もいますので、レポートラインによっては、役割が上がるにつれて、年齢が下がっていくようなケースもあります。そういう意味でいうと、私のラインは、社内でも典型的な年齢構成になっており、主賓が 40 歳のタカシになるというのは、かなり妥当なところです。

 

一方、一般の日系企業において、ヒラ社員から数えて 4 階層で社長まで到達する会社というのは、ほとんどないように思います。通常は、
社員-主任-係長-課長-次長-部長-役員-( さらに上の ) 役員-社長
てな感じだと思います。社員が結婚した場合に招待される主賓は、この階層でいうと、部長が選ばれる事が多いので、年齢的にも 50 歳前後という方が多くなります。つまり、両者は単純比較できない構造なわけで、私が若造なのも仕方ない。日系企業の基準で私が主賓なら、「若いのに大したもんだ … 」となるのでしょうが、そういうわけでもないのです。

 

「… お二人の末永いお幸せを祈っております。以上で、私のお祝いの言葉とさせていただきます。ありがとうございました ! 」パチパチパチ !

 

ホッ ! やっと終わりました。私のスピーチは、半分ぐらい事前に原稿を用意しているのですが、残り半分はアドリブで話します。その方が面白いスピーチができるし、かえって緊張もしないので。本日も、つい数日前に新郎の A 君と交わした会話を盛り込んで話したら、結構ウケました。ヒヒヒ、大成功です。

日系企業=「家族」、外資系=?

さて、スピーチも終わったし、あとはみなさんの出し物と料理を楽しむだけです。主賓の挨拶の後は、乾杯をして、友人代表の挨拶、新郎・新婦のお色直し、キャンドルサービス、各種余興 … と、式は粛々と進んでいきます。

 

「ウォーーーーーーー ( 号泣 )、泣けるやないかぁーーー !」私も娘が生まれてからというもの、非常に涙もろくなりました。特に、最後の「新婦からご両親への挨拶」で、新婦がお父さんに手紙を読む場面では、涙なくしては聞いていられません。私の娘はまだ 1 歳にもなりませんが、将来、「お父さん、今まで本当にありがとう … 」なんて言われたら、その場で失神するか、意識があれば切腹してしまうかもしれません。本日のお父様も同じ気持ちでしょう。お察しいたします …(T-T)

 

さて、最近多くの結婚式に出席していて、気付いた事があります。それは、「日系企業と外資系企業の両社を経験している場合、日系企業時代の繋がりの方が、より Wet で強固である」という事です。私が式に出席するメンバーの多くは、日系企業からの転職組です。在籍年数も転職前の方が長い人が大半なので、その分繋がりが強固になるのは当然なのですが、その点を差っ引いても、日系企業の繋がりの方が明らかに強く Wet です。

 

これは私にも当てはまります。私は社会人になって 18 年、うち 7 年が日系企業で、残り 11 年が外資系企業です。しかし、人との関係で見れば、7 年間過ごした日系企業の方が明らかに強い。もちろん、外資系に入ってからも多くの人と知り合って、それなりに苦労して仕事はしてきたつもりです。でも、結婚式のような場面で、肩を抱き合って涙を流せるような関係にはなりえていません。

 

この事からわかるのは、やはり日系企業というのは、「家族的な意識」が強いのだという事でしょう。日系企業では、先輩や後輩は兄弟同然であり、上司は親みたいな意識が芽生えます。一方、外資では、仕事上のパートナーであっても、そこには一線が引かれているような気がします。

 

どちらがいいとか悪いとかの問題ではないのですが、1 つ言えるのは、外資しか経験していない人は、日系のこの感覚は味わいにくいと思います。「会社は仕事の場」として割り切るのは、それはそれで結構ですが、他人と家族のような関係を構築できる日系の良さもあるわけで、この点は日本にいる外資系企業も取り入れるべきではないでしょうかね。

 

「タカシさん、ちょっとお話が … 」
メンバーの O 君が神妙な顔つきでやってきました。

 

私 「どうしたの ? ( まさか辞めるなんて言うなよ、おい …(T-T))」
O 君 「実は結婚する事になりまして、ついては式に出席いただきたいと …」

 

すでに、来春の予定まで入っています。この調子でいくと、来年も結婚ラッシュは続きそうです。私のご祝儀支出も … 、か、かなりの金額 … (T-T) ま、めでたい話ですから、それは言わない事にいたしましょう。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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