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タカシの外資系物語

超ビッグなご褒美 ! 外資の Award Party ( その 3 )2006.05.23

Business Session の通訳

さてさて、 Award Party の大半は食って遊んでの「お遊び」なのですが、一応「仕事」という名目で出張しているので、真剣なこともします。今回の Award Party でも「 Business Session 」ということで、集合研修が 2 回ありました。


ま、集合研修とはいっても、大した話ではありません。外部からのゲストスピーカーと会社のえらいさんの話を交互に聞くだけなのですから。


Session には社員本人とその家族も招かれます。私も奥さんと一緒に会場に向かいました。


会場の入り口をふと見ると、何やらイヤホン付ラジオのようなものが置いてあります。「 Japanese 」「 Espanol 」と書いてあるところを見ると、どうやら同時通訳の機械のようです。私は一瞬、その通訳機に手を伸ばしかけたのですが、辺りを見渡して止めました。だれも取っとらんのではないですか !


奥さん 「通訳、いらないの ? 」


私 「いいよ、スピーチぐらいわかるだろ ・・・ 」


奥さん 「すんごい早口だったら、どうすんのよ ! せっかく参加してるのに、内容がわからなかったらバカみたいじゃない。私はもらっていくわよ ! 」


実は私の奥さん、私なんか比べものにならないぐらい、英語がペラペラだったりします。そんな彼女が通訳機を使うと言っているのに、私がくだらない見栄を張っても仕方ありません。


私 「 ・・・ じゃ、僕も使おうかな ・・・ 」


私以外にも数名の日本人が、通訳機に手を伸ばしていました。「なーーんだ、みんな使いたいんじゃん ・・・ 」 と、 1 つ不思議なことが ! どうして通訳機には、「 Japanese 」「 Espanol 」しかないのでしょう。この Award Party には、日本人とスペイン語圏の人だけじゃなく、中国人も韓国人も参加しています。中国語や韓国語の通訳が用意されていないということは、彼らは全員、英語ができるということを意味しているのでしょうか ?


まさにその通りでした。後からスタッフに聞いたところによると、日本語とスペイン語の通訳を用意したのは、事前のアンケートで通訳の要望があったからとのこと。つまり、韓国オフィスや中国オフィスからの参加者は、通訳の必要がない = 英語ができる、ということなのです。


ま、日本人の英語下手は今に始まったことではないですが、韓国や中国が英語で何不自由なくビジネスを行なっていることを考えると、十年後のアジア経済の中心は、東京からソウルや北京・上海に移っているかもしれないなと実感してしまいました。おそるべし、韓国、中国 ・・・

スピーチによる「洗脳」

Business Session は 2 日にわたり実施され、様々なゲストスピーカーが招待されていました。中でも、オスカー俳優である X さんが壇上に現れたときにはビックリ ! 私も奥さんも大ファンだったもので、思わず席を立って、写真を撮りまくってしまいました。X さんはハーバード大学出身らしく、おそらくうちの会社のえらいさんのだれかがハーバード出身で、 X さんと仲がいいのでしょう。そのよしみでお願いしたに違いありません。


ゲストスピーカーは X さんのほかにも、歌手の S さん ( ビルボードのランキングに入ったこともある人 ! )、ベストセラーのビジネス書を著した J 教授、 BBC の番組プロデューサーの Y さんなど、多種多彩な顔ぶれでした。


一方、会社のえらいさんの話は非常に退屈で、現地に来てからも徹夜続き ( 前回コラム参照 ) の私は、何度か意識を失いかけていました。


えらいさんの話に共通するのは、「うちの会社があるのは、社員のみなさんとその家族のおかげです ! 」「うちの会社は社員とその家族を南の島に招待するぐらい、すごい会社なんです ! 」「うちの会社に勤めていることに、誇りを持ってください ! 」 ということ。それは、社員とその家族を「洗脳」するような感じの内容でした。


確かに、実際に南の島に招待され、このような話を繰り返し聞かされれば、滅多なことでは転職はしないでしょうし、それなりに仕事も頑張ることでしょう。かく言う私も、そういう気になりました。しかし、裏を返せば、ここまでしなければ愛社精神というのは生まれないのかな、とも思ってしまいました。会社が何もしてくれなくても、自然と愛社精神を持ってしまう日本企業の偉大さを、あらためて感じた次第です。

アジアの代表はシドニーか ?

Business Session に出てきた会社のえらいさんは、 AP ( Asia Pacific: アジアとオセアニア )、Americas ( 北中南米 ) および Europeans ( ヨーロッパ各国 ) をそれぞれ統括している役員でした。Americas は NY オフィスの役員、 Europeans はロンドン・オフィスの役員、まぁ、ここまでは妥当です。問題は、 AP です。 AP の代表は、シドニー・オフィスの役員でした。な、なぜ、東京オフィスから代表が選出されないのでしょうか。東京オフィスから来た日本人役員も、 Business Session に参加しているのに。

 


その理由は、はっきり言って「英語」です。もちろん、その日本人役員も、英語のスピーチぐらいはできるでしょう。しかし、外資系企業における公の場でのスピーチというのは、単に原稿を読むだけでは務まりません。ゲストスピーカーともアドリブで話さなければなりませんし、ウィットの効いた会話も必要です。そうなると、ちょっと英語ができるレベルではどうにもならんのです。


その日本人役員は、そのことを十分に理解しているので、シドニー・オフィスの役員に大役を任せたのでしょう。経済規模からいけば、NY・ロンドン・東京となってしかるべきところが、 AP だけは規模ではなく、英語で選ばれてしまう。カネだけ稼がされて、大事なところはアングロサクソンに持っていかれてしまう。このような構造は、政治社会だけでなく、企業においても成り立っているのです。これは私たちの世代に引き継がれた、解決すべき重要な問題です。非常に悔しいですが、これが現実ですから仕方ありません。


思い起こせば、奥さんとゆっくり海外旅行をしたのも、新婚旅行以来です。まんまと会社の策略に乗せられた気もしないではないですが、あまり深読みせずに考えることにしましょう。現に、私たち夫婦、すごく楽しませてもらいましたから。


さて、明日から、また仕事に戻りましょうかね。あ、そうそう、『タカシの外資系物語』は今回で 300 回をむかえることができました。今後とも、よろしくお願いいたします ! あ、ついでに、『外資流 ! タカシの外資系物語』( あさ出版 ) の方も、絶賛発売中ですので、こちらもよろしくお願いいたします ! ではでは !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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