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タカシの外資系物語

チームにおける役割 ( その 1 ) - "縁の下の力持ち" キレンジャー編2007.10.30

キレンジャーで我慢するタカシ

私が小さい頃夢中になったものとして、「ヒーローもの」の TV 番組が挙げられます。ウルトラマンや仮面ライダーなど、今思うと「よくもまぁ、毎回同じように怪獣を倒すだけなのに … 」というワンパターンな内容なのですが、当時は夢中になって TV にかじりついて見ていたように思います。


ヒーローもの番組の特徴は、いわゆる「勧善懲悪」のストーリーになっているということです。つまり、ヒーローは常に正しく、怪獣は常に悪い、悪いので懲らしめられるという展開。 TV を見たチビッコ諸君は、「大きくなったら、ウルトラマンになる ! 」とか言って、変身セットを身に着けて遊ぶわけです。


さて、ヒーローものごっこに興じる子供たちは、その全員がウルトラマンや仮面ライダーになりたがります。ウルトラマンには何人かの兄弟がおり、仮面ライダーにも「 1 号」「 2 号」など、 5 名以上複数のキャラが存在します。なので、近所の友達 5 名程度と遊ぶ分には、全員が気持ちよくヒーローになりきることができました。


一方、「秘密戦隊ゴレンジャー」というヒーローものが流行ったときには、少しばかり困った現象が起きました。ゴレンジャーというのは、赤 ( アカレンジャー )、青 ( アオレンジャー )、緑 ( ミドレンジャー )、黄 ( キレンジャー )、桃 ( モモレンジャー ) という 5 色のヒーローが怪獣を倒すために力を合わせて戦います。 5 人いますから、5 名の子供がヒーローになり切って遊べそうな気がしますが、実はことはそう単純でもありません。というのも、キレンジャーとモモレンジャーの人気が極めて低いのです。


モモレンジャーはそもそも設定が「女性」なので、「やーい ! 男のくせに、モモレンジャー ! 」とか言っていじめられます ( 今思うと、他の男性レンジャーと同様の動きで敵をバッタバッタ倒していたモモレンジャーというのは、かなりすごい女性なのですが … まさに、スーパー・ウーマン ! )。キレンジャーは男なのですが、いつもカレーばかり食べていて、食いしん坊のキャラ。おまけに得意技が単なる「力持ち」ときていますから、弓矢やブーメランを得意技にしている他のレンジャー達とは、子供心にもかなり見劣りするわけです。


とは言うものの、モモレンジャーやキレンジャーを拒否すると、残りは怪獣とその取り巻きである烏合の衆 ( 仮面ライダーの場合なら、ショッカー ) しか残っていないので、アカ・アオ・ミドリが取れない気の弱い子供は、モモかキで妥協するわけです。私の場合は、当時まるまると太った肥満児だったため、力持ちでもなんでもなかったのですが、よくキレンジャーにさせられました。それでも、子供心には「悪者になるのだけはイヤだ ! キレンジャーで我慢しよう … 」という意識があったように思います ( な、泣ける … (T-T))。

One Team における個人の役割

懐かしさも手伝って、前置きが超長くなってしまいました。今回のテーマは、「チームにおける役割」です。ここで私が言いたいのは、ビジネスにおけるチームというのは、全員がかっこいいヒーローばかりでは成り立たないということです。ゴレンジャーの場合でも、全員がアカレンジャーならすぐに怪獣が倒せるわけではなく、ときにはキレンジャーの持つ「力持ち」といった能力が必要な場面が絶対にあるのです。


外資系企業というのは、様々な能力や役割を持った人たちが 1 つのチームで働くことを、「 One Team 」と言って、非常に重視します。企画も営業も研究開発もバックオフィスも、すべての社員は「 One Team 」の一員としてかけがえのない存在という考え方です。なので、Award ( 表彰 ) などをする際にも、各分野のバランスに配慮します。


先日も、私が所属しているセクターから 5 つのプロジェクト・チームが表彰されたのですが、うち 2 つは内部処理のプロセスを大幅に削減した事務部門と、社内システムの更改作業を無事終えたシステム部門が受賞していました。残りの 3 つは、大きな売り上げを達成した営業部門でしたが、日々の営業活動ができるのは事務やシステムが安定してサービスを実行してこそ、という考えが根底に流れています。


一方、日系企業の多くでは、依然として「企画・営業・研究開発が花形で、事務やシステムはおまけ」みたいな考え方が、どこかにあります。事務やシステムは、計画通り仕事してナンボ、仮にミスやトラブルを起こそうものなら、極めて厳しい査定がされるという、まさに「マイナスのみの評価」しかありません。私は銀行に入社して、最初の配属がシステム部だったため、営業部門で評価される同期の連中を苦々しく見ていたものです。こういう評価体系では、事務やシステムが頑張って合理化をはかろう、少しでもコストを削減しようというインセンティブなど働くはずもなく、このことが、日系企業の事務プロセスがいつまでたっても旧態依然としたままで進歩しないという結果を招く一因となっているように思えてなりません。


私が日系企業から外資に転職した理由の 1 つは、まさに上記のような、日系企業における「企画・営業偏重主義」から抜け出したかったのです。しかし、当時の私には営業経験がありませんでした。私にあるのは銀行のシステム開発経験しかなかったわけで、よって、銀行に対して IT ソリューションを売る、コンサルタントになろうと思った次第です。

不平不満の 「ガス抜き」 ?

さて、チームの各役割を平等に重んじるという外資の考え方は、日系企業と比較して、あらゆる面で優れているのでしょうか。


実は、外資がバックオフィスも営業と対等に扱っている理由の 1 つに、「バックオフィスに文句を言わせないため」というのがあります。外資というのは、基本的に、人事異動に伴うジョブ・ローテーションがありません。将来出世するエリートは、たいていの場合、入社したときから企画・管理部門に配属され、他部門を経験せずに、極めて短期間で出世していきます。また、出世という意味では、営業で前人未到の業績を上げた営業マンも、極めて短期間で出世する可能性があります。


一方、外資のバックオフィスに所属している事務やシステムなどの人が、役員にまで出世するケースは非常に稀、というかほとんどありません。日系企業の場合にも、事務やシステムのの人は企画・営業に比べると出世しにくい傾向はありますが、外資ほどではありません。外資の場合は、事務の人は一生事務として、出世したとしても 1 ランク上がるくらいのもので、部長職にすらなれない人がほとんどです。


そんな状況で、バックオフィスを冷遇したらどうなるでしょう ? みんな暴れますよね。だから、さも平等であるかのような制度を作って、不平不満が出ないようにしているという側面もあるというわけです。


「全員がアカレンジャーでは会社は回らない、チームにはキレンジャーも必要である … 」 さてさて、あなたのチームは何色のレンジャーがいるでしょうか ? アカレンジャーの人は、キレンジャーをいじめていませんか ? キレンジャーの人は、カレーばかり食べて、ふてくされていませんか ? ゴレンジャーは 5 人いないと勝てないということを忘れてはいけません。 
  
次回のコラムでは、外資のチームにおける「敵」と「味方」という役割についてお話したいと思います。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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