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タカシの外資系物語

外資系を目指す諸君へ ( その 3 )2003.04.11

前回の続き )「んったく……今日は散々だったよ。人事の担当者がバカでさ……」


電車で隣り合わせた学生と思われるおにいさんが、携帯電話で何やら話しています。本人はスーツをばっちり着こなしているつもりなんでしょうが、着こなしぶりが明らかに「素人」です。就活(就職活動)をしている大学 4 年生のようです。私も興味半分、しばらく話を聞いていました。


「だいたいさぁ、向こうは人事のプロなんだから、自己アピールなんてさせずに、ひと目で見抜いて欲しいよな。毎回おんなじこと言ってる身にもなってくれよ、ホントに……」


ありゃりゃ、そんなこと言ってるから面接に落ちるんだよ、学生さん。


「エヘン、エッヘン !」


私は少し露骨に咳払いをしてみました。すると、その学生さんは私をジロリとにらんで、またペチャクチャ話し始めました。


……だめだ、こりゃ……


外資系に限らず就職先が決まらない学生さんには、いくつかの共通点があると思います。今回のコラムでは、伝統的な日本企業である銀行から、外資系コンサルティング会社に転職した私の目から、いくつかコメントしたいと思います。


1.常識が足りない

前述の学生さんもそうですが、一番重要なことは「常識」です。電車内では携帯電話の電源を切りなさいと、何度も社内放送で言っています。聞こえないのか、あんたは ! そんなことも守れないような人は、どんな会社にも採用されません。


2.練習が足りない

自分を理解してもらおうと思うなら「練習」しなければなりません。何度も何度も練習すれば、いざ本番というときに失敗しません。また、家族や友人など第三者に聞いてもらって、おかしな回答がないかチェックしてもらうことも有効です。


「ありのままの自分を見せればいいんだから、練習なんて必要ないさ !」と言っているあなた。甘い ! いったい何様のつもりでしょうかね。


例えば、私はよくクライアントに対してプレゼンテーション(提案)を行うのですが、そのためにどれぐらいの練習をすると思いますか ? だいたいプレゼンテーション時間の「10 倍」ほど練習します。それぐらい練習しないと、自分が話す言葉が「自分のもの」にならないのです。そんなに練習したって、うまくビジネスに結びつくことはほとんどありません。ビジネスというのはそういうものなのです。


3.研究が足りない

あなたは自分が受ける会社を、どれくらい研究して面接に臨みましたか ? これも上記 2. に通じる話ですが、通常の営業マンなら、プレゼンテーション時間の「20 倍~30 倍」ほどの時間をかけて、クライアントの研究をします。そのクライアントの考えを知り、同じ言葉を使う。それだけでもかなり印象が違うのです。最近ではほとんどの企業が、HP 上での IR(投資家向けの広報活動)に力を入れていますから、情報収集も簡単に行えるはずです。これから面接を受けようとしている会社の主力製品や経営計画の内容も知らないようでは、受ける前から勝負は決まっているのです。


4.将来に対するイメージがない

例えば 5 年後、その会社で働いている自分をイメージしてみましょう。営業の最前線を走り回っているもよし、研究所で夜遅くまで製品開発をしているもよし、たとえそれが現実とはかけ離れた「夢」であったとしても、そういうイメージを持って面接に臨むことが重要です。


面接官は、「そんな甘い世界じゃないんだよ、現実は……」と思いながら話をしています。その通り ! ビジネス社会は甘くありません。でも、もっと「夢」を持っていいはずです。「夢」を忘れかけた面接官たちに、もう一度思い起こさせてやってください。


「あなたも入社前には夢を持って入ったはずなのに……」 


学生のみなさんは「現実」を知らない分だけ「夢」を持って、目を輝かせることができるはずです。変に妥協したり現実を知ったかぶりする人は、新入社員としてはふさわしくないのですから。


最近は大学名を伏せたままで、面接を実施する企業が増えています。私が就職活動をしていた頃は、大学名だけで合格する企業がいくつもありました。しかしよくよく考えると、出身大学偏重主義は、その人の 19 歳の頃の偏差値で判断しているにすぎません。そして、長い間そのような採用を行ってきた日本企業が、いまや青色吐息なのは見てのとおりです。


前回のコラムにも書いたように、私の会社でも数年前から大学名を伏せた採用を実施しています。それでも、W 大学の人はバンカラな雰囲気を漂わせていたり、K 大学の人は妙に自信たっぷりだったり、何となくどこの大学かわかるのは不思議なのですが……そうそう、以前私のプロジェクトにいたカズオくんは決して有名とは言えない大学の夜間部出身でした。でも、同期の誰よりも優れた実績を残していました。これまでの採用方法では埋もれていた人材が、今後どんどん社会の表舞台に出てくるのかもしれません。


Zzzzz……おっと、少し眠ってしまったようです。隣の学生はっと……あれ ? どこかで下りたのかな ?


「ははーーん……」


例の学生は携帯電話を切って、私の前に立っていました。隣には、荷物を抱えたおばあさん。どうやら席を譲ったようです。


「いいとこあるじゃん !」


学生さん頑張って ! 明日の面接はきっとうまく行くだろうから、ね !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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