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タカシの外資系物語

すべての答えは「真ん中」にある2002.04.26

NY オフィスのケイジとは 2 年前のロンドンでのプロジェクトで知り合いました。ケイジと私は同い年でしたが「MBA を持っている」、「大学卒業以来ずっと同じ業界 ( コンサルティング業界 ) にいる」ということで私のような転職組かつこの業界で大卒以上の学歴を持っていない日本人からは一目置かれる存在でした。


プロジェクトは英語で進められたこともあり私が四苦八苦しているのを尻目に、彼はいつも積極的に発言していました。


そんな彼が非常によく口にするセンテンスがあります。それは、"All answers are in the middle" ( 「すべての答えは真ん中にある」ということ )。それは何を意味しているのでしょうか ?


会議が Stuck ( 膠着 ) すると彼は決まってこの言葉を口にし解決策を探ります。以前にもお話したかと思いますが、外資系企業の会議は極めて緊迫したムードで進んでいきます。「会議で意見を言わない=無能である」という文化が浸透しているので、参加者のだれもが自分の主義主張を勝手にしゃべりまくります。会議に参加しているのはアメリカ人が多いものの、ヨーロッパ人もいますし日本人以外のアジア人も含まれています。英語があまり得意ではない私も、自分の主義だけは曲げないようにカタコトでも発言します。まるで百花繚乱、だれもが一体どうやって収拾をすけようかと思い始めたところでケイジはおもむろに言うのです。「すべての答えは『真ん中』にある。答えの選択肢は十分に出揃ったよね。さぁ、最適な答えを導き出そうぜ !」と。


確かに、1 つの問題に対して、多くの「解決策候補」が用意されていれば、あとはそれぞれのいいところを取っていけばいいだけです。彼が言う「真ん中」とは多くの答えから最もよいものを選んでいく作業を意味します。


一方、最初から同じような意見しか出なかったとしたらどうでしょうか。答えが 1 つしかないわけですから決めるのは非常に楽でしょうが、このような答えは全然 「強く」 ないのです。つまり、最初から何となく「真ん中」をねらって出来ているわけですから、非常に貧弱なモヤシっ子のような答えなのです。


総じて、日系企業のものの決め方は「モヤシっ子スタイル」です。そもそも日本人はみんなが大体似たような考え方に落ち着かせようとして、必死です。たとえ自分に独自の主義・主張があろうともみんなと同じようにすることの方が、尊重されるのです。


外資系企業では最初の段階から多種多様な考えをすべて明らかにし、そこからスタートします。どちらがより強い答えを導き出せるかは歴然としているような気がしませんか ?


ですから、私は外資系企業に入ってからというもの、討論の初めには出来るだけ思っている事をぶちまけることにしています。たとえそれが間違っていたとしても、少々わがままであったとしても、です。結局のところ、答えはどこかの「真ん中」に落ち着くわけですから、変な意味で安心してわがままを言っている部分もあります。


このように過ごしていると、くだらないストレスが溜まらないばかりか、他人に対して思いやる気持ちも身についたりして一石二鳥だったりもします。


( 私 )「ピーター ( 職場の同僚でフランス系アメリカ人 ) いよいよワールドカップが始まるね。どこが優勝すると思う ?」


( ピーター ) 「フランスの V2 に決まってるじゃん !」


( アヤコ ( 日系ブラジル人 ) ) 「何言ってんの、セレソン ( ブラジル代表 ) よ !」


( 私 ) 「日本に決まっ ……」( …… 途中で言うのやーめた …… )


時にはかなり「分が悪い『真ん中』」も存在するんですけどね !


( ※ サッカー日本代表チーム頑張ってください ! )

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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