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タカシの外資系物語

株式投資のススメ2006.01.24

ハイリスク・ハイリターン

みなさんは、株式投資の経験はありますか ? かつては機関投資家である企業や一部の個人だけ行なっていたものが、昨今のネット取引の広がりとともに、一般のサラリーマンや主婦の間でもブームになっているようです。一方で、株は預貯金とは異なり、あくまでも「投資 ( 投機 ) 」ですから、自分が突っ込んだお金が、ときにはゼロになってしまう可能性もあります。一攫千金もあれば紙くずもありえる ・・・ つまり、ハイリスク ・ ハイリターンというわけです。


株で大金をつかむ人がいる一方で、借金がかさんでクビが回らなくなってしまう人も多いようです。私が知る中でも、株で作った借金を返すために、よりリスクの高い小豆(アズキ)の先物相場に手を出してしまった輩がいます。商品相場の先物が、いかにリスクの高いものであるかについての詳細の説明は避けますが、結局その人は数千万単位の借金を作って、夜逃げしてしまいました。相場の世界では、そんな例は枚挙に暇がないでしょう。


実は私、銀行員時代にトレーダーをやっていた ( 株式ではなく債券なのですが。国債の先物を中心に取引していました ) ので、相場の何たるかについては、人並み以上に理解しているつもりです。人並み以上に理解しているからこそ、トレーダーを辞めてからも、株には手を出さずに来ました。なぜか ? それは、個人レベルでは勝ち目がないことが、明白だからです。

個人が株で勝てない理由

冒頭に述べたように、株式市場には機関投資家や投機目的の証券会社など、多数の「プロ」が参加しています。一般個人が「アマ」だとして、プロとアマはどこが違うかというと、


・ 入ってくる情報が違う ( プロは様々な情報ソースを駆使するが、アマは基本的にはインターネットで公開されている情報以外は持ちようがない )


・ 使っている IT が違う ( プロは数十億円かけた分析システムを持っているが、アマは基本的にPC のみ )


・ 投資金額の単位が違う ( プロは一回の取引で数億 - 数百億円単位を動かすので、相場そのものをコントロールすることが可能だが、アマが動かせるのは数百万円がいいところ )


などが挙げられます。なので、まともに勝負をすると、まず確実に負けます。このような理由から、銀行や証券会社でトレーディング経験のある人は、プライベートでの株式投資をやらない人が多いように思います ( もちろん、現役の銀行員や証券マンで、他の人が知りえない企業情報を知りうる立場にある場合には、「インサイダー取引」にあたるために、株をやりたくてもできないというケースもあります ) 。


これに加え、私の場合は、銀行員時代にやっていた「社員持ち株会」で買った株が、銀行が破綻したことで、紙くずになってしまったという、泣くに泣けない「トラウマ」があります ( 数百万円損しました(T-T) ) 。「プロには勝ち目がないし、リスクも高いし、一度ヒドイ目にあっているし ・・・ 」 これが、私がこれまで株に手を出してこなかった理由です。


そんな私が、最近、株式投資を開始しました。「すわっ ! タカシ夜逃げか ! 」 いやいや、そんな無茶はしません。投資といっても数十万円レベルですから、ほんのお遊び程度の話。それ以上はやりません。さて、一体どんな心境の変化があったのでしょうかね。

欧米ビジネスマンが株式投資をやる理由

数年前、私はロンドンや NY で外国人の同僚と一緒に仕事をしていました。彼らの多くは株式投資をやっていて、昼休みになると、証券会社のネット画面を見ながら、自分の投資戦略を練っていました。


一般的に欧米 ( 特にアメリカ ) では、個人レベルで余ったお金の半分ぐらいは株式や債券、投資信託などに投資して運用します。日本の場合は、ほとんどが預貯金ですから、その違いは歴然です。私は当時、この違いは、考え方・文化の違いだと思っていました。農耕型の日本人は「ローリスク ( 預貯金 ) 」を好み、狩猟型の欧米人は「ハイリスク ( 株などの相場商品 ) 」を好むのだと。


実際に、この仮説は大部分で当たっていると思います。しかし最近になって、欧米人が株式投資を好む別の理由があることに気付いたのです。それは、「欧米ビジネスマンは、自己の株式投資を通じて、経済情勢を勉強している ( 勉強するきっかけにしている )」ということです。


「経済情勢を勉強することぐらい、ビジネスマンなら当たり前じゃないの ? 」確かにその通り。日本企業なら、経済情勢の 1 つも知らないと、ビジネス上のお客さんとの世間話もできません。よって、昼休みや飲みの席でも、上司や同僚などと、株が安いだの、為替が高いだの、そんな話をするのが日常茶飯事になっています。


一方、欧米企業では、昼休みにそんなオカタイ話をすることは、まずありません。また、上司や同僚と飲みに行くこともほとんどありません。その一方で、ビジネス上のお客さんとの会話では、それなりの経済常識が求められるのは、日本企業と同じなのです。つまり、日常的かつ自然に経済情勢が身につく日本企業とは異なり、欧米企業では自分で意識して経済の動きを勉強しなければ身につかないようになっているのです。


仮に外資系企業に勤めていて、 2 週間ほど新聞を読まないと、どうなるか ? おそらく、経済情勢など世の中の流れから、完全に取り残されてしまうと思います。


その証拠に、一般的に、外資系企業に勤める若手は、日本企業の若手に比べて、経済情報に疎いと思います。日本企業に勤める社員のように、経済情勢を理解することが自然と身についていない彼らは、習慣として、新聞を読んだり、ニュースを見たりする機会をあまり持たないからです。


では、どうすればいいのか ? そこで、「株式投資」なのです。小遣い程度でいいので、株を買っていれば、いやでも経済の動きが気になります。そうすれば、ビジネスマンとして最低限必要な経済知識が、自然と身についてくるというわけです。


私も、外資系企業に勤めて以来、何となく経済知識が低下しているような気がします。ここは株式投資でも始めて、日本企業に勤めていた頃の常識レベルをキープしておこうではありませんか !


はてさて、小遣い程度とは言いながら、いざ始めると、気になって仕方ありません。おまけに、買った途端に、株式の誤発注事件が起こり、最近はライブドア・ショック ! 下がりっぱなしの、私の株 ・・・


「どれどれ、株価は、と ・・・ って、また下がったわーーー(T-T) ええ加減にせえやーーー ! 」


みなさん、くれぐれも仕事が手につかないほど、株にのめりこまないように。あくまでも、お遊び程度にしておきましょう ・・・ って、言って

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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