グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

タカシの外資系物語

職場での「人間関係」を重視する2002.03.15

最近、中途採用の面談をしていて気付くのは、「職場での人間関係を重視する」人が増えてきたことです。実際に、仕事のやりがいより、自分のキャリアより、給料より、人間関係の良い職場で働くことをより重視する傾向が強まっています。


確かに、いわゆる「一般職」と言われる事務職においては、職場の人間関係というのは非常に重要です。総合職には「転勤」があるので、万が一、自分に合わない職場に配属されてもそのうち違う部署に異動になります。しかし、「転勤」のない一般職の場合には、人間関係がドロドロの職場に配属されたが最後、退職するまで我慢するしか方法がありません。


たとえ総合職の場合であっても、少なくとも 3 年ぐらいは同じ職場に勤務することを考えると、やはり「職場の人間関係」というのは、皆さん共通の悩みだと言えるでしょう。


こういう話をすると、「職場の人間関係なんて『気合』で何とかなるものさ !」と能天気なことを言う人がいますが、多くの人にとって、それはそんなに甘っちょろい話ではありません。前職の銀行員時代には、職場でのイジメが原因で軽いうつ病になった女性がいました。そういう話に鈍感な私でさえ、所属する部署の学閥・セクト主義にうんざりしていた時期があります。「気合」も必要でしょうが、もう少し建設的な解決策を見いだす必要があるようです。


その 1 つの解決策として、世間一般では「外資系企業への転職」が挙げられるようです。日系企業に勤めている人は、どうも外資系企業の人間関係が素晴らしいもののように映っているようです。しかし、あえて言いますが、外資系企業の人間関係が日系企業のそれより特に優れているわけではありません。まず、英語を使わなければならない事だけを取ってみても、外資系企業の方がはるかにストレスが大きいといえます。また、日本人と同様に欧米人の中にも意地の悪い人はいますから、日系企業とほぼ同じ確率で「人間関係の悪い」職場に配属される可能性があるのです。


例えば私の場合、前職の銀行員時代には週に 1 回程度、職場のみんなと飲みに出かけていました。しかし、外資系企業に転職してからというもの、数えるほどにしか飲みに行ったことがありません。私自身、それほどお酒が好きなわけではないのですが、これほどまでに機会が減ると何だか寂しい気にもなってきます。日系企業独特の「和気あいあい」とした雰囲気が、非常に懐かしく感じられる時もあります。


ですから、人間関係云々なんてのは、日系だから外資系だからというのではなく、もっと別のところに問題があるのだと思います。「自分の意見が聞き入れられない」「男女間の差別がはなはだしい」などという場合には、その会社が持つ企業風土そのものの問題である可能性が高いので、転職するのも 1 つの手だと思います。しかし、「仕事が任せてもらえない」という場合には、自分はどのような事が出来るのか、それをやるためにはどのような職場であるべきなのか、明確に説明出来なくてはなりません。ウジウジと文句ばかり言う人がいますが、「で、どうしたいの ?」と尋ねると、何も言えなくなる人が結構います。


では、特定の個人がイヤな場合はどうすればいいでしょうか ? 外資系流の回答をすれば、「その人を解雇できるぐらい出世する」という事になるのですが、現実的には難しいでしょう。ま、どこにでも「イヤなやつ」はいますから、「気にしない」と割り切るか、我慢できないなら辞めてしまうことです。


ただし、そんな理由で会社を辞めてしまったあなたの優先順位は、


仕事のやりがい<イヤな人と顔を合わせなくてすむ


という事になります。この場合、次の職場でもそれほどやりがいのある仕事にはつけないかもしれません。何と言っても、あなたにおける「仕事のやりがい」という優先順位はそれほど高くはないのですから。


そもそも 100% 満足する職場などありません。たとえイヤな人がいたとしても、「人との付き合い方がうまくなったわ !」ぐらいの気持ちでいればいいのではないかと思います。そして 1 つ言えるのは、今の状態から「逃げる」手段として外資系企業への転職を考えるべきではありません。隣の芝はそんなに青くはないのですから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

ご意見・ご感想フォーム

合わせて読みたい

---