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タカシの外資系物語

エンプロイアビリティーとは ?2001.12.21

最近わが社の評価シートに、「エンプロイアビリティー ( Employability )」という項目が追加されました。さて、エンプロイアビリティーとは何なのでしょうか ?


一般的には、「会社に雇われるために必要な能力」または「企業 ( 社会 ) の求めるサービスを提供して報酬がもらえる能力」というふうに解釈されています。ここで重要なのは、「企業の求める」という点です。


言い換えると、「企業の求めていないサービス」しか提供できないならば、たとえそれがどんなに優れていようとも、評価されないし、報酬ももらえないということです。例えば、サッカーの中田選手はサッカーをやるからこそ価値があるのであって、彼がうちの会社にいても、それほど役には立たないかもしれません ( 個人的に、サインは欲しいですが … )。簡単に言うと、「会社のために役立つ度」と言ってもいいでしょう。


この考え方のおもしろいところは、「企業もその向上に責務を負うべき」とされている点です。つまり、企業は社員に何をして欲しいかを明確に示し、社員が能力を発揮する手助けをしなければならないのです。そして、ある社員がその企業にとってエンプロイアビリティーが低いと判断される場合には、企業は、その社員が適合する職場を見つけてやらねばなりません。大胆なリストラを推し進め、大幅な人員削減に着手する一方で、リストラ対象の社員に対して他社で雇用される能力開発の機会を与えてやることなどは、まさにこの考え方に当てはまります。


一方で、伝統的な日本企業には、なかなかこの考え方は当てはまりません。なぜなら、伝統的な日本企業が社員に要求してきた能力・知識・スキルというのは、その企業内でのみ通用するものが大半であるため、汎用性に乏しく、市場価値が極めて低いケースが多いのです。エンプロイアビリティーが対象とする能力とは、「その業務が存在する限り、どこでも通用する能力」のことですから、多くの日本企業が抱えている労働力は対象外と言えるかもしれません。


私は人員削減を前提としたリストラを支持しているわけではないのですが、企業のダイナミズムから見て、ときにはスリム化を図らなければならない時期もあります。外資系企業の場合、社員がリストラで解雇された場合にも、なんとか生きていく最低限の能力はつけてもらうことを前提に、教育などのカリキュラムが組まれており、このあたりは日本企業が見習わねばならない点だと思われます。


評価面談当日のこと。上司の Jim から、こんな質問がありました。


( Jim ) 「タカシ、エンプロイアビリティーというのは非常に重要なんだ。さて、この半年の間に取り組んだ自己啓発は ?」


( 私 )「うーーん … そうそう、Jim に教えてもらった、金融 IT の本を原書で読みましたよ」


( Jim )「それだけ ?」


( 私 )「それだけって … 。あの本、英語で 5 冊もあったし、すっごい分厚いのに … 」


( Jim )「金融 IT が shrink ( 縮小 ) して、ビジネスができなくなったら、どうするんだ !」


( 私 )「そんなこと言ったって … 。あの本、Jim が読めって言ったんだよ … 」


( Jim )「もういい !」


短気な上司 Jim によると、私のエンプロイアビリティーは非常に低いようです。それにしても、リストラされた後のことも考えないといけないとは … 。まったく働きにくい世の中になったもんです。トホホ … 。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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