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タカシの外資系物語

タカシ流 スキル UP の方法 ( その 2 )2008.06.30

モンスター・スタッフ A くん

( 前回の続き ) 分析力やプレゼン能力、ファシリテーション能力など、コンサルタントとしてのスキルを身につけたいという若手スタッフ A くんに対し、私は「そんなもん、プロジェクトを通じて身につくだろ ? 」と言いました。ところが A くんは、「自然に身に付いていくんじゃ、遅い。もっと効率よく、スピーディに身に付けたい … 」と言っています。

 

私 「そんな、夢みたいな方法あるのか ? 」

A くん 「だから、必要最低限の研修を効果的に受講しつつ、カリスマ PM のプロジェクトに入って、その人から PM としてのエッセンスを効率的に教えてもらいながら … 」

私 「あ、あのなぁ … 」

A くん 「タカシさんは上司なんだから、私に対してそういう段取りをする責任があるんじゃないですか ? 」

い、いかん、いかん … このままでは、A くんのペースに巻き込まれてしまう … 話の矛先を変えねば …

 

私 「ちょ、ちょっと待て、落ち着け、な ? つまり、君はカリスマ PM になりたいんだな ? 」

A くん 「いや、最終的にはベンチャーを起業したいと思っています。コンサル会社に入ったのは、企業経営を勉強するためで、そのためには、プロジェクトの PM の方が、より経営者に近いところで仕事ができるので … 」

私 「じゃ、会社辞めて、ベンチャー企業に転職した方がいいんじゃないの ? 」

A くん 「何言ってんですか ! スキルもないのにベンチャーなんかに飛び込んで、失敗したら困るでしょ ? 自分に自信が持てるまでは、安定した職場にいたいんですよ、私は … 」

こりゃ、話にならんな … (T-T)
一見すると、なんか筋が通ってそうな議論なのですが、実はメチャクチャです。最近、この手の「メチャクチャな議論を、さも正論のように自信を持って話す」若者が非常に多い。いわば、「モンスター・スタッフ」ですな。では、A くんの議論は、一体どこがおかしいのでしょうか ?

「ナンチャラ仕事術」 の功罪

1つお断りしておくと、A くんの議論は、論理として破綻しているわけではありません。社内のリソースを最大限に活用して、自分が目指すもの ( カリスマ PM → ベンチャー経営者 ) になろうとしていること自体、間違ってはいません。

 

では、どこがしっくりこないのか ? 一言でいうと、「甘い ! 」ということでしょうか。もう少しわかりやすく言うと、「自分はリスクをとらずに、都合よくスキルを獲得しようとしているので、なんかムカツク ! 」という感じでしょうか。

 

スキル、スキルという「モンスター・スタッフ」の多くは、たいていこのパターンに当てはまります。自分は何も痛い目に遭わずに、スキルがつかないのは上司のせいにする。そのわりに、夢は大きい …

 

世の中は上手くできているもんでして、「リスク と リターン」 または 「頑張り と リターン」というのは、間違いなく相関関係にあります。自分の目標を達成するために、何を犠牲にする覚悟があるのか、それなしに多くのリターンを要求するのはムシが良すぎるといえます。

 

最近、「楽してナンチャラ仕事術」 とか、「自分を検索エンジン化する」 みたいなタイトルの本が、よく売れています。私もこれらの本を読みましたが、これはこれで極めて正しいことを言っている。しかし、若手スタッフの一部には、この手の本が、上記の「頑張り と リターン」 の 「頑張り」をなくして近道する方法だと勘違いしている輩がいます。全然違うわい !

 

そもそも、この手の本を書いている著者自身が、どれだけのリスクをかけて、死ぬほど頑張って、現在のリターンを得たのか考えてみるといいと思います。どの本の著者も、ある日いきなり宝くじが当たるように成功を成し遂げたわけではありません。それこそ、普通の人なら倒れてしまうほど頑張った結果として、今があるのです。「私 ( 本の著者 ) みたいに頑張ったら、多くの人は倒れてしまうので、倒れない程度で済む頑張り方を教えてあげましょう ! 」というのが、この手の本の主旨です。「頑張らずに済む方法」なのではなくて、「死ぬほど頑張るんだけれども、倒れずに済む方法」が書いてあるのだと思わねばなりません。他人より抜きん出ようとするからには、どんな方法をとろうが、リスクをとって頑張る覚悟が必要だということです。

A くんは PM を引き受けるのか ?

タカシ 「A くんさぁ … まさか、楽してカリスマ PM やベンチャー経営者になろうとしてるんじゃないだろうね ? 人並み以上に頑張る気はあるよな ? 」

A くん 「見損なわないでください。それなりの覚悟はありますよ … んったくぅ … タカシさんじゃないんだから、プンプン ( 怒 ! )」

タカシ 「( タカシさんじゃないんだから … って、どういうことやねん )…」

さて、スキルを身につける前提として、リスクをとって頑張る覚悟ができたとします。ここまでは精神論の話、いよいよ、「スキル UP の方法」に入っていきましょう。

 

まず、私の経験則から、スキルについては次のことが言えると思っています。それは、「スキルとは、自分が極限まで追い詰められたときに、爆発的に身につく」 ということです。以前、英語に関するコラムでもお話しましたが、お遊びでチャラチャラした英会話をしていても、「スキル向上」はほとんど望めません ( 「スキル維持」なら可能ですが )。一方、自分の英語力 1 つで商談がまとまるか否かぐらいの追い詰められた局面においては、チャラチャラ英会話 2 年分ぐらいのスキルが身につくといえます。( 『“ 外資に必要な英語力 ” と “TOEIC”』 参照のこと ) 

 

英語以外のビジネススキルも同様で、やはり追い詰められた場面でこそ、スキルは身につく。では、「追い詰められた場面」とは何か ? それは、お客様を前にしたプレゼンや、役員に対する説得など、本番での実践作業ということになります。

 

「そんなこと言って … 本番で失敗したら、どうするんだね ? 」って言うアナタ。もちろん「練習」するんですよ。そのために、研修があるんですから。PM が実践でどのような説明をしているのかを見るのも、大いに役立つはずです。しかし、研修や PM のサブばかりでは、スキルは身につきません。リスクを負う覚悟で、「自分に任せてください」と手を上げて、死ぬ気で頑張ることが重要です。

 

タカシ 「じゃ、俺が今進めてるプロジェクトの PM やるか ? 間違いなく、スキルはつくと思うよ。その代わり、死ぬ気でやれよ ! 」

A くん 「い、いや、ちょっと待ってくださいよ。いきなり、PM だなんて … 」

タカシ 「スキルつけたいんだろ ? 大丈夫だよ、前のフェーズで俺が PM やってたから、お客さんとも仲良くなってるし、ややこしい話は片付けておいたから。しばらくは俺も会議に出てやるから、やってみな ! 」

A くん 「えぇーーーーーーーーーっ ! (T-T)」
こいつ、口ほどにもねぇなぁ …

 

タカシ 「どうするよ ? 」

A くん 「1 つ条件があります …」

タカシ 「( 「条件」って、こいつ、なんでこんなに高飛車やねん … ) 何 ? 」

A くん 「PM としてのタカシさんの “やり方” を、紙に書いてくれませんか ? お客さんにこんなこと言われたら、こう切り返すとか … タカシさんのスキルをまとめておいて欲しいんですけど … そうしてくれたら、PM 引き受けます ! 」

ア、アホか、こいつ …
さて、A くんの「依頼」に対して、私はどう対処したでしょうか ? それは … 次回のお楽しみとしましょう !

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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