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タカシの外資系物語

外資系における会議手法 ( その 3 )-「型」も重要2003.08.01

前回の続き )最近、極度の運動不足解消のため、スポーツクラブに通うことにしました。これまでも幾度となく繰り返しているのですが、これがなかなか続かないんですよね。で、とりあえず、シューズ、トレーニングパンツ、タオルなんてのを買いに、スポーツ店に行くことにしました。これまで何度も「なんちゃってスポーツクラブ通い」をやっているわけですから、シューズもパンツもタンスのどこかに眠っているのです。それを使えばいいのに …… でも、このように「型」から入ることで、心機一転リフレッシュできたりするのです。


実は会議も同じことで、ときには「型」から入ってみることも重要です。つまり「会議グッズ」を最大限に活用するということです。


会議グッズのほとんどは、すでにみなさんの会社にも存在しています。ただ、うまく使われていないだけなのです。以下で、会議グッズとしての有効な使い方を説明しましょう。


■ 会議グッズ ( 1 )-「ポストイット」


通常、ポストイットというのは、「貼れるメモ」ということで、個人のメモ帳代わりに使用されることが多いと思います。しかし、このポストイット、使い方次第で、会議で絶大なる威力を発揮するのです。


ポストイットが活用されるのは、前回述べたような「ブレーン・ストーミング」型の会議です。会議のファシリテーター ( 司会者 ) は、参加者から出た意見を、やや大きめのポストイットに書いて、片っ端からホワイトボードや壁などのペタペタ貼っていきます。もう、意見が出ないかな …… というころを見計らって、出てきた意見の「相互関係」を、実際のポストイットを使って考えていきます。同じ意味なら重ねてひとつにする、似ている意見は近くに集める、全く違う意味なら遠くに離す、など。こうやって見ると、「ポストイットが集中している ( 多くの紙がある ) 部分」と「まばらな部分」があることに気付きます。次に、「まばらな部分」を要・不要に分類していきます。今議論しなくてもいいことや、ちょっと論点をはずしているものは、参加者の了解を得て落とします。その次に、「集中している部分」を検討します。集中している部分は、ほぼ全員が重要だと思っているのですから、絶対必要なのです。つまり、この会議で集中的に議論すべき点なのです。


このように要点を絞っていく方法を、「KJ 法」といいます。KJ というのは、考案者である、川喜田次郎という先生のイニシャルを取ったものものです。


実は私、KJ 法を非常に気に入っています。特に若手のスタッフとのミーティングでは、トレーニングも兼ねて、多用しています。KJ 法では、多数意見の重要度がわかる一方で、少数意見も無視されません。ひとつひとつの意見は、発言者のランクや声の大小にかかわらず、一枚の同じ紙に書かれます。ですから、いずれの意見も平等に扱われるところが気に入っている点です。で、このKJ 法をやるには、ポストイットが欠かせないというわけです。


■ 会議グッズ ( 2 )-「プロジェクター」


現在、多くの日系企業でも、会議にプロジェクターが利用されるようになってきました。しかしその使い方は、会議で意見を言い合うというよりは、すでに決まっていることをだれかにプレゼンテーションするために使われているような気がします。


プロジェクターの有効な使い方は、プレゼンではなく、会議にこそあります。まず前提として、会議資料は紙で配布しません。紙で配るから、参加者は下を向き、議論に参加しなくなるのです。前々回のコラムでも触れたように、資料はすべて電子化し、プロジェクターで映します。議事録もその場でバンバン書いていき、会議内で完成させます。 ( 『 オンラインでの文書化』参照。)


「みなさん、この会議では以上のことが決まりました。何か反論とか意見のある方はいませんか ? 」と、会議内で確認をとってしまい、後から文句が言えないようにしておくのです。そもそも、手書きのメモをおこすから間違いや誤解が出るのですから。


ちなみに、私の周りでは、議事録係のことを「ギジロッカー」と呼んでいます。どちらかというと、議事録係というのはイヤな役回りなものですから、こう呼ぶことで、なんとなくカッコいい印象を与えているつもりです ( なんのこっちゃ …… )。


■ 会議グッズ ( 3 )-「模造紙」


最近は、ボードに書いた内容を即座に紙にコピーできるホワイトボードが普及してきました。これはこれで便利なのですが、実は重要なことを忘れています。それは、会議で書いた内容というのは、その会議の場でこそ値打ちがあるということです。例えば、コピーできるホワイトボードにしても、裏表 2 面ぐらいしか書けません。それより前に書いたものは、A4 の紙で見るしかなくなります。しかし、盛り上がる会議というのはボード 5~6 枚は平気で書きます。そういう会議で、最初の 1 枚目が A4 の紙になっていたのでは、興ざめするというか、勢いがなくなるのです。


そうならないためにも、初めからすべての内容を、大き目の模造紙に書いて壁に貼っておき、後からでも全員が同じ紙を見ることができるようにしておきます。そもそも議事録は、ギジロッカーが書いているのですから、板書のコピーなどいりません。最も重要なことは、全員が前を向いて議論することなのです。


■ 会議グッズ ( 4 )-「ちょうどいい感じの机」


会議をやる上で軽視されがちな要素のひとつとして、「会議室と机の大きさ」というのがあります。もう数年前のことですが、ある地方銀行の頭取室で打ち合わせしたときのこと。確かに、東京よりは土地が安いのはわかるのですが、その部屋の広いの広くないのって。結局私は、その頭取の表情はおろか、どんな顔だったのかすらわからずに会議を終えたことがあります。一方で、お互いの額がくっつくような状況では、暑苦しくてたまりません。左右両隣は人が通れるぐらい、向かい合う場合には、先方との間に A3 の資料が置けるぐらいのスペースがあれば、適度な広さと言えるのではないでしょうかね。


以上、会議をスムーズに進めるためのグッズを紹介しました。いずれにしても、一番重要なことは、「いかにその仕事を楽しむか ?」ということに尽きます。会議をひとつのエンターテイメントと考えて、各参加者それぞれが、どのように会議を演じるかを考える …… 有効な会議というのは、案外そういった「遊び心」が重要なのかもしれませんね。みなさんも、Let's enjoy MEETING !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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