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タカシの外資系物語

“ 外資に必要な英語力 ” と “TOEIC” ( その 1 )2008.05.13

A 君、逆ギレる

「で、どうするよ ? どうやって、点数上げるの ? 」

 

私は今、スタッフの A君と面談をしています。わが社では、 TOEIC の点数について、「社員=730 点、マネージャー以上= 800 点」という条件を設定しています。昨年、日系企業から中途で入社した A 君は、入社後 1 年経過した現在も 730 点がクリア出来ていないため、人事部から個別に通告が来ました。

 

人事部からのメールには、「ちゃんとやれよ ! 半年以内を目処に、点数をクリアしろよ ! 」としか書いていません。しかし、「はいはい、やりますよ … うるせーなぁ … 」で済ますわけにはいかないのです。わが社の場合、この文面は以下のような意味を持ちます。

 

・ 「ちゃんとやれよ ! 」 → 半年以内に点数をクリアするために、所属のマネージャーと具体的なアクション・プラン ( = この場合、学習計画 ) を作成し、人事部に提出すること。

・ 「半年以内を目処に、点数をクリアしろよ ! 」 → クリアできなかったら、クビにすっぞ !

 

「クビにすっぞ ! 」というのも冗談ではなく、クリアできなかった社員に対しては他の研修への参加が制限されたりして、徐々に会社に居づらくし、追い込んでいきます。 TOEIC がクリア出来ないことを直接の原因として、即解雇されることはないですが、実態は窓際に追いやっていくわけです。

 

また、マネージャー昇進においては、 800 点が必須とされています。実際に、英語以外の実力は申し分ないにも関わらず、800 点がクリア出来ないために、マネージャーに昇進出来ないスタッフが相当数います。

 

私 「どうするつもりなんだよ ?! 」

A 君 「色々やってるんですけど、全然点数上がらなくて … (T-T)(T-T)(T-T)」

私 「色々、って、例えばどんな勉強 ? 」

A 君 「NHK の英会話とか、英字新聞読むとか … 」

私 「うーーん … それ自体は否定してないけと、時間かかりそうだな。」

A 君 「じゃ、どうすればいいんですか ! そもそも、英語なんているんですか ?! 僕は確かに英語できないけど、ビジネス上の目標は達成していますよ ! なんで、ダメなんですか ! 」

おいおい、逆ギレだよ。ここは、きちんと整理して説明してやる必要があるようです。

英語が必要な理由

まず、英語の必要性。わが社は外資系企業とは言いながら、クライアントは大半が日系企業です。なので、普段の業務で英語を使うことはない場合が多いのも確かです。

 

しかし、英語は絶対に必要なのです。英語が出来なければ、本社や海外支社の事例を理解出来ないし、クライアントに紹介することも出来ない。外国人のエキスパートを招聘して、プロジェクトを行うことも無理。また、自分自身が海外プロジェクトに参加して、経験を積むことも難しくなります。

 

「海外プロジェクトなんて経験しなくてもいい。俺は、ドメスティックに生きる ! 」 と言ってもダメです。スタッフでいる間は英語なしにやっていくことも可能ですが、マネージャー以上になると、内部報告がすべて英語になります。なぜなら、マネージャー以上のポストにいるのは、8 割方外国人のエグゼクティブだからです。

 

つまり、外資系企業において「俺は、ドメスティックに生きる ! 」と宣言することは、「俺は一生にマネージャーに昇進せずに、スタッフとして限られた案件の中で生きる ! 」と言っているのと同じことでして、会社としては、こういう人と一緒に仕事はしにくいと考えるわけです。

 

私 「 … というわけでさ、英語が出来ないと、君自身の可能性を摘み取ってしまうことになるんだよ … 」

A 君 「そりゃそうなんでしょうけど … でも、僕の場合は TOEIC の点数は低いですけど、英語のコミュニケーションは筆談とかジェスチャーとか使って、何とか出来ています。それじゃダメなんですか ? 」

これはかなり的を射ています。でも、ダメなんですよねぇ …

TOEIC で英語能力を測る理由

当然のことながら、会社が目標としているのは、「社員全員が英語を理解し、コミュニケーションが出来ること」にあります。「社員全員が、TOEIC で 730 点をクリアすること」ではありません。

 

しかし、社員が英語を理解し、コミュニケーション出来ることを客観的に証明するには、何らかの統一基準で測るしかないのです。社員みんなが、「私は、点数は低いが、英語は出来るんだ ! 」と言い出したのでは、収拾がつきません。だから、TOEIC という基準に頼らざるを得ないというのが正直なところでしょう。

 

全社で統一的な基準を導入する場合に必要なことは、「例外を認めない」ということです。現在私のチームには 30 名のスタッフがいますが、うち半数程度は、帰国子女、MBA ないしは海外の大学を卒業しています。これらのスタッフについて、英語ができることは明らかなのですが、それでも TOEIC を受験させています。その結果、チーム 30 名の平均点が「 860 点」という恐ろしい組織になっているのですが、要は経歴だけで判断せずに、同じ条件でクリアすることを統一して実施することに意味があるのです。

 

次に、「 TOEIC の点数が高いからといって、英語が出来るとは限らない」という意見もあります。私も、そのことはよく理解できます。机上の勉強だけでハイスコアを獲得しても、実際に使えなければ意味はありません。しかし、こうも言えます。「英語が出来る人は、 TOEIC800 点ぐらい取れる ! 」 これも私の経験則ですが、TOEIC の点数が低い人は、いくら英語が出来ると言い張っても、本質的な英語が使えていません。言い回しも幼稚で、ビジネスに耐えうるものではないケースが多いように思います。つまり、TOEIC の点数でその人の英語力が完璧に測れるとは言わないが、それなりの相関性はあるのだから、統一基準として使っているわけです。

 

これを逆手に取れば、英語はそれ程出来なくても、TOEIC の点数さえ取れれば、とりあえずは OK なわけです。だったら、四の五の言わずに早く取れ ! というのが、私の見解。

 

私 「 A 君さぁ、ひとまずはこのように考えよう。TOEIC の点数クリアについては、尻に火がついているのだから、短期的にすぐやらなきゃなんない。だから、効率的な点数獲得の方法を考えよう。次に、本質的な英語力獲得も、君の将来のために必要だよね。だから、それは中長期的に考えよう。学習プランの作成を手伝うから、やってみようよ ! 」

A 君 「は、はい … よろしくお願いします ! (T-T)(T-T)(T-T)」

 

次回のコラムでは、タカシ流 「 TOEIC 点数獲得法」 と 「外資に必要な英語力獲得法」 についてご説明します。

( 次回続く ) 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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