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タカシの外資系物語

社会貢献活動への参加2001.08.31

先日、私の会社では、ある「社会貢献活動」が実施されました。一般に、「社会貢献活動」とは、営利を目的とせず、公益の増進に寄与することを目的として、自主的な意思に基づいて行われる活動のことを指します。つまり、企業の社会貢献活動とは、社員にボランティアしたいという者がいるとき、時間や機材を提供して支援することをいいます。


わが社の活動は、ある養護施設へのボランティアです。ここには、さまざまな事情で親元を離れた子供たちが生活しています。その施設で、庭の手入れをしたり、自転車を修理したり、壁のペンキを塗り直したり、という作業に従事しました。


子供たちが学校から戻ってからは、彼らと遊んだり、話をして過ごしました。施設の養母さんからは、「子供たちがこんなに外で走り回ったり、大声で笑ったりしているのは、本当に久しぶりだわ !」といった感想をいただき、本当にすがすがしい気持ちで家路についたのです。


さて、外資系企業における「社会貢献活動」とは、どのような意味合いを持つのでしょうか。実際に、わが社の評価基準には「Volunteer activities ( ボランティア活動 )」という項目が存在します。ここで、「なんだ、結局は自分の評価を良くしてもらうためにやっているのか …」と思わないでくださいね。これは外資系企業にとっては、当然のことなのです。


外資系企業の考え方では、人間の生活は「営利活動(profit activities)」と「非営利活動(non-profit activities)」の 2 つに分かれており、両方がバランスよく調和されている人を「優れている」と見なします。オカネのあるところでビジネスをして、そこで得た余裕を社会に還元する、この非常にわかりやすい考え方が、企業の根底に流れているのです。


一方、日本における「ボランティア」を見る目は、いまだに「何か、とっつきにくい」「いいカッコしやがって …」みたいな側面があることは否定できないのではないでしょうか。


この違いは、もとをたどれば、キリスト教の精神から来ているのかもしれません。日本の場合は、たとえ「ボランティア」を実施しても、外部に対してはあまりアピールしない国民性から来ているのかもしれません。


まぁ、理由はどうあれ、「ボランティア」をやって、すがすがしい気持ちになることには変わりがないのですから、つべこべ考えずに積極的に参加すべきだと思います。


ひとつ気になったのは、やはり日本人の参加、それもシニアレベルの参加が少なかったことが挙げられます。確かに、彼らが日々、収益獲得のプレッシャーに苦しんでいることは理解します。しかし、だからこそ、主体的に先頭に立って、ボランティアに参加すべきなのでしょうが …。


あ、そうそう、最近わが社の採用面接時に、「あなたが現在取り組んでいるボランティア活動は ?」という質問があるそうです。ボランティア精神なんて、一朝一夕に身につくものではありません。明日から一緒に活動しませんか ? きっと、すがすがしい気分になりますよ !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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