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タカシの外資系物語

外資系を目指す諸君へ ( その 1 )2003.03.28

「いよいよ新卒採用のシーズンが本格的に始動いたしました。つきましては、添付ファイルをご参照の上、ご調整をお願い致します」


「おいおい、こっちにも予定があるんだから、まったくもぅ …… 」 


人事部から届いたメールは、またしてもマネージャー陣の不評をかっているようです。わが社で 2 年前から始まった採用インタビューは、人事部のマネージャーではなく、現場のマネージャー自らが学生さんを面談します。


『人事部の目ではなく、現場のマネージャーが学生を選ぶことで、わが社にふさわしい学生を選ぶことができる。また、現場のマネージャー陣にもインタビューのスキルが身につく』なんてまぁ、なかなかもっともらしい理由で始まったこの制度。事前に連絡をくれればそれなりの協力は惜しまないのですが、毎年いきなり協力要請が来るのです。すでに日付も決められた状態で……


「どれどれ、今年はいつなのかなっと …… 2 月 28 日と 3 月 31 日と 4 月 30 日って、全部月末だし …… ガーーーーーーーーーーーーーーン !」


百歩譲って 2 月 28 日はいいとしましょう。でも、よりによって超忙しい期末 (3 月 31 日 ) と、大半の人が休みを取る GW 中 ( 4 月 30 日 ) にぶつけなくてもいいじゃないですか !


「しょうがないなぁ …… 引き受けてやるか ……」


え ? 文句言わないのかって ? そりゃまぁ変更してもらえるならその方がいいのですが、こういうケースは黙って従った方がいいのです。


え ? それじゃ面白くないじゃねぇかって ? じゃ、仮に人事部に文句を言ったとしましょう。


私 「この日は困るんですが ……」


人事部 「いいですよ、じゃ、だれか代わりを連れてきてください」


となるのがオチです。これが進むと、事態はさらに泥沼化します。


私 「そんなのは人事部で手配してくださいよ。採用は人事部の仕事でしょ ?」


人事部 「あら ? 今なんて言いましたっけ ? 採用は人事部の仕事ぉぉぉ ?」


私 「( マ、マズイ ) い、いや協力しますよ、はい …… えーっと、代わりは見つかりそうにないんで、やっぱ、この予定のままでいいです ……」


人事部 「あら ? あららのら ? あなたはそんなに大した理由もないのに、私に文句を言いにきたのですか ?」


…… こうなると、間違いなくボスのところに連絡が行きます。「タカシは全社一丸となって実施すべき採用活動に非協力的である」外資系というのはこういうところなのです。本部が決めたことには黙って従った方が面倒なことにならなくて済むのです。


さて話を戻しましょう。人事部のメールには、『グループ・インタビュー 面接官マニュアル』という 10 ページほどの文書が添付されていました。


「選考基準の標準化を図り、かつ選考時のルールなどを面接官同士で共有する目的があります。事前にお読みください。」


「ふーむ、どれどれ ……」


マニュアルには、2004 年度の新卒採用概要、面接 ( インタビュー ) のねらい、選考基準などが書かれています。また、インタビューの標準的な進行手順から、こんなことは言ってはいけない / 聞いてはいけないなどの「べからず集」まで、非常に詳細な記載がなされています。


1. 2004 年度の新卒採用概要

採用予定人数 = 60 名 ( 全国 )

 

初期受験者総数は約 3000 名 ( ! )。彼らは小論文で 1000 名に絞られ、さらに当インタビューで 300 名に絞られる ……


「けっこうシビアなのね ……」


要するに 10 名のグループ・インタビューを実施して、3 名しか合格させないわけですから、それなりに真剣に学生さんを評価しなければなりません。それにしても、わが社を志望している学生が 3000 名もいることにびっくり …… 「そんなにカッコよくないよ、みなさん。もうちょっと考えて、ね」


2. 面接 ( インタビュー ) のねらい

わが社のカルチャーに合うかどうかを、受験者と現場マネージャー相互が判断できる場を設けること。


「こ、これはムズカシー !」


そもそも、わが社の文化って何 ? って感じですから、この判断は非常に難しいと思います。日系企業ならそれなりの「文化」が存在するのでしょうが、外資系企業というのは多様なカルチャーが集まってこそ強みが発揮できる集団のはずです。わが社のカルチャーに合わない、今までいなかったような人こそ、本当に欲しい人材なのだと思うのですが、どうでしょう ?


3. 選考基準

-プロフェッショナルになれるか ?
-わが社に入社することが、本人およびわが社にとって Happy か ?


「知らん知らん、そんなもん本人の頑張り次第じゃ !」


「ま、いいや、インタビューってわりと得意だし …… 進行手順だけ頭に入れとくかに ……」


かなり適当にマニュアルを読み飛ばしていた私。しかしこれが驚愕のグループ・インタビューにつながるとは、この時点では誰も知る由もなかったのです、はい ……


( 次回続く )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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