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タカシの外資系物語

突然ですが …… 転職します !2003.10.10

みなさん、本当に突然なのですが、9 月末日をもって今の会社を退職し、新しい会社に転職することにしました。「えらい急な話やな ……」と思われるかもしれません。その企業にアプローチを開始したのが 7 月頃で、決まったのが 8 月初旬。お盆前には今の会社の上司に話をしましたから、まぁ急と言えば急な話です。


以前にもお話したのですが、外資系企業で働いていると、「転職」というコトバが常に頭の片隅に存在しています。(『転職を考える』 参照のこと )


確かに、あれだけ多くの転職組が入社し、また同じぐらい多くの人が会社を去っていきます。いつ自分の番が回ってきてもおかしくはありません。


しかしこの段階では、本気で転職先を探す気はありません。言ってみれば「遊び」です。自分は今ならいくらで売れるんだろうとか、どんな企業が自分を欲しがっているんだろうとか、そんな興味が先行しているわけです。今回の私は「遊び」ではなく、まさに「本気」で転職先を探しました。まずその理由をお話したいと思います。


私の前職は、日系の銀行です。そこでシステムの開発やデリバティブのトレーダーをやりました。1 回目の転職のときは、銀行の海外撤退が決まり、ほとんど破綻寸前の状態でした ( 結局破綻しましたが )。そういう意味では、私は「夜逃げ」同然で、今の外資系コンサルティング会社に「拾って」もらったわけです。


実はそのときに、あることを心に決めました。今後仕事をしていく上で、これらのことだけは守っていこうという、言うなれば転職に当たっての「決意」 ( =「タカシ 3 つの誓い」 ) です。


( 1 ) 金融機関、特に銀行をクライアント ( お客様 ) にしていこう → そうすることで、少しでも銀行に恩返しをしたいと考えたからです。


( 2 ) 何か専門分野を身につけて、スペシャリストになろう → これは銀行員時代の反省から来ています。「広く浅く」のジェネラリストではなく、手に職をつけようと考えました。


( 3 ) どんなときにも楽しく仕事をしよう → これは基本ですね。


つまり、「金融機関、特に銀行を相手にした、IT コンサルティングを楽しくやっていこう」と決めたわけです。で、実際にどうだったかと言うと、2 年前、つまり入社後 4 年ぐらいはその決意通りに仕事をすることができました。しかしここ 1、2 年、なんだか事情が変わってきたのです。


「タカシ、話があるんだけど ……」


ある日、私は金融部門のヘッドに呼び出されました。彼は日本人で個別のプロジェクトに関与するというよりは、部門全体の収益を管理する立場にいます。「銀行以外をやってみる気はないかな ?」


要は、いつまでも銀行にこだわってんじゃねーぞ、仕事取ってこいよ、と言っているわけです。確かにここ 1、2 年、銀行からの発注が極端に減ってしまいました。以前なら銀行のリストラの一環で、業務改革やシステムのアウトソース ( 外注 ) 化の依頼があったのですが、最近ではそんなリストラ話すら聞こえてきません。会社としても、私に稼いでもらわなければ困りますから、この際、銀行にこだわらずに何でもいいから仕事を取ってこいというわけです。


これが 1 年ぐらい前の話です。実はこのときも少し悩みました。何といっても、「タカシ 3 つの誓い-その ( 1 )」を否定して仕事をするわけですから、いくら優柔不断な私でも少しぐらいは悩んだわけです。一方では、「金融以外でも仕事ぐらい取れるわい ! なめんなよ !」という反発心もありました。実際には、その反発心から、私はしばらくの間「タカシ 3 つの誓い-その( 1 )」を封印し、銀行以外のクライアントに営業をかけました。それから半年ほどして、幸運にも私はある大手商社に ERP という業務パッケージを売り込むことに成功しました。受注額 10 億円の大型案件でした。


そんなある日、私はまたしても金融部門のヘッドに呼ばれました。


「タカシ、ERP 部門に移って、頑張ってみないか ?」


………


違う部門から、私にお声がかかっているとのこと。それはそれでうれしかったのですが、実は大きな問題がありました。それは、ERP という業務パッケージは、銀行にはほとんど売れないということ。つまり、ERP 部門に移ること = もはや銀行業界は相手にしない = 「タカシの 3 つの誓い-その ( 1 )」を否定することになるのです。


また、金融以外の商社と仕事をして気付いたのですが、なんと言うか、仕事が面白くないのです。そもそも私自身に業務知識がないというのも大きいのですが、それにしても金融機関を相手にしているときと比べて、充実感というか達成感が乏しいのです。


こうなると、「タカシの 3 つの誓い-その ( 3 )」まで否定することになります。


「わが社の戦略上、銀行への営業活動は考えてないんですかね ?」 私は尋ねてみました。


「仕事が取れるんなら、やってもいいけどね ……」 その部門ヘッドは、やや顔をしかめて言いました。


営業というのは個人でやるものではありません。会社の協力がなければ、ひとりでいくら頑張ってもどうしようもないのです。


この段階になって、私は転職を決意しました。自分の考え = 「タカシの 3 つの誓い」と、会社の方向性が、何となく違ってきていることが確認できたからです。私は知り合いのヘッドハンターに条件を告げ、転職活動を開始し、その結果、転職先が決まったというわけです。


ここまで読まれた方の中には、なんと安易に転職を決めるヤツだなぁ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私にとって「タカシの 3 つの誓い」、特に ( 1 ) は重要だったのです。そして、( 1 ) と ( 2 ) のバランスが取れてこそ、( 3 ) 「楽しく仕事をする」ことができるのです。


確かに私が経営者なら、仕事をくれない銀行業界からは撤退して、儲かる分野に資源を投資するでしょう。私を違う部門に異動させようという気もわかります。しかし私個人は、経営者ではありません。自分の考えと会社の方針が、永久に一致しているわけではありません。できることなら自分の方向性と一致する会社で働きたいし、また運良く私の考えに合う会社が他に存在していたわけですから、私は転職を決めた、それだけのことです。


さて、これで 2 回目の転職ということになりました。1 回目と違うところは、自分なりの考えを持って転職できたところではないかと思っています。1 回目は、実は何がなんだかわかりませんでした。とにかく会社がつぶれる前に転職しようというのが先走ってしまい、自分が何をしたいのかなど、ほとんど考えていなかったように思います。また、自分に何ができるのか、自分自身が理解できていなかったような気がします。


しかし、2 回目の今回は、自分に何ができて、自分が何をしたいのか、それを明確にして転職することができました。それが進歩と言えば進歩ですかね。あ、そうそう、1 回目の転職に比べて、年俸がほぼ 2 倍になりました。1 回目が安すぎたという説もあるのですが、これも進歩です。


ま、先のことはどうなるかわかりません。今の会社にとどまる方がいいかもしれませんし。でも私は動くほうを選択しました。生まれつき貧乏性なものですから、忙しい方を選択肢しがちなんですね。


あと、大事なことを忘れていました。今度の会社も「100% 外資系」です。ですから、『タカシの外資系物語』は、まだまだ続きます。


みなさん、今後ともよろしくお願いいたします !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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