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タカシの外資系物語

だれが「おサル」を背負うのか ? ( その 1 )2006.11.28

おサルを乗せた男性

とある休日のこと、私は奥さんと一緒に、愛犬ゴルゴの散歩をしていました。近所の公園に入ろうとしたとき、ゴルゴが急に立ち止まって、動かなくなってしまいました。


「ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒーーッ ! 」


ははーーん、さては野良ネコでも見つけたのでしょう。うちのゴルゴ、散歩中にネコさんを見ると、その場から動かなくなってしまうのです。


「しょうがないなぁ ・・・ ゴルゴ、行くぞ ! 」 


「ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒーーッ ! 」


ん ? 何だか、ただ事ではないようです。私は恐る恐る、ゴルゴが見ている方向に目をやりました。


「 ? ? ? ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒーーッ ! 」 ( これは私の驚いた声 )


な、なんと、われわれの後ろにいた男性の肩には、おサルさんが乗っているではありませんか !


私 「お、おサルさんですか ? 」


おサルを乗せた男性 「ええ、リスザルです」


私と奥さん 「か、かわいい ・・・ (T-T)」  ゴルゴ 「ブヒブヒ ・・・ (T-T)」


子供の頃、アニメ「母を訪ねて三千里」で見た、マルコ少年とアメデオのようです。空前のペットブームとは言うものの、おサルさんを背負って散歩している人は、なかなかお目にかかれません。


私と奥さん 「へーー、いいなぁ ・・・ 」


ゴルゴ 「ブヒブヒブヒーー ! ( 怒 )」( やきもちを妬いている )


さて、みなさん ・・・ 本当に、おサルさんを背負って歩いている人って、世の中にいないんでしょうかね ? 今回のテーマは、ズバリ「おサルさん」です。

仕事が増える瞬間

「さーーて、今日はたまってる仕事を片付けるかね、と ! 」


ここ数日、上司の Thomas から頼まれた仕事や部下のケアで、ほとんど自分の仕事ができずにいます。今日ぐらいは、たまりにたまった自分の仕事を一掃すべく、私は朝 8 時に出社して、仕事を始めることにしました。


「やんなきゃいけないのは、あれとあれと ・・・ 1 つ 2 時間として、ざっと見積もって 8 時間てとこかな。よし、頑張るぞ ! 」


と、 A くんが何やら困った顔をしてやってきました。


A くん 「タカシさん、○○銀行向けに、コスト削減プロジェクトの提案書を書いているんですけど、どうも、うまく書けなくて ・・・ ちょっと見てもらえませんか ? (T-T) 」


私 「( ん ? 前に、これと似た提案書、書いたことあるな ・・・ でも、今時間ないしな ・・・ )わかった、わかった。あとでコメントすっから、その提案書、メールで送っておいて ! 」


A くん 「ありがとうございます ! (^-^) 」


と、続いて B くんが何やら慌ててやってきました。


B くん 「タカシさん、すみません。本日締め切りの人事評価の申請、やり方がわかんないんですけど ・・・ (T-T) 」


私 「(そんなもん、マニュアルに書いてあるだろーーがっ ! でも、締め切りに遅れると困るから… ) じゃ、いいや。オレが送っておくから ・・・ 」 


B くん 「ありがとうございます ! (^-^) 」


と、さらに C くんが何やら神妙な顔つきでやってきました。


C くん 「タカシさん、先週から始まった△△証券さんのプロジェクトなんですが ・・・ どうも、お客様との意思疎通がうまくいかなくて ・・・ (T-T) 」


私 「( あー、△△証券さんかぁ ・・・ 確かに、あそこは気難しい人が多いんだよな ・・・ ) わかった。これまでの議事録、メールで送っといて。次回の打ち合わせには、オレも参加するよ」


C くん 「ありがとうございます ! (^-^)」


・・・ 仕事片付けるどころか、さらに増えたわーーー ! (T-T) (T-T) (T-T)


みなさんにも、このような経験があると思います。人と接するたびに、何か新しい仕事を抱え込んでしまう、こんな状態。私の場合、一瞬のうちに、 3 つの厄介な仕事を背負う羽目に陥ってしまいました。これって、何なんでしょう ?

「おサルさん」とは何か ?

先日、マネージャー研修で、非常に興味深い記事をテーマに討論する機会がありました。記事のタイトルは、『Management Time : Who’s Got the Monkey?』 訳すと、「時間管理:だれが おサルさん を背負うのか ? 」ということになります。


( 注: 当記事は、Harvard Business Review 1999/11-12月号に、William Oncken Jr. および Donald L Wass の両氏により発表されたもの )


「おサルさん ( Monkey )」とは何か ? それこそ、私が A くん、 B くん、 C くんから背負わされた「厄介な仕事」のことを指します。この記事で特に取り上げているのは、上司と部下における関係でして、記事によると、「部下は、自分が背負っていたおサルさんが、上司の肩に片足をかけた瞬間、さっといなくなる ・・・ 」と言っています。まさにその通り ! A くん、 B くん、 C くんとも、最初は泣き顔 (T-T) でやってきたくせに、私が情けをかけた瞬間におサルさんを手渡し、あとは笑顔 (^-^) で帰っていきました。


さて、すでに私の肩には 3 匹のおサルさんがぶら下がっているわけですが、これは単純に考えると、 1 月に 60 匹、 1 年で 720 匹のおサルさんを背負うことを意味しています。冒頭で述べた、リスザルを背負って散歩している男性もびっくり ! よく見渡せば、世のビジネス・パーソンの肩には、何匹ものおサルさんが、常にぶら下がっているというわけです。


では、どうしてこのようなことが起こるのでしょうか ? 記事によると、最大の問題は、「意識的 ( あるいは無意識 ) に、その問題は、上司と部下が共同で取り組むべきだと、両者が考えているから ・・・ 」だと言っています。つまり、記事が言わんとしているのは、「そもそもその問題は部下の問題なのだから、上司が積極的に関与する必要はない。主体はあくまでも部下であり、上司はサポートするにすぎない。よって、おサルさんが部下から上司の肩に乗り移るなんてことをしてはいけない ・・・ 」ということ。なるほど、かなり納得できます。


私を含め、多くのマネージャーが常に忙しくしている理由は、まさにここにあります。部下のために時間を使うことはマネージャーの大切な役割ですが、それは部下の仕事を肩代わりすることではありません。「自分がやった方が早い ・・・ 」「このままではかわいそう ・・・ 」などといって、部下の仕事を横取りしてしまうと、マネージャー自身の時間がなくなりばかりか、部下が育たなくなってしまいます。「これはあなたのおサルさんなのだから、あなた自身で育てなさい ! 」という勇気が必要だということです。


Thomas 「 Takashi ! 」


私 「何ですか ? ( いやな予感 ・・・ )」


Thomas  「来期の収益目標を US 本社に上げたんだが、あと 10% 積み増せって指示があったよ。申し訳ないが、案件別に精査してくんないかな ・・・ 」


キ、キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ ! (T-T) 「おサルさん」ならぬ、「スーパー・ゴリラ」です。部下からおサルさんを手渡されてウカウカしていると、決まってこのような「ゴリラ」がやって来ることが多いのは気のせいでしょうか ? トホホ ・・・ もはや、両肩はおろか、両手両足、サルだらけ ・・・ 次回のコラムでは、これらおサルさんの対処法について考えてみたいと思います。ウキッキーーーー !

 

( 次回へ続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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