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タカシの外資系物語

研修終了 … その成果は ? ( その 2 )2006.10.31

参考文献”をどうするか ?

( 前回の続き ) さて、今週はいよいよ、研修の中身に入っていきましょう。以前にもお話した通り、今回の研修は 3 回シリーズになっています。 1 回目は「 Value proposition ( = 効果的な提案書の書き方 )」として、かなり実践的な内容。 2 回目は「 Value Calculation ( = 効果の定量化 )」および「 Negotiation Skills ( 交渉の仕方 )」として、ビジネス・スクールで実践的かつアカデミックな内容、となっていました。


最終回となる今回のメニューは、事前に送られてきたアジェンダによると、「 Trouble Resolution ( = トラブル対処法 )」と「 Leadership ( = リーダーシップ )」となっていました。この内容から察するに、前の 2 回と比べると、かなり理念的というか、情緒的というか ・・・ いずれにしても、研修を受ける側としては「楽な」「とっつきやすい」内容のように思われます。つまり、それほど気合を入れなくても、これまでの経験で何とかなるだろうという感じ。実際、事前課題の量もその前の 2 回に比べると、かなり少なかったですしね。「なーんだ、最終回は楽勝だね ・・・ 」と思っていたのです。


しかし、こんなときこそ「落とし穴」が待っているもの。楽勝だと思って参加した研修に限って、えらくハードだったりするものです。「うちの会社に限って、楽な研修など設定するはずはない。何かあるはずだ ・・・ 」 私は再度、事前に送られてきたアジェンダを熟読することにしました。と、「 Please bring with you ( 研修に持ってくるもの )」という項目の中に、「 Optional ( 任意 )」という欄があり、その中に「 Book 」というのがありました。 Optinal な Book、つまり、持ってこなくてもいいけど参考文献だよと言っているのです。


これが日本の研修なら、まず持っていかないし、事前に読みもしないでしょう。「教科書や必須文献ならいざ知らず、参考文献など読んどるヒマないわ ! こんなん読まずとも、何とかなるわーー ! 」てなもんです。実際に、日本人の感覚では、参考文献というのはあくまでも「参考」であって、「必須」ではありません。なので、参考文献を読んでいないからと言って、実際の研修でそのことを問われることは少ないように思います。


しかし、私が受講するのは英語の研修です。これまで 2 回の研修でも、参考文献と書かれていたものは、ことごとく「必須」の扱いでした。つまり、それを事前に読んでいることを前提に、講義が進むのです。それに加えて、私の場合は、英語のヒアリング能力が他の参加者よりかなり劣るのも事実。必須だろうが参考だろうが、事前に準備できることは全てやっておいた方がいいわけです。「よし、この本を買おう ! 最近は、洋書も通販で買えるようになったから便利だよね、と。えーっと、タイトルは ・・・ 『 LEADERSHIP AND SELF-DECEPTION – GETTING OUT OF THE BOX 』( The Arbinger Institute ) ね ! 」

“洋書” をどうするか ?

かくして、私は参考文献の洋書を購入し、あとは読むだけ ! となったわけですが ・・・ こ、これが ・・・ わかってはいたのですが、洋書を読むというのは非常に骨が折れるものでして、 3 ページ読んだところで、早や挫折(な、情けない ・・・ ( T-T ) )。「こうなったら、訳書を買おう ! 」( な、なんて安直な ・・・ ( T-T ) )


私は早速、 Amazon で訳書を探しました。と、訳書発見 ! タイトルは、『箱― Getting Out Of The Box 』 ( ジ・アービンガー・インスティチュート著 文春ネスコ )。


「は、『箱』って ・・・ なんちゅうタイトル。ま、いいや、これで事前課題もこなせるぞ、と。読めりゃいいんだから、中古でいいかな。中古の最安値は ・・・ と ? ん ・・・ ? 6,000 円って、あんた。こりゃ冗談キツいっしょ。新品でいいや ・・・ ん ? ぜ、絶版 ? ・・・ ( T-T ) 」


なんと、この本の日本語版は、すでに絶版になっていました。どうりで、中古が 6,000 円もするわけです。「うーーむ ・・・ 」 私は正直悩みました。 「人の足元見やがってぇ ・・・ ( 怒 ! )」って、中古出品者にとっては、私の切迫した事情など、知ったことではないのですが ・・・


私 「う、うーーむ ! 」


家内 「どうしたの ? 」


私 「実は、かくかくしかじか でさぁ ・・・ 6,000 円出して、中古を買うべきか、買わざるべきかぁ ・・・ それが問題だーーー ! ( シェークスピア風 )」


家内 「図書館で借りればいいのに」


ポロン ! ( 目からうろこが落ちた音 ) なんと、その手があったとは ! さすが、うちの奥さん ! それにしても、最近の図書館というのは便利なもので、すべての蔵書がネット検索できるようになっており、おまけにネットで予約も可能と、まさに至れり尽くせり。私は通勤途中にある某図書館で予約をし、借りることにしました。


( ※注 実は、『LEADERSHIP AND SELF-DECEPTION – GETTING OUT OF THE BOX』の邦訳版が、なんと研修の最終日に再販されていました。はよ、出せやーー ( T-T ) タイトルは 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 ( アービンジャー・インスティチュート著 大和書房 ) です。ちなみに、『外資流-タカシの外資系物語』 ( 奈良タカシ著 あさ出版 ) も絶賛発売中です ! )


「今、成田だよ。これから飛行機に乗るからね。着いたら電話すっから ・・・ 」


さて、これから 7 時間かけて、出張先のシンガポールに向かいます。え ? 借りた本はどうしたんだって ? ギ、ギクっ ! 痛いトコつきますね ・・・ これから、読むんですよ。機内で ! 日本語で読めるとなると、気がゆるんじゃって ・・・


「お飲み物は、いかがなさいますか ? 」


「えっと ・・・ ビールと、赤ワインもらえますか」 いやぁー、極楽、極楽 ・・・ 。ワイン飲んで酔っ払って、寝ますかね、と。 え ? 借りた本はどうしたんだって ? ギ、ギクっ ! またまた痛いトコつきますね ・・・ これから、読むんですよ。日本語なんだから大丈夫ですって、すぐに読めますから、ハハハ ・・・ ふぁーあ、ちょっと一眠りしてから。日本語なんだから、大丈夫、大丈夫。 Zzzzz ・・・

“箱” とは何か ?

「お、面白い ・・・ ( T-T ) なんて、面白い本なんだぁーーー ! 」


飛行機はすでに降下を始めています。え ? 借りた本はどうしたんだって ? だから、 30 分前から読み出したんですよ ! 日本語ですから、すぐ読める ! それにしても、この本はかなり面白い。私がこれまでに読んだ本の中でも、五指に入るかもしれません。


この本で言う「箱」というのは、多くの人が陥りやすい、自分勝手な状態のことを指しています。例えば、非常に忙しそうに仕事している同僚を想像してください。自分の仕事はそれなりに余裕がある場合、あなたならどうしますか ?


「そりゃ、手伝うだろ ! 」


ま、そりゃそうですよね ・・・ でも、ホントにそうですかねぇ~ ? 自分はそれほど忙しくないにもかかわらず、同僚から仕事がふってくるのを避けるため、わざと忙しい「ふり」をしたことはないですか ?


私は、正直言って、そのようにしたことがあります。しかし、こんな経験は誰しもあるのではないでしょうか。この本では、そのような感情を「 Self Deception ( 自己欺瞞 ) 」と呼び、そのような状態にあることを「 in the Box ( 箱の中にいる )」と考えます。


「ふむふむ、なるほど ・・・ こりゃ、研修が楽しみだねぇ ・・・ 」


冒頭にも述べた通り、楽しそうに思える研修に限って、「落とし穴」が待っているもの。私が陥った「落とし穴」ならぬ、「箱」とは何か ? 次回詳しくお話します。

 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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