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タカシの外資系物語

コミュニケーションの条件 (その 1 )2005.11.08

コミュニケーションの「 3 条件」

みなさんは、社内のコミュニケーションを円滑にするためには、どのような条件が必要だと思いますか ?


外資系におけるコミュニケーション上の問題というと、すぐに思いつくのが「英語」だと思います。確かに、外国人スタッフとコミュニケーションする上で、英語が使えるにこしたことはありません。英語が使えないと、相手の言っていることもわからないし、自分の意思を伝えることもできません。しかし、「英語が絶対に必須か ? 」というと、私はそうではないように思います。


たびたびこのコラムでも触れている通り、私は「コミュニケーションに問題はない ! 」と言い切れるほど、英語がペラペラなわけではありません。そもそも口頭で説明・説得できる自信がないので、事前にわかりやすく説明するための資料を作ったりしてしのいでいるのが実状です。私の場合は、英語力というよりもむしろ、事前の「段取り力」に負う部分の方がはるかに多いように思います。


では、事前に十分な下調べをしておけば、完璧なコミュニケーションがとれるかというと、これもまた違うような気がします。確かに、事前の準備をしておけば、気持ちを落ち着けて話すことができるので、「自分の言いたいことを、自分の思うように話す」という意味では、うまくいくかもしれません。しかし、「うまいコミュニケーション」というのは、自分が言いたいことをいかに相手に伝えるか(または、伝わったか)ということであって、自分が「気持ちよく話す」ということとは違います。仮に、たどたどしい英語を使って、アドリブで話したとしても、自分の意思が相手に正確に伝わっていれば、そのコミュニケーションは成功したといえるのではないでしょうかね。


ではでは、コミュニケーションを円滑にする条件とは、一体何なのでしょうか ? 自分の経験に照らし合わせてみると、私は次の 3 条件が揃うことが非常に重要ではないかと考えています。その条件とは、「役割」「場・仕組み」「スキル」の 3 点です。

「役割」を明確にする

コミュニケーションにおける「役割」とは何でしょうか ? 例えば、会議でのプレゼンを考えてみましょう。そこに登場する人物は、プレゼンター ( 話し手 ) ・聴衆 ( 聞き手 )・コメンテイター・司会などです。聞き手がコメントをする場合もあるでしょうから、いくつかの役割は重なっていることもあるかもしれません。


ここで重要なことは、「各参加者の役割 ( すべきこと ) が明確である」ということです。議題について事前準備して話す人、それを聞いて理解する人/意見を言う人、会議を時間通りに進行する人・・・各人が自分の役割を認識し、それを全うすることで、 1 つのプレゼンテーションが成り立つわけです。仮に、目立ちたがり屋の聞き手がいて、複数の人間がプレゼンターになってしまっては収拾がつきません。また、全員が議論に夢中になって、司会役がいなければ、会議はいつまでたっても終わらないでしょう。


「フリー・ディスカッション」や「ブレイン・ストーミング」のように、役割を決めずに、参加者が自由に議論するような会議形式もありますが、そんな場合でも、実は自然と「役割」が決まっているものです。「ブレイン・ストーミング」がうまい人というのは、単に議論がうまいわけではなく、議論をする中で、自然に自分の役割を認識して、その役割をこなすことができる人なのだと思います。

「場・仕組み」 と 「スキル」

次に、「場・仕組み」について考えてみましょう。いくら伝えたいことがあっても、それを他人に伝える手段がなければ、だれにも伝わりません。コミュニケーションにおける「場・仕組み」とは、例えば「定例会議」などのように、実際に自分の意見を言うことができる場面のことを指します。


会議はその代表例ですが、何も会議に限定することはありません。そもそも、コミュニケーションする「場・仕組み」として、会議しか存在しなかったとしたら、会議に参加できない人は一生コミュニケーションできないことになってしまいます。そうならないために、社員が自由に議論できる「掲示板」や「提案目安箱」のような仕組みが導入されます。また、役員が末端の社員と自由にコミュニケーションできるような策として、「オープン・ドア・ポリシー」を採用している企業も見られます。


最後は、「スキル」です。「スキル」とは、外資系における英語力や自分の仕事における業務知識なども含まれます。しかし、私がここで言いたいのは、「コミュニケーションをするためのスキル」の方を指します。


例えば、業務知識も英語も完璧なのに、何が言いたいのか、聞き手に全く伝わらないプレゼンをする人がいます。話に抑揚もなく、小声でブツブツつぶやいている ・・・ そんな感じの人です。また、言っていること 1 つ 1 つは正しいのですが、要は何が言いたいのかわからない人、ポイントのはっきりしない人も、コミュニケーションの「スキル」が不足していることになります。


もちろん、スキルは話し手だけに要求されるわけではなく、聞き手・コメントする人・司会者 ・・・ と、すべての役割に必要であることは言うまでもありません。

3 条件が揃った組織とは ?

以上のように、私は、「役割」「場・仕組み」「スキル」の 3 条件が揃ったときにこそ、最高のコミュニケーションが実現できると考えています。では、この 3 条件を兼ね備えた状態とは、どのようなものなのでしょうか ?


実は、私はこれらの 3 条件が揃った状態に出くわしたことが、これまでほとんどありません。高校のクラブ・大学のゼミ/サークル・初めて就職した日系銀行・外資系コンサル・マンションの管理組合 ・・・ そのどれをとっても、 3 条件のうちのどれかが欠けているために、円滑なコミュニケーションが実現できていなかったような気がします。


「とは言っても、日系企業に比べれば、外資系の方が円滑なコミュニケーションが実現できるんじゃないの ? 」とお考えのみなさん、実はそうでもないのです。ということで、次回は「日系と外資系におけるコミュニケーション 3 条件の実現度合い」について、お話したいと思います。 

 

( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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