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タカシの外資系物語

日本人の不思議 「デキるの ? デキないの ? 」 (その 2 )2007.08.07

あなたの英語レベルは ?

前回の続き ) 前回のコラムでは、「本当は英語ができるくせに、( できなかった場合の保険のために ) できない」 と言ってしまう、日本人の特性について述べました。一方で、「日本人としてはそれなりにできるつもりでも、話す相手 ( 外国人 ) のレベルを考えると、できないと言わざるをえないじゃん … (T-T)」 という意見もあろうかと思います。


しかし、よく考えてみましょう。相手の外国人は、われわれと英語能力を競い合うつもりなど、毛頭ありません。なぜなら、ネイティブの方ができるに決まっているからです。そりゃそうですよね、母国語なんですから、できて当たり前なのです。


「Can you speak English ?」というのは、「あなたは、英語ネイティブの人と同じぐらい英語ができますか ? それともできませんか ?」という、100 点か 0 点かを尋ねているわけではなく、「どのくらいできますか ? 20 点ですか、80 点ですか ?」という、「できる程度・レベル」を聞いているのです。


英語のできるレベルを具体的に記述すると、以下のような感じだと思います。それぞれに対応する TOIEC のスコアも、ザクッとこんなもんでしょう ( 対応するスコアは、あくまでも私の経験と感覚です。TOIEC なんちゃら委員会とかが発表している目安とは、かなり違うかもしれませんが、あしからず …)

 

(1) ネイティブと同様に会話できる (TOEIC スコア = 850 up) 

(2) ネイティブの話している内容はわかるが、自分の思うことをすべて言えない (750-850) 

(3) ネイティブの話している内容は何となくわかるが、自分の思うことはあまり言えない (650-750) 

(4) ネイティブの話している内容はほとんどわからず、自分の思うこともほとんど言えないが、書けばわかる。つまり筆談可。 (500-650) 

(5) 話も筆談も全くお手上げですわーーーーーー(T-T)(T-T)(T-T) (500down)


例えば、「私はレベル (5) です」と正直に話したとしましょう。それを聞いた相手の外国人は、「お前は筆談もできんのか ! ダメなやつだなー」と思っているわけでは、決してありません。レベル (5) なら通訳が必要だとか、レベル (3) なら通訳はいらないが資料は準備しておこうとか、そういうことを考えているのです ( 中には、相手が英語を話せないことを露骨に嫌がってバカにする外国人もいます。しかし、そういう人は偉くなりませんので、気にすることはありません。デキる外国人というのは、英語を母国語としない相手に対する振る舞いを心得ているものです )。


よって、レベル (1) の力があるにも関わらず、レベル (4) や (5) の力しかないようなフリをするということは、外国人にとっては「こちらが効率的に進めようとしているのに、何て非協力的なやつなんだ !」ということになるわけです。

見栄をはるな !

さてさて、わかったようなことを書いている私ですが、実はこれまでに、自分の英語レベルを正直に伝えなかったばかりに、何度も大きな失敗をしています。それもあろうことか、中途採用の面接時にやっちゃったんですね、これが … 私の失敗は、上記とは逆で、英語ができないのにできるかのように振舞ったことが招いた失敗でした。

 


今を遡ること、10 年前のこと。私は当時勤めていた銀行を辞めて、コンサルティング会社に転職すべく、就職活動を開始していました。意中の会社はいくつかあったのですが、そのうちの A 社を受けたときのことです。面接日の 3 日前、私はエージェントから次のような連絡を受けていました。


エージェント 「タカシさん、3 日後の A 社との面談なのですが、先方は英語しかできない外国人のマネージャーが対応するそうです。よって、面接は英語で行うことになりますが … 大丈夫ですか ?」


うぅ … こりゃ困ったな … (T-T) 英語で面接なんて、全然自信ないし … でも、英語できないと思われちゃ、評価下がるだろうなぁ … よし !


私 「だ、大丈夫ですよ。英語はそれなりに自信あるんで … ハハハ ( 乾いた笑い )」


当時の私の英語力は、(4) くらいだったように思います。英語しかできない外国人と、サシで面談するレベルには、到底ありませんでした。で、面接日当日。


面接官 「Hi, Takashi-san !」


私 「ハ、ハイ …!」


面接官 「ペラペラペラペラペラ …… 」


私 「( じぇんじぇん、何言ってるかわからんわーーー ! (T-T)(T-T)(T-T) )」


…… 予想通り、相手の話している内容など、ほとんど理解できないまま終わってしまいました。結果はもちろん、不合格 …(T-T)


ま、A 社に落ちたからこそ、今の私があるわけで、結果的には良かったのかもしれません。しかし、あの面接官には申し訳ないことをしたと思っています。私の英語力を正直に伝えていたら、彼にとっても無駄な時間を過ごさずに済んだわけですから。

正直に話して信頼関係を築く

以上のことを教訓に、それ以来、私は初対面の外国人と話をする際には、「私はあなたの言っていることは、だいたい理解できます。しかし、自分の思いを英語で十分に伝えることはできません。なので、紙に書いて ( 筆談で ) 話をさせていただくことがあるかもしれませんが、よろしいですか ?」と伝えるようにしています。事前にこのように伝えることで、コミュニケーションが円滑に進むばかりでなく、相手も好印象を持ってくれるケースが多いように思います。


英語の能力に限らず、仕事を進める上で重要なことは、相手との信頼関係をいかに築くかということです。「ホントはできるけど、できないと言っておこう」とか、「全然自信ないけど、できることにしておこう。ナントカなるだろ …」というように、ハナからウソをついていたのでは、信頼関係など築きようもありません。自分に自信がないからできないと言う、英語ができないと思われるのがイヤだからできるフリをする … これらはすべて自分本人の視点であって、相手の立場に立ったものではありません。常に相手の立場に立って、時間を無駄に使わないためにどのようにすればいいか … と考えていけば、くだらないウソなどつけないはずなんですよね。


私は、日本人の控えめな文化が大好きです。でも、ビジネスの世界では、この文化が誤解されるケースが多いのも事実です。日本がグローバル社会から取り残されないようにするためにも、控えめな自分と正直な自分を、うまく使い分けられるようにすることが必要だと思います。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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